ドーピング
ティナ達は完全に舐めきった態度を取っている。このままだと殺し合いになりかねない。と言うか殺しかねない。流石にそれは不味い。
「アンタ、私が優しくしてやったの忘れたわけ!?」
「頼んでねぇしお前の香水の匂いがキツくて敵わなかったわ。」
完全に頭に血が上ったのか武器に手を掛けようとした瞬間に警備兵がきた。
「おい!貴様ら何をやっている!」
「おっと、俺は何もしてないですよ。むしろ仲裁してたんですよ。」
俺がそういうと、カッシュと揉めていたやつが証言してくれて警備兵はカッシュの腕をを掴み連行していく。そしてそのままギルドへ向かうことにした。
勿論、3人も着いてきてもらった。
ギルドへ着くと受付嬢の元へ行き事情を説明する。
話を聞いた彼女は少し困惑していたがすぐに落ち着きを取り戻していた。
しかし、何か思うところがあったのかカッシュの素行を調査することになった。アイツなんか目バキバキだったから多分何某かのブツやってる。
カッシュ達は連れて行かれたがティナ達はお咎めなしとなった。理由は単純で目撃者がいたからだ。
その後、俺たちは宿へ戻りいつも通りに過ごす。
翌日になると朝早くからギルドへ向かい待機していた。しばらく待っていると昨日の受付嬢が出てきた。
彼女から話を聞くと、どうやら魔族と繋がっていたらしい。てことはアイツが王城に来た時点での俺たちの手の内が魔族側にバレたと言うわけだ。
「クソッタレが余計なことしくさりやがって・・・でもまぁいいさ。どの道潰すつもりだったんだ。対策されたならまた新しく練り直すしかない。」
「そうだな。僕たちがそう簡単に負けるわけがない。」
「明日は休みにする予定だったけど予定変更だな。これから忙しくなるな。」
カッシュは王城の地下にぶち込まれている。諸々情報聞き出してから処分が決まるらしい。
目がバキバキだったのは魔族の血液を摂取して力が強くなっていたから。いわゆるドーピングってやつだ。厄介なのはカッシュ以外にもやってる可能性があることだ。
「はぁ、あの馬鹿どこまで頭が悪いんだよ・・・」
魔族の血を飲んで力強くして何の意味があるんだ・・・
にしても魔族側の動きがここまで狡猾だとは想定外だ・・・




