理外
最終試験は集団戦闘だ。魔族領での不測の事態に陥った場合の対処を想定したものだ。
「じゃ、適当に組みますので少し話し合って役割決めてください。」
さっきより強いゴーレムを起動する。
この試験は特殊な状況で如何に周りと協力するかを見る試験だ。なので、1人で戦えるやつなら合格ってわけではないし、連携が苦手な奴でも周りのサポート次第では問題ないこともある。
あ・・・カッシュいるじゃん。一次は通したけど二次も通ったんだ。
「じゃあ今行ったグループに分かれてください。」
そう言うとぞろぞろと動き出す受験生達。俺はそれを見届けて、 土魔法で作った椅子に座って眺めている。そしてしばらくして全員が集まったようだ。
すると、カッシュを含む3人のグループが俺の方へ歩いてきた。
ん?どうしたんだろう。まさか俺と戦うとか言わないだろうな。
まぁ流石にそれはないか。
そんなことを考えながら近づいてくる彼らを見つめる。
すると口を開いてこういった。
「おい!昔世話してやった恩忘れたのか!合格にしやがれこの出来損ない!!」
「頭が悪いのはわかったから試験受けないなら帰れ。」
「あ?なんだその口の利き方?」
「はぁー。今立場的にテメェの方が下だろうよ。頭悪いなら口開くな。」
「なんだとっ!!」
「うわお前口臭。」
「バカにしてんのか!!!」
「逆にしてないとでも?」
なんでもう関係ないパーティの馬鹿にへこへこしないといけないんだよ。もう既に関係ないし、むしろ向こうから喧嘩売ってきやがって。このカスが。
ほら見ろよ横の2人オロオロしてるじゃん。
「いい加減にしろよ!」
「テメェが良い加減にしろ。そんなにふんぞり返りたいならパーティに戻って馬鹿みたいにデカい顔してろよ。」
まだまだ変わらずに叫んでいる・・・
というか喚いている。
無視して後ろを振り向いた。