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episode 03 離脱

genusは小だしにするつもりなので。

どれくらい経っただろうか。

美紅と綵が意識を失って数時間…。

彼女達の身に一体何が起こったのだろう。








   〜 離 脱 〜

 s e p a r a t i o n





2012.9.28

am1:01



突然2人の目が開いた。

目覚めたと言うよりは悪夢を見て飛び起きた様な感じだ。

無言のままムクッと立ち上がると要約口にする。



 「どうやらうまく昇化できた様だな」


 「美紅大丈夫?」


 「う、 うん…綵…なんか景色…変…じゃない?」


 「あ、 美紅もそう思った?

 なんか青い粒が見えるあたし…」


 「うん、 あほら、 そこに見えるよね」


 「……それは霊気だ。 

 まさかそこから説明しないと駄目なのか…」


 「霊気…」


 「み、 み、 みくみくみく!!

 上見てうえっ!!」


 「な、 なに? うえ?」



綵に言われた通り上に目を向けると

想像以上の風景がそこにはあった。

遥か上空に地球を覆いそうな程巨大な物体が見えた。

ここからだとほんの一部しか見る事は出来ないが

それでも何という巨大な物体であろうか。



 「あんなのさっきまで無かったよね?」


 「な、 なんなんですかあれは…」


 「あれは…神界だ。 【神界デウス】」


 「しんかい?」


 「創造神デウスがいる世界だ。

 ここで言う……天国の様なものだな」


 「神様?」


 「…なのかなぁ」


 「見える理由は昇化し、 霊力が解放されたからだ。

 あんた達は非物質的な物を見てるんだ」


 「(ひぶっしつってなに美紅…)」


 「(ん〜簡単に言うと見えない物が

 見える様になったって事じゃないかなぁ…)」


 「デウスはアーダとイーヴァを探している。

 恐らくその目的は俺達【エテリア】と

 人間の【器】の回収と消滅させる事…

 器がなければ再生されないからな」


 「(見えないもの? 例えば?)」


 「(……幽霊とか…)」


 「(ゆ、 ゆうれい……えぇ〜なんか怖い〜)」


 「(でも、 幽霊って見えなかったから

 怖いだけで見えてしまえばそんなでもないよきっと)」


 「今の俺達にデウスの世界に存在できる霊力はないが

 イーヴァ、 あんたが覚醒したら十分に維持できるはずだ。

 あんた達の力を借りて【アレ】を奪うんだ。

 そうすればデウスに怯えなくて済む。

 その為にも早くもう一人のアーダを見つけないとな…」


 「(でもどんな風に見えるんだろ…。

 首がないとかよくテレビで見る

 ああいうのだったらやだなぁ…)」


 「…おい、 聞いてたか?」


 「え? あ、 は、 はぁい!!」


 「はぁ。 とりあえずここにいるとすぐに見つかるから

 【ラピュラリス】まで急ぐぞ」


 「は、 はぁいー!!」



ビルから2人を降ろすとジェラスは

アタッシュケースを手にまた歩き出した。

2人はその後ろをついて行く。









2012.9.28

am2:15



銀色の長髪をなびかせながらどこかへと誘うジェラス。

綵は彼の事が知りたくてたまらなかった。

後ろ姿をじっと眺めていた彼女は

思わずこんな質問を切り出した。



 「あのぅ…ジェラスさぁん?」


 「…………なんだ」


 「ジェラスさんって何才なんですかぁ?」


 「………大体でいいなら言うが…?」


 「だ、 大体……いくつなんですかぁ?」


 「……8サイクルと5兆6千億……」


 「……あ、 え、 えと、 ああの…」


 「すまん…大体しかわからん…」


 「あ、 い、 いえぇ!! ぜーんぜん!

 あは…あははははっ……」


 「ジェラスさん…そのサイクルってなんなんですか?」


 「………1サイクルと言うのは

 星が誕生して滅ぶまでの期間だ」


 「へ?」


 「と、 と言うことは…」


 「少なくとも8回再生と消滅を繰り返してる」


 「す、 凄すぎてわかんなくなってきた…」


 「ね……」


 「地球のあらゆる文明はある一定以上で

 成長が止まる様に決まってるんだ」


 「何で決まってるんですか?」


 「創造神がそう決めたんだ。

 エターナルサーガを使ってな…」


 「は、 はぁ…」


 「(ねね美紅っち、 エターなんとかって? なに?)」


 「(あたしが知る訳ないじゃん!!)」


 「ちなみに、 この宇宙の歴史は約400サイクル。

 地球は次で17サイクル目に入るらしい。

 あと3年程で人間の文明が終わりを迎え…

 1万年もすればまた人間が誕生し、 文明を築くだろうな」


 「じゃあ人間の歴史ってずっと

 繰り返されてるって事なんですね…」


 「そうだな…」


 「(な〜にぃ、 美紅…あんた理解できたの…?)」


 「(まぁなんとなく…)」








2012.9.28

am4:31



かなりの距離を歩いて来た3人。

気づけばもうすぐ夜明けであった。

へとへとで途中で休憩したいと

2人はジェラスに提案するものの

死ぬか生きるかの2択を突き付けられては

言葉を返す事はできなかった。

そんなこんなでやっとの事到着したのだが

特に周りには何もなかった。



 「ここですか?」


 「……正確に言えばこの場所じゃない。

 ここから先はセパレーションしてしか進めん」


 「セパ…レーション……」


 「肉体を捨てるんだ。 やり方は教える」


 「えぇ〜幽霊なっちゃうのあたし…」


 「いいから…もう時間がない」


 「綵、 とりあえず頑張ろ? ね?」


 「う、 うん」


 「これを見ろ」



ジェラスは円いわっかを2人に見せた。



 「この円の内側に入るイメージをするんだ」


 「(イメージ……)」



暫くすると美紅の頭からもう一人の

美紅がまるでヘドロの様に少しずつ出て来た。

青白い光を放つ美紅の光体は肉体が

自分に吸収されると光が落ち着いて来る。



 「流石だな。 そう、 それがセパレーションだ」


 「み、 美紅〜あたし無理〜できないよ〜」


 「綵、 諦めないでよ! ほらもいっかいやって!」



しかし何度試しても綵にはできなかった。



 「駄目だ。 もう時間がない」


 「ち、 ちょっと!!

 まさか綵を置いて行くきじゃないよね!?」


 「わかっている…早く肩に触れろ」


 「……こう……?」



するとジェラスと綵は同時にセパレーションし光体へとなった。

すぐにジェラスは両手に力を込める。

彼の身体から水色のもやが見え出した。

そしてそのもやが掌へ収束していき目の前に

広げると光の渦に変わった。



 「早く入れ」



美紅と綵はお互いの手を絡ませ目を粒りながら飛び込む。

ジェラスが最後に入ると光の渦は縮小していき

やがて消えていった…。





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