決闘/結果
俺に喧嘩を売ってきた金髪野郎。おそらく一つ上の男だな。あの自信からして戦闘向きの『恩恵』持ってるか、あるいは魔法と剣に自信があるのか。
「お前はいいよなぁ? 女連れでお気楽気分なんだろ?」
「…………」
「俺は違うんだよ。俺は必死に勉強してる時に女侍らせて楽しくやってたんだろ? あぁん!?」
「そんなこと言われてもねぇ。」
俺は肩をすくめる。そもそも俺この学園来る予定なかったんだけどなぁ。あと俺別に侍らせてねぇ
し。
「ごちゃごちゃうるせぇぞ。早くかかって来いよ。」
「テメェ・・・コケにしやがって!!!」
炎の魔法か。
「オラァ!!!無駄ダァ!!!」
水の魔法をぶつけて相殺する。
こっちから攻撃に回るか。早く帰って飯食いたいし。
「《雷光》」
雷の筋を3本飛ばす。
ん?当たらない?結界!?
「残念だったな・・・俺は結界が使えるんだよ!!」
結界魔法は超高度な魔法でモニカやソフィーさんレベルの魔法使いしか使えないはず・・・
「あー。わかった。お前の『恩恵』。【結界魔法適正】だろ。適性が上がれば魔法は使いやすくな
るからな。」
まぁそれなら納得だわ。
それにしても結界魔法とはね。
しかし、どうするか。結界魔法だと生半可な攻撃通らんし。
「《雷動》」
加速して殴りつける。結界が割れた。
「なんだよビビらせやがって。そりゃそうだよモニカみたいに硬くてたまるかよ。」
「な、なんで・・・結界が・・・」
さてはこいつ今まで結界破られたことねぇな?
「結界ってのは魔力の絶対量で硬さが変わるんだぞ?それをそんな薄く広げて破られないとでも?」
モニカが結界を広範囲に広げても硬いのは魔力の絶対量がイカれてるからだ。
「そうと分かれば近寄る必要もないな。」
両手で魔法を起動する。
「ま、魔法の二重起動だと!?」
ギャラリーが騒ぎ出す。
両手の魔法をそれぞれ分割する。左手の魔法を細かく割り右手の魔法を大きく割る。
「くはは!!馬鹿だなお前も!!結界の弱点を教えてくれてありがとよ!!!」
結界を一点に集中して動かして守ろうとしている。それがわかってて教えたんだけど。
「なんで魔法を2個バラバラに割ったかわかる?」
「は?」
「こうするんだよ!!」
細かく割った方をバラけさせて飛ばす。
「そんな低威力広げれば全部防げるんだよ!!ばーーーか!!!!」
そこで大きく割った方をドーン!!
「がっ・・・はっ!」
金髪野郎は気絶した。これで終わりかな?
「ま、まだだ・・・!!」
結構根性あるな・・・プライドからか?
「《爆炎弾》」
これは流石に避けなきゃまずい!!!
「ふー危ねぇ。流石は二年生魔法の威力は折り紙付きってか。」
「クソッ!当たれよ!!」
「威力は申し分ないけど発動まで時間がかかる。実戦じゃ使えんな。」
「黙れぇええ!!」
怒りに任せて撃ってくる。
「《身体能力強化》」
思いっきり蹴り飛ばす。
俺の魔法はジワジワと削ることと味方のサポートに特化してるから効率よくダメージ与えるには身
体強化で物理攻撃が一番早い。
「ぐっ!!」
「ほら、降参してくれよ。」
そう言って近づいていく。
すると。
パァン!! 結界に阻まれた。
しまった。結界のこと忘れてた。
もういいやめんどくさいし。終わらせよう。
右手で首を絞める。
「気絶させたら勝ちなんだろ?少し苦しいけど我慢してくれ。」
弱目の雷魔法を起動してたっぷり流し込む。やっと気絶した。
うげ。手が痺れた。
ギャラリーが騒然としている。
やっぱやり過ぎたか? でもなぁ、あの炎魔法とか見る限り俺のこと殺す気だったし。
「勝者!!ユウ!!」
歓声が上がる。
あ、やべ。完全に忘れてた。
「ごめん。お待たせ。」
「お疲れ様です。」
「お疲れ〜。」
モニカとメイリアに労われる。
「す、すごいですね・・・あのアベル君を倒すなんて・・・」
さっきのエルフの女の子が驚いてる。
「見た感じ二年生のBクラスかな。」
「はい。Bクラスの第20位です。」
そんな順位なのか?一桁かと思ってたら随分と他の連中強いんだな。
「一対一で魔法戦ならともかく、戦闘向きの『恩恵』を持つ人に勝つのは難しいと思います。」
「でもモニカの方が結界硬いし魔法の威力もソフィーさんって仲間いるんだけどその人とメイリアの方が強いからなんとか勝てた。」
ちなみにアベルは約束を反故にして退学をごねていたが周りに後ろ指さされた結果辞めていった。
謝罪の一言もなしかよクソッタレ。