ルシアの衆 ~第6話 卒業式の後~
「やべぇぇぇ、寝坊したぁぁぁぁ!」
今日は騒がしく朝がスタートした。僕は寝坊したのである。明日の事が楽しみすぎて珍しく目覚まし時計をかけるのを忘れていた。今日は卒業式である。準備を5分で済ませ階段を駆け下りる。
「今日は朝飯いらない!行ってきまーす!」
「入らないの?ったくー、作っちゃったじゃない。」
「ごめんなさーーーい…」
ーーーーーガチャッーーーーー
謝りながら僕は既に家を出ていた。現在時刻7時50分。集合時間8時10分。いつもなら歩いて30分以上かかる道だが走れば間に合わなくはない。僕は全力ダッシュで学校へ駆け出した。
……キーンコーンカーンコーン……
学校のチャイムが鳴る。先生が教卓の前に立っている。僕は自分の席に座っている。息切れが止まらない。
「じゃあ最後の出欠をとるぞ。みんな元気に返事をするように。」
担任が言う。
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卒業式の曲が流れる。
…めんどくさっ…
そう思いながら僕は適当にこの〝儀式〝をこなす。どちらにせよこの学校の卒業生が行く高校は決まっている。メンバーも変わらない。だから泣く奴もそうそういない。
卒業式の次の日から高校生活は始まる。明日にはもう高校の入学式なのだ。
お母さんとお父さんが保護者席で座ってこちらを見ているのが分かる。
「シーラ、明日からまた高校生としてよろしくね!」
卒業式が終わり教室に戻るとラファが声をかけてきた。
「あぁ、よろしくな!」
先生が教卓で目をうるわせながら生徒1人1人を見つめている。
卒業式は生徒が卒業する式典というか先生と生徒が別れるお別れ会なのだ。
「さようなら!」
日直の号令で全員が挨拶をする。これでこの学校、先生とはお別れだ。
帰り道、僕は謎の行き先に心を躍らせていた。ルシアの会の話をして連れてってくれるところだからルシアの会の本部とかかなぁとか考えながら歩いている。
「ただいまぁー!早く行こー!」
家の扉を開け元気よく話しかける。
「そうだな、お母さんいくぞ、」
お父さんの声がする。
はずだった…