魔力操作
うーん、みんなまだ割と緊張しているようだ。ここは一つ発破をかけてみるかな。
「ちなみに!この特訓で一番戦力が向上し、魔族領で功績を上げた者は国王から褒賞があるそうだ。」
俺がそう言うと皆の目の色が変わり始めた。やはり褒美は魅力的だよなぁ。まあ、俺からしたら金もらいたいものだけど。
それでもまぁ、皆んな俄然やる気が出てきたようで、気合の入った顔をしている。よしよし、これで大丈夫だろう。
これから行うのは魔力操作だ。
魔力操作とはその名の通り自分の中の魔力を操作すること。
俺たち支援術師は味方に最適なタイミングでバフをかける必要があるため常に魔力を魔法に変換できるようにする事が一流への第一歩だ。
「よし、じゃあ魔力を3個の球にするイメージで両手と頭にそれぞれ割り振ってからその状態でキープしようか。」
「なんの意味が・・・」
「魔力を別々に分けて複数の魔法を同時に使う練習だよ。」
俺の言葉を聞いて、何人かが絶望したような顔になった。
うん?そんな難しいことを言った覚えはないけど・・・メイリアなんか20個別々の魔法を同時展開してたしな。いやまぁメイリアはレベルが違いすぎるか。まぁ俺は2個が限界だけど。
そして1時間後。
全員の前で一人一人の成果を発表してもらった。
一番成長があったのはリリスという子だった。彼女は3つの球にした状態から更に2つ追加して三つの魔法を発動した。
次に凄かったのはユウナ。彼女は4つまでなら同時にできるようになったらしい。流石だね。
そして次がカリナ。彼女も4つまではできるようになっていた。これは相当すごいことだ。
そして最後はファティナ。彼女もなかなかセンスがあるみたいで3つの球をそれぞれ別々の魔法で同時に作っていた。
なかなかの豊作だ。