対抗戦チーム結成
今日からまた学園に通わなきゃ。休日なのに全然休まらなかった。心が死ぬわ・・・
「おはよう。」
ユーリィさんが挨拶をしてきた。今までこんなこと無かったのに。少しは心を開いてくれたのかな。
「おはようございます。」
「おっはよー!」
メイリア朝から声がでかい・・・
「おはようございます。今日もいい天気ですね。」
モニカは微笑みながら挨拶をする。
「今日の授業なんだっけ?」
メイリアが聞いてくる。
「何で調べてないんだよ。確か午前は魔法論で午後からは、なんだっけ何とかのかんとかをなんかするって。」
「ユウさんも何も覚えてないじゃないですか。午後はクラス対抗戦のメンバーを選ぶんですよ。」
そうそれだ。眠くなりながら話聞いてたからあやふやだった。
「勝ったら何か貰えるのかな?」
「さぁ?」
「勝ったクラスには国王陛下から勲章を下賜されるらしいですよ。」
別に要らねぇな。
「へぇー。」
「興味無しか!まあ私もないけどね。」
「私もあまりそういう物に興味は無いですかね。どうせ私たちは選ばれませんし。」
そっかこのイベント国王に顔覚えてもらうための貴族たちのイベントか。
午前の授業を何とか乗り切った。
昔師匠に教えてもらったことばっかでつまらん。あの人何者だよまじで。まぁもう何者かも知る手立てないんだけどな・・・
そして昼休みになった。いつも通り食堂に向かうと人がたくさんいた。俺はメイリアたちと食べるので席取りに向かった。
「あ、こんにちは・・・」
「こんにちは。この間ぶりですね。」
エルフの女の人。名前は知らん。
「あ、名乗ってなかったよね・・・わ、私はルーフェ。見ての通りエルフ。」
「俺はユウです。元々冒険者やってました。」
「私はメイリア!」
「こんにちは。私はモニカです。よろしくお願いします。」
うわ、いつのまに背後に。
「席ご一緒しても大丈夫ですか?」
「うん、どうぞ。あ、この前ありがとう。私のために怒ってくれて・・・」
「いやいや、俺たち・・・と言っても俺とモニカだけだけど昔エルフに助けられてるんですよ。エルフはいい人たちって知ってるので。」
それにここの奴らがルーフェさんを煙たがってるのは魔法の扱いが上手く魔力量も多いしエルフしか使えない魔法もあるからそれへの嫉妬だろう。あとエルフのことをよく知らないことと。分からないことを嫌悪し排除するのが人間だ。まぁ師匠の受け売りだけど。
はー。肉うま。
やっぱり肉だろ。
メイリアたちはデザートを食べている。ユーリィさんにもらったお菓子も女性陣というか俺以外でほとんど食べてた。
食べ終わって教室に戻る途中、すれ違った生徒に嫌ほど見られた。この前の決闘で顔が知られてしまった・・・午後の授業が始まった。
クラス対抗戦に出るメンバーを決めるのだが、立候補する者はいなかった。5人決めなきゃなのに1人目も手上げない。
そりゃそうだ、誰だって負けると分かってる戦いなんてしたくないだろう。それに国王陛下の前で無様晒すなんか。
「自推でも良いし他推でも良い。誰かいないか?」
「リシルス様が良いと思います!!」
「いや!僕は勇者だから・・・」
「ルール確認したけど勇者の参加を制限する項目なかったですよ。」
助け舟を出す。推薦した奴に。
「・・・なら!ユウが参加するなら僕も参加する!!」
「やっぱ、勇者出すのは反則だよな!ルールにないからって流石にダメか!!」
手のひらを速攻で返す。勇者と同じチームなんか実力以上の期待をかけられるに決まってる。
「よし、リシルスさんとユウさんの他に立候補したいやつはいるか?」
あー!結局参加決定なのね!腹括るしかないか。
「ユウが出るなら私もー!」
「では私も・・・」
メイリアとモニカが参加を表明してくれる。あと1人になった。
「私が出るわ。」
ユーリィさんが立候補した。
俺の場違い感エゲツない。
「よし、これで決まりだな。じゃあ今日は帰って良い。」
早く終わったのがせめてもの救いだよ。帰り道、 モニカとメイリアと3人で帰る。
「最悪だよ。何で勇者と肩並べて戦わなきゃいけないんだ・・・」
「ここで活躍したらC級冒険者への大きな一歩になるでしょ。諦めてがんばろー。」
こういう時メイリアの前向きさには救われる。
よし、気持ち切り替えていくか。