緊急クエスト後カッシュは・・・
「クソッ!!なんであの無能が!!」
酒場で悔しそうに叫んでいる男は《鈍色の光》リーダーのカッシュだ。
「なんであの無能が勇者様に認められて俺が認められねぇんだ!!」
酒を飲みながら喚き散らす。
「しかもあの野郎、3人もパーティから連れていきやがった!」
怒り狂っていたカッシュだったが、突然笑い出す。
「まぁいいさ!どうせあいつは捨て駒だったしな!たまたまだろどうせ!そのうち野垂れ死ぬか俺
たちに縋り付いてくるに違いねぇ!!」
そして酒を一気にあおった。
「それもそうだな!アイツのバフは今回は都合が良かっただけだ!!」
カッシュの言葉を聞いて周りのメンバーも笑い出した。
「そうだよな!それにあんなゴミがいなくてもこのクエストなら問題ないだろ!俺らのおかげで生
き残ってるような奴だしな!」
「確かに!むしろ足手まといがいない方が楽勝かもな!!」
「だよなー!ギャハハッ」
そんなことを言いながら飲んで騒いで笑っていると、店の入り口が開いた。
入ってきたのはフードを被った小柄な人物だった。
「いらっしゃいま……なんだガキじゃねえか。悪いがまだ開店してなくてね、出直してくれない
か?」
その人物は店員を無視してカウンターまで行くと腰をかけた。
「おい聞いてんのか?ここはお前みたいなガキが来るところじゃないんだよ」
フードの人物は何も言わずに紙を差し出した。
「この男を知ってる?」
「あー知ってるよ。そこの客とよく一緒に居たのは見てたぞ。」
それを聞くとその人物は立ち上がった。
「この人知ってる?」
カッシュたちに問いかける。
するとカッシュたちは笑いながら答えた。
「あー?知ってるも何もコイツは俺たちのパーティから追い出された無能だからな!」
ギャハハ!と下品に笑いながら答える。
「そう、もういいわ。」
そう言うとその人物は店を後にした。
「なんだったんだあのガキ……」
店員はその人物が出て行った方を見ながら呟いた。