ひと晩寝かせたカレー
ひと晩寝かせたカレーが大嫌いだ。
「カレーは作った当日よりも2日目の方が美味い」とか、誰が言いだしたんだろう?
カレー粉を炒めたり、スパイスを調合するような凝ったカレーの話じゃない。
市販のルーで作ったカレーでも、作った当日がいちばん美味しいに決まっている。
一晩寝かせたカレーなんて香りは鮮烈さを失っているし、味ももったりと鈍重でちっとも美味くない。
カレー専門店でも「熟成カレー」を売りにしている店に美味い店は、私の知る限りまず無い。
ましてや本格インドカレーとかならなおさらである。
あるインド人の名シェフは「日本人が2日目のカレーが美味いとかいうの、わけわからん」と公言しているほどだ。
しかしあまりにも「カレーは2日目」派が多いので、少しリサーチしてみた。
★「2日目のカレーは作った当日より、具材が柔らかくなっているので美味しい」
それは初日のカレーが煮込み足りないのである。じっくり煮込んでからルーを投入すればよい。
★「初日のカレーは具材に味がしみ込んでいないので美味くない」
これも同上。煮込み足りないのである。
★「親がカレールーをケチっていたので、2日目のほうが味が濃くなって美味しかった」
ルーをケチらなければいいのである。
結論。
2日目のカレーのほうが美味しいという人のカレーは、作った時点で出来損ないなのである。
初日に不味いカレーを作っているので、2日目のほうが味が練れてマシになるという程度のものだ。
スープとして材料を煮込むのに時間をかけ、あるいは一晩寝かせるのはいいのだ。
しかしカレールーを投入したら最後、その日のうちに食べるのがベストである。
私の場合、カレーが余って2日目以降に食べる場合は少し水で薄めてから、ガラムマサラやクミンなどのスパイスを投入して食べる。
しかしそれでも初日のカレーの美味さには到底敵わない。
繰り返すが、カレーは作ったその日に食べるのがいちばん美味しいのだ。