学生として。
今日からしばらく勇者様は学校に来ない。勇者としての仕事で各地を回るらしい。
「いーなー。国の金で色んなところ行けるとか。」
メイリアが結構デカめの声で喋る。
「お前そろそろ不敬罪適応されるぞ。」
「でも良いですよね、色んなところ見て回れるのは。」
「そういえばモニカが冒険者になったのって色んなところ見て回りたいだったね。」
「はい!今は皆さんと過ごすのが楽しいから満足してますけど。」
良い子すぎる・・・
「まぁ長期休暇入ったら俺らも久しぶりに遺跡回るか。冒険の勘鈍ったら困るし。」
「だね。それが良いよ。」
そんなこんなで授業も終わり放課後。
「今帰り?」
校門の前に居たのはユーリィさん。
「はい。ユーリィさんもですか?」
「えぇ。そういえば、テスト近いけど大丈夫なの?」
あ、完全に忘れてた。そういえばそうだ。俺は学生なんだ。戦闘が多すぎて忘れてたわ。
「ダメっぽいですね・・・はい。」
「テスト一つでも40点を下回ったら長期休暇返上で補習よ?」
やっべぇ・・・
「私は問題ないかなー。」
「私もです。」
俺だけか・・・チクショウ。
「私が教えてあげるわ。中等部と兼任してる先生の出題傾向もわかるし、お兄様たちから過去問ももらってるわ。」
「助かります!ユーリィ様!!」
「気にしなくて良いわよ。その代わり!長期休暇の遺跡冒険私も連れてきなさい!約束よ。」
「え、あー冒険者のライセンス持ってます?」
「一応D級よ。」
同じ階級か。
「なら大丈夫ですね。それでは勉強お願いしますね。」
こうして期末試験対策が始まった。
朝起きて朝食を摂り、学校に向かう。このルーティーンにも慣れてきた頃合である。
教室に入るといつも通り挨拶をされ席に着く。
良いなぁ勇者様。国の用事だからテスト免除とか。でもこれで強い魔物とか来たらどうするんだろ。流石にそこまで強いの出てこないか。