ダンジョン前日/それぞれの『恩恵』
「では私は教会でお祈りしてきます。」
モニカはそう言って教会に向かった。
今日はポーションなどを買い溜めて、明日のダンジョンに向けて各々コンディションを整える日だ。
「じゃあ俺はたらふく肉食べるわ。」
「私も!」
「私も・・・」
レイラとレイサは俺と一緒に肉を食べに行く。
メイリアは二日酔いでダウンしてるソフィーさんの面倒見てる。
ソフィーさんに薬を飲ませているようだ。ソフィーさん、普段はお淑やかなのに酒入ったら歯止め
効かなくなるのね・・・
「ふぅ・・・結構食ったな。」
「お腹いっぱいです。」
「美味しかった・・・」
レイラとレイサは2人とも俺と同じくらい食ってるな。
宿に戻り明日持って行くポーションをバッグに詰めてからレイラたちと話す。
「そういえばレイラたちの『恩恵』ってなんなんだ?」
『恩恵』産まれた時点で必ず一つ存在するものだ。人に限らず、魔族でもどの種族でも。
例えばモニカの『回帰』魔力を総量の8割を使用して人体の欠損すらも回復させることが出来る能
力。
メイリアは『天の眼』自分の目の届く範囲を俯瞰することが出来る。
ソフィーさんは『魔力倹約』魔法発動に必要になる最低魔力が本来の7割になる。
ユニさんは『物理ダメージ耐性』物理攻撃を受けた時のダメージを4割カットする。
俺は『制約』何かを制限する代わりに何かを強化する。《勇気の恩寵》がその最たる例だ。自分の
動きを制限する代わりに自分以外の味方を強化する。
そしてレイラたちはどんな恩恵を持っているのか気になる。作戦を立てる上で重要になるし。
「私は『雷の加護』雷魔法の威力と適正が上がります。」
「私は『動体視力上昇』です。全力で走りながらでも相手をしっかり捉えることができます。」
なるほど、そういえばレイサは雷魔法を纏わせる攻撃使ってたな。
「なるほど・・・。レイ・・・って寝てるし。」
まぁお腹いっぱいで眠くなったんだろ。明日はダンジョンだしベッドに移動させておこう。
「えへへ・・・ご主人・・・」
幸せそうに寝てるや。