ユーリィさんと・・・2
ユーリィさんが着替えて外に出てきた。
「よし、まずは軽く走って体慣らしてからレイラの攻撃避け続けてください。」
と指示を出し、ユーリィさんもそれに了承して走り出したので俺達は少し離れたところから見守ることにする。
しばらくして肩でしていた息を落ち着かせたユーリィさんとレイラが向き合った。
「じゃあユーリィさんはレイラの攻撃を全部避けてください。レイラの攻撃方法は模擬戦で俺がやった跳ね回るやつです。」
レイラは具現化魔法で足場を作り攻撃を仕掛ける。
俺が《加速ボード》使って出す最高速度より速いんだよなぁ。
「あ、言い忘れてましたけどレイラは俺よりエグい角度で突っ込んできますよ。」
と言うとユーリィさんの表情に緊張の色が見える。
さっきのスピードに慣れれば多分大丈夫だと思うんだけどね。
そうこうしているうちに戦闘が始まった。
ユーリィさんは開始と同時に飛び上がりレイラの頭上から剣を振り下ろす。
レイラはユーリィさんの剣をコテで弾き飛ばして蹴りを入れる。
ユーリィさんはそれをギリギリで回避し着地する。
そこからレイラの連続攻撃が続くがユーリィさんは全て捌いている。
流石だな。最初こそ劣勢だったけどもう慣れたか。
しかしレイラの動きにだんだんキレが増してきている気がするのは気のせいではないと思う。
「はい、そこまで。」
「はぁ・・・はぁ・・・その子、貴方より大分鋭い動きするわね・・・」
「まぁ、ウチのメインアタッカーの1人ですからね。」
と言ってもまだ幼いけど。
「よし、次はレイラとレイサの2人を相手してみよう。」
この訓練の目的は超高速攻撃の中で最適な対処をできるようにすることだ。
あ、あの顔2人ならあんな動き出来ないって思ってるな。
「よし、準備いいですね?始め!」
2人同時に跳ね回る。ちなみにレイサが好き放題に跳ね回ってレイラがそれを確認して合わせてる。双子だけあって息ぴったりだ。
レイラが仕掛けた。
レイラは空中で一回転しながら踵落としを決めようとするがユーリィさんはそれを紙一重で避ける。
避けられると踏んでいたのかそのまま地面に足をつきその反動を利用して回し蹴りをする。
・・・戦闘センス半端ないと思ってたけどここまで化けるとは・・・。
だがそれもユーリィさんは避け続ける。
うん、どっちも強すぎる。
「そこまで。・・・もうそろ日が沈むし今日はここまでかな・・・」
「まだいけま・・・いけるわ。」
なんでちょいちょい敬語になるのかな・・・もう少し仲良くならことができたら聞いてみよう。
「いや、流石に公爵家の令嬢を夜まで引き留めるのは不味いので・・・」
そういうと渋々帰っていった。あの感じだと明日も来るな・・・。
その後屋敷に戻り夕食を食べて風呂に入り寝た。
翌日朝起きて本を読んでいるとチャイムが鳴った。本当に来たよ・・・
「はーい・・・」
誰だ。いや、この服のマークユーリィさんの服についてたのと同じ・・・まさか・・・
公爵家の人間だ!跪いて頭を下げる。
「よい、私がお邪魔したのだ。面を上げよ。」
「ありがたきお言葉。」
顔を上げて見上げる。
「娘が世話になったそうだな。今朝の訓練を見てわかった。」
この人ユーリィさんのお母さん!?つまり国王の妹!?
「いえ、ユーリィ様の才能あってのこと。私は少しのきっかけを与えたに過ぎません。」
返答をミスったら殺される・・・
「して、ユウ・・・と言ったか?」
「は!」
「気に入った。今後とも娘と良い関係を頼むぞ。」
・・・?それだけか?平民の何処の馬の骨とも知らない男と公爵家の令嬢だぞ?
取り敢えず返事しないと。
「この身に余る光栄でございます!誠心誠意良き関係築くことを誓います!」
えー・・・何だったんだ?
あ、ユーリィさん来た。
「お母様がごめんなさい。昨日の話をしたらどうしても一目見たいって・・・」
でも忙しい中時間を作って来てくださったんだろうな・・・。
ここは感謝しない訳にはいかない。
そういえば今日は仕事休みなのかな? 貴族ってよくわからん。
そんなこんなでこの日は終わった。波乱の休日だった・・・




