決勝戦
2回戦は普通に勝ち進んだ。
1回戦からある布石を打っておいた。全員試合前ワザと勇者様に話しかけてアドバイスを得たかのように振る舞った。作戦を考えるのが勇者であるようにな。
「さ、ついに決勝戦だね。」
「そうですね。心臓バクバク言ってますよ。」
「ユウさん落ち着いてください。」
「じゃあ先ずルールを確認しようか。三つ巴のチーム戦。フィールドは森で制限時間は1時間で1人倒すと1点が手に入る。で、フィールドのどこかに隠してある旗を取ると3点手に入る、そして生き残ってた人数分の点数が貰えて合計点の多いチームが勝ちと。」
でも正直言って分が悪い。相手は3年のAクラスと2年のBクラスだ。
2年のAクラスが負けたのが意外だが。
「よし、作戦はメイリアが旗探し、モニカとメイリアは絶対に離れるな。モニカは結界でメイリアを守ってくれ。」
初手で索敵能力持ちのメイリアが落ちるのはキツい。先ず旗を確保してから合流して動いた方がいいだろう。
「そうだね。で、他はどうする?」
「勇者様は単騎で十分な戦力になるから単独で敵を削ってください。そしてユーリィさんは俺と組んでください。俺は近接戦弱いんで誰かといないとすぐ落ちちまう。」
「わかったわ。足引っ張らないでちょうだいね。」
「もちろんですとも。」
「うん、旗を取ったら合流して、そこから全員でポイントを稼ぐ。単純でいい作戦だね。」
念には念を入れておいた方がいいか・・・
「旗を見つけたら空に爆破魔法を撃とう。あ、後仮に誰か変装系の能力持ってた時のために合言葉を決めておこう。そうだな・・・よし、ウチの【賢者】の名前にしよう。合流したら質問してそれに合うように答えよう。」
ここにいる全員ソフィーさんと面識がある上にここでぼかしておけば盗聴されてても対応できる。
全員が配置につき試合開始の合図を待つ。
「よし、じゃあモニカ、メイリア。頼んだぞ。」
開始のブザーがなる。
「よし!行くぞ!」
メイリアとモニカは結界で守られながら走り去る。勇者はジャンプで木々を足場に立体的な動きで敵を探してる。
俺は風魔法で自分を中心に風を起こす。風に乱れがあればそこに何かある。
「・・・何をしているの?」
「ん?あぁ。索敵的な感じです。お、早速お出ましだ。」
3人の生徒が現れる。
「へへへ。運がいいぜ。1年の雑魚がまぐれで勝ち上がってくれて。」
「これで国王に顔が売れるんだから割がいいぜ。」
「所詮勇者の知恵で勝ち上がった雑魚だからな。」
長々と喋って何がしたいんだろう。
「《具現化魔法》」
岩を具現化して2人押し潰す。お、消えた。なるほどこのフィールド特殊な魔法で身代わり人形が壊れたらテレポートされるようになってんのか。
「な、卑怯だぞ!」
「は?か弱い雑魚を3人がかりで潰そうとしといて何を言うか。」
「流石に今のは・・・」
ユーリィさんまで・・・
「死ねぇ!!」
卑怯とか言ったくせに不意打ちしてきやがった。
「ふん!」
ユーリィさんが剣で受け止める。
「《穿光》」
足を貫く。
「痛ッ!」
身代わり人形は即死級のダメージを肩代わりするからそれ以外のダメージは普通に通るんだよなぁ。
「《穿光》」
3発撃って頭、喉、胸を貫く。
「あ、消えた。」
「貴方中々容赦ないわよね。」
「仕方ないですよ。殺す気のやつ相手に手心加えてたら負けるのこっちなんで。」
多分こいつら2年だな。1年Cクラスと2年Cクラスが同じリーグでたまたま勝ち進んだのか。そこまで強く無いしなんか慢心も見られたし。
なんにせよ早速3点入った。滑り出し順調だな。