組分け
三次試験を突破した人たちとの面接は滞りなく進んだ。いい感じに集まったと思う。
「じゃあ今から組分けします。」
「組分け?」
「はい、我々と皆さんで互いに研鑽し実力を向上させます。魔族領に行くのです
、やり過ぎなくらいでちょうどいいでしょう。」
俺は紙を取り出して読み上げる。
「支援魔法、回復魔法を使う者は俺と聖女2人のところへ。前衛職の剣メインの者は勇者様の所へ。防御寄りの者はユニさんの所へ。魔法使う者はあの4人の所へ。分かれてください。」
全員がそれぞれの場所へ移動した。
「えーと、自己紹介からしようか。俺はユウ。支援術師だ。」
そう言うとざわざわし始める。あ、そっかさっき俺の戦い見てるから支援術師しっくりこないのか。まぁいいや。
すると1人が手を挙げる。
「どうした?」
「支援魔法って本当に使えるんですか?」
「うん、むしろそっちが本職だよ。」
またざわつき始める。うーんやっぱりまだ信じてもらえないか? すると別の子が質問する。
「あの、私もあんな風に戦えるようになりますか?」
その子の目には憧れがあった。俺はその目をみて答えた。
「なれるさ。まぁ死ぬ気で努力したらだけど・・・」
「本当ですか!?」
「あぁ。あ、でも魔族領でやるなよ?付け焼き刃なんか役に立たん。いいな?」
そう言いながらみんなを見渡す。
少し緊張した顔だがやる気に満ちている。これなら大丈夫そうだ。
「回復できる子たちも、【聖女】2人に指導してもらえるなんて中々無いぞ。1秒1秒無駄にしないようにね。」