survival
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捨てられた?
…マジで?
本当に訳がわからない。
訳がわからなすぎて体のだるさが取れてきたくらいだ。
魔法が使えないからって…。
しばらくして、状況が飲み込めてくるといよいよ自分がまずい状況に置かれていることに気がついた。
本で見たことがあるだけの、死の森。
一度入ったら出てこれないとまで言われる、死の森。
現在の装備といえば、寝巻きだけ。
武器なんて持ってる訳がない。
非常にまずい。
まずい、が、嘆いていても仕方ないので食糧を確保するべく僕は森の中を歩き始めた。
幸い雨は降っておらず、食べられるキノコや草の勉強は得意だったので、見つけるのはそんなに苦労しなかったが、探している間ずっと魔獣を警戒し続けていたので時間がかかった。
上を見ると、太陽がちょうど真上くらいにあった。
だいたい正午くらいなのだろう、道理でお腹が空くわけだ。
早速、採ってきた食糧を食べる。
しかし、高熱の影響もあってか、そんなにたくさん食べることはできなかった。
食べきれなかった分は、なぜか一緒に捨てられたベッドの下で保管することにした。
夕食は残りの食糧を少し食べて、眠りに就いた。
*—*—*—*—*
その後しばらく、そんな生活が続いた。
水の確保は、たまに降る雨を木の葉で作ったカップに入れて、ベッドの下で食糧と一緒に保管することにした。
案外僕はサバイバル能力が高かったらしい。
しかしその間にも、体の不調は高まっていくばかりで、なかなか寝付けない日が続いた。
そんなある日、食糧の調達から戻ってくると…ベッドが破壊されていた。
ベッドの下に隠されていた残り少ない食糧に魔獣が反応したのだろう、食糧は全て、食い尽くされていた。
休む場所がなくなった僕は呆然とした。
休む場所がなくなった今、この場所にとどまっておく必要もない。
僕は、森の中を進んでいくことにした。
そこからは、うまく寝られる平坦なところを探して、そこで寝るようにした。
もう、魔獣に食われてもどうでもいいと思うようになっていた。
そして…
*—*—*—*—*
今に至る。
運だけはいいようで、どういうわけだか魔獣にはまだ一度も遭遇していない。
そして今日も変わらず、食糧を探している。
ぼーっとする頭を抱えながら、森の中を進んでいると、
前方にキラキラするものが見えた。
いつぶりだかわからない好奇心を持ち、そこに向かって走っていく。
するとそこにあったのは…小さな湖だった。
湖水は透明で、飲めそうだ。
僕は吸い付くように湖面に顔を近づけて、水をひと掬いして飲んだ。
「…美味い」
生き返るようだった。
ろ過しない雨水ばかり飲んでいたからだろうか、その水は今まで飲んだどんなに美味しいお茶やジュースよりも、ずっと美味しく感じられた。
何口か飲んだ後、僕は湖のほとりでしばらく休むことにした。
ちょうどいい木の木陰に腰をかけると、溜まった疲れがどっと溢れて、すぐに僕は眠りに就いた。
*—*—*—*—*
頭痛で目がさめると、まだ日は沈んでいなかった。
昼どき、食糧を探しに行かなければ。
そう思って立ち上がると、立ちくらみがしてすぐに倒れそうになってしまう。
すぐに近くの木の幹に捕まり、重い体をなんとか動かして調達に行こうとしたその時、
『ねえ、あなたその目…』
後ろから声が聞こえた。