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大嫌いだ  作者: 冨井春義
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野球

私は野球が大嫌いだ。


他のスポーツの場合、たとえばサッカーなどは単に興味がないだけで別に嫌いとは思わない。

しかし野球ははっきり大嫌いである。


他の興味の無いスポーツは、見たり関わり合いにならなければ別になんでもないのだが、野球だけはズカズカと他人の領域に土足で踏み込んでくるのが嫌なのだ。


私が小学生のころはスポーツ=野球という時代だった。

誰もがプロ野球選手に憧れ、子供同士の遊びは空き地で野球をするものだと思われていた。

そして野球に無関心であるというのは、協調性が無いというのと同義であったのだ。

ほとんど非国民扱いである。


中学、高校の部活もそうであった。

野球部様の練習の便宜を図るために、他の運動部は練習場所を譲らなければならない。

野球はやたら場所を取るスポーツであるからだ。

そして他のスポーツは置いといても、野球部の試合は全校挙げて応援するものらしい。


成人してからもタクシーに乗ると運転手に突然話しかけられる。


「お客さん、どこのファンですか?」


「は?なんの?」


「野球ですよ、野球」


野球ファンというのは誰もがどこかの球団のファンであるのが当たり前とでも思っているらしい。


営業職だったころも商談中に突然


「今、どっちが勝ってますかね?」


「え、何がですか?」


「巨人・阪神戦ですよ」


なぜそんなことを私に尋ねるのか?わけがわからなかった。

彼らは日本人なら誰でも巨人・阪神の勝敗に関心があるはずだと思い込んでいるのだ。


見たいTV番組をビデオ予約していて、後で観てみると野球中継が入っていたことは1度や2度ではない。

何がスポンサーのご厚意により放送延長だ。時間内で打ち切れよ。


このように野球ファンは関心の無い人間にも容赦なく野球を強要する。


嫌煙者に対してタバコを薦めたり、目の前でいきなり吸い始めるのとまったく同じだ。

迷惑極まりない。


そもそもいつの間に野球は日本の国技になったのだろうか?


野球の試合はやたらダラダラと長い。

ひとりが戦っている間、他の選手はベンチでのんびり座っている。

あんなものスポーツではない。

あれはアメリカ人がビールを飲みながら、日がな一日ダラダラ過ごすための見世物である。


相撲のように正々堂々の立ち合いを好んでいた日本人が、どうしてアメリカ人の好む刺したり盗んだり、卑怯を旨とする野球などに現を抜かすようになったんだろう。やはり敗戦国ゆえであろうか?


今でも小学校の校庭では、土日祝日ごとに少年野球の練習をやっている。


朝早くからお母さん方が用具の準備をする。

野球は今でも雑用は女性がやる仕来りになっているらしく、雑用をする男性の姿はひとりも見えない。

時代錯誤も甚だしい男尊女卑ぶりだが、誰も文句は言わないのか。


そして練習は早朝から暗くなるまでダラダラと続ける。

まともなスポーツなら、こんな長時間練習ありえないが、とにかく野球はダラダラと非効率な練習を延々とつづけるものなのだ。


少年野球は指導者がやたら多い。

プロ選手にもなれず、甲子園にも行けなかった少年野球チームのOBがオッサンになって、自分の果たせなかった夢を子供に託しているのだろうか。


しかし正式なスポーツ指導の訓練を受けているわけではないので、非合理な練習を延々やらせることになる。すべては根性で乗り切れると思っている、時代遅れのスポコン親父が指導者なのだ。

彼らが校門前でプカプカとタバコを吹かしているのも不快だ。


そして少年野球のあの下品な掛け声も嫌だ。


オエー!オエー!と今にもげろ吐きそうである。


野球の下品さのひとつに、試合中に相手を罵倒することが是とされていることが挙げられる。


「ピッチャー、ビビってる!」ってやつである。


子供の体育的にも教育的も最悪のスポーツ、いやあんなものスポーツではない。

カルト遊戯とでも呼ぶべきだ。


最近、野球人気が低迷気味らしい。実に喜ばしいことである。

その割に、ニュース番組が突然、野球ニュースに変わってしまうのが解せないが、おそらくは全時代の生き残りがTV局にまだ居座っているせいだろう。


1日も早く、野球などというカルト遊戯が日本から消えてなくなることを願っている。

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