ボス撃破!
レイラとレイサがオークに向かって走っていった。
俺もこっちをなんとかしないと。でもおかしいだろ、前情報ではオーク一匹だったはずなのに・・・
「《穿光》!」
指先に集中させた光を放ちオークの腕を撃ち抜く。
「《ライトニングブレード》!」
ユニさんの魔法攻撃、光魔法で剣の射程を伸ばす技だ。先端に行くほど切れ味が増す。
「《重域》」
ソフィーさんの重力魔法。相手を重くし動きを制限する。
トドメの一撃は勇者とやったアレをユニさんにやってもらう。
「《風域》」
ソフィーさんが風魔法でユニさんを高く持ち上げる。
地面に手をつき支援魔法を発動する。
「《勇気の恩寵》!」
身体能力を3倍にする。
そしてソフィーさんの重力魔法で加速させる。
オークは動けずユニさんの一閃を受けた。
そのまま縦に真っ二つになった。
「やりました! !」
ユニさんは嬉しそうにはしゃいでいる。年上だけどユニさんは結構妹感あるなぁ。
「あ、こっちも終わったよ〜。」
メイリアたちもちょうど終わったらしい。
お、魔石を落としてる。貰っとこう。
「よし、ここで一回休憩しよう。モニカ、結界頼めるか?」
「はい、大丈夫です!」
モニカが結界を張り俺が食事を用意する。
パンにチーズと肉を挟んだものと水を出す。
「はい、どうぞ。」
「ありがとうございます。」
全員に配り終え、腰を落ち着ける。
「前情報と違ってたな。次の層でもあるかも知れん。」
「ですね、より一層気合を入れていかないと。」
食事を終え出発の準備をする。
2層は何もなく突破することができた。そして3層のボス。
「ここのボスは未だ倒されてない。毒を操るスライムだそうだ。」
「スライム・・・ですか?」
「ああ。普通のスライムは小さいから普通に核ごと両断できるが、ここのスライムはデカすぎて核
に届かないそうだ。さらに毒による継続的なダメージと動きの低下によってジリ貧を強いられるそ
うだ。」
一応モニカは解毒をできるが、みんなに注意を促し扉を開ける。
中に入ると部屋の中央に紫色のスライムが鎮座していた。4mくらいかな。
「《風刃》」
風の刃を6枚前方に飛ばすが当たって削った側から再生する。
これは厳しいぞ・・・
全員が警戒しながら距離を取る。
スライムがプルンッとしたと思ったら一気に距離を詰めてきた。
速い!?
慌てて回避するが服の一部が溶けている。
まずいな・・・物理耐性があるのか? とりあえず前衛組には離れてて貰って遠距離攻撃で全員で
穴開けてから前衛組にトドメを刺してもらうか。
スライムの動きを止めようとモニカが光魔法の拘束魔法をかけるがあっさりと抜けられる。
やばい、このままじゃジリ貧になる。何か打開策はないのか? 考えている間にもスライムの攻防が続く。
メイリアたちが頑張ってくれているが徐々に追い詰められていく。
くそっ、考えろ・・・考えるんだ・・・
「《フロストフィールド》!」
凍らせてから削ると再生が遅くなった。
でも俺じゃ軽く表面を凍らせるのが限界だ。
「メイリア、氷魔法頼めるか?」
「まっかせて!!」
メイリアが全体を凍らせて完璧に静止させる。
「ユニさん!トドメの用意してください!レイラ!!レイサ!!核の付近まで削ってくれ!」
「任せてください!」
「行きます・・・!」
このままだと毒に当てられる可能性もある・・・
「モニカ!解毒魔法を2人にかけ続けて!!」
「《速度上昇》!《処理能力向上》!」
2人に速度上昇バフをかけてから、レイラの処理能力を向上させる。レイサは『恩恵』で動体視力が上昇してるから必要ない。
ある程度削った所でユニさんがオークを真っ二つにした技を放つ。
ユニさんの剣は光魔法で切れ味を上げている。
しかし、核を切り裂くには至らない。
体もデケェ分核もデケェのか・・・!!
「《重化》」
ユニさんの体重を5倍にする。
「《耐久力上昇》!」
ユニさんの体が耐えられるように耐久力を上げたところでソフィーさんが重力魔法でスライム全体を重くする。
「はあぁぁぁぁ!!!!!」
珍しくユニさんが声を荒げてる。そんなに硬いのか・・・
パキンと乾いた音がして核を破壊する。
「勝った!!!」
メイリアが喜色に満ちた声を出す。
でもさっきの戦闘で全員かなり消耗している。
みんなに回復ポーションを配る。
「次の階層は未知の領域だ。しっかり体を休めてから行こう。念のため俺が見張りしておくからゆっくり休んでくれ。」
この勝利は確実に俺たちを成長させてくれた。C級の足掛かりにはなったかな・・・