公爵家にて
あー・・・勉強疲れた。もうやだ。なんでメイリア授業全部寝てんのにわかるんだよ。
「あーつっかれた。目痛い〜。」
「お疲れ様です。でも大分出来るようになりましたね。」
「まぁユーリィさんのお陰でもあるけど・・・」
「つか冷静に考えたらメイリアは『恩恵』使えばカンニングし放題だよな。」
「だから私は別室で試験受けろって言われたよ。」
「流石にそうだよね。編入試験満点って実績あるけど、それすら疑いかかりそうだし。」
「まぁ何も問題ないけどね。」
自信すげーな。
俺も見習わないと。
そんな感じで今日の授業が終わり、俺たちはそれぞれの部屋に戻った。
夕食まで時間があるから少しゆっくりしようかなと思った時だった。
コンコンッ! 突然ドアをノックされた。誰だろう? ガチャ ドアを開けるとそこにはメイド服を着た女性だった。
本当に誰だよ。
「失礼します。お嬢様がお呼びです。」
「えーっとどちら様ですか?」
「失礼しました。シンフィールド家の使いです。」
「シンフィールド・・・あぁ。ユーリィさんの所か。」
「はい、モニカ様とメイリア様もお連れするようにと。」
公爵家かぁ・・・行きたくねぇなでも行かないわけにもいかないから俺は2人を呼びに行った。
2人も不思議そうな顔をしながらもついてきてくれた。
そして連れて行かれたのは屋敷の奥にある一室。
中に入ると中には1人の男性がいた。
「やぁ。ユウ君、モニカ君、メイリア君だね?」
誰だよコイツも。
「アハハ!そんなに警戒しないでくれ。ユーリィは今少し席を外しててね。」
ユーリィさんに対して気さくな感じ、この雰囲気・・・「こちらこそ申し訳ありません。ユーリィさんのお兄様とつゆ知らず。」
「名乗ってもないのによく分かったね。実は君たちにはお礼を言いたくてね。」
「お礼・・・ですか?」
「あぁ。ユーリィは最近よく笑うようになってね。話を聞くと学校で仲のいい友達が出来たとか。」
「いえ、私達はそんな・・・」
俺達は何もしていないんだけどな・・・
「お兄様!」
あ、ユーリィさんだ。
「何も言ってないよ。」
ユーリィさんお兄さんをガックンガックン揺らしてる。仲良いのね。
ユーリィさんが落ち着いた所で本題に入った。
どうやら俺たちがどれだけ勉強したかをテストするらしい。
問題なく解けた。
「これだけ解けたら充分ね。」
ユーリィさんも満足してくれたみたいだ。よし帰・・・あ、あの目は帰してくれない目だ。
「さ、テスト勉強はこの辺にしてどこの遺跡に行くか決めましょ!」
あーそっち本命かぁ。
休暇前に有耶無耶にして逃げるつもりだったのにユーリィさんは結局遺跡へ行くことになった。
「ここの遺跡ね。」
「はい、一回行ったことあるんですけどその時はあまり探索できなかったので。」
そうして向かう遺跡を決めてこのまま解散・・・・・・と思ったら。
「待て。」
振り返るとそこにはおっさんがいた。
「君たちにそれ相応の実力があるのか?私の娘が怪我したらどうする?」
「実力はどうこう自分では分かりませんが6年間冒険者をやってきたので安全は保証しますよ。」
「良いだろう、試してやる。」
そう言って公爵様は右手を挙げた・・・