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8話帰還

お久しぶりです

いつも見てくださり有難うございます

6/27兎族の村を鼠族の村と書いてあったのを直しました。

「ただいまー」

「あ、ボスだ」

「無事でよかったです」

「全員揃ってるよね」

「「はーい」」


全員揃ってるのは、いいんだけどね…ねずみちゃんは怖がってるし、あのドワーフのえーっと…あ、ランディは目が死んでるし、どしよ。


「えー、これから兎族の村に行きます。1人ずつ走竜たちに乗ってください。ドワーフちゃんは私が持って行きます」

「「へ?」」

「ん?」


間抜けな声が小鼠たちから聞こえた。


「帰れるの?食べられないの?」

「うん、そうだよ。ソウシ乗っける7人連れて来て、残ったのは一番後ろと脇固めね、よろしく」

「わかりました」


そう言って仲間に指示を出し、あっという間に小鼠たちを乗っけて準備を整えた。

有能なリーダーってすごいなー。人間に生まれてたら、絶対委員長とかやってそう。


「じゃあ出発するね。ほい、ちゃんと起きてー食べたりしないから。落っこちないようにね」

「うわっ」


ランディは持ち上げられて驚いたのか声を上げたが、諦めたように抵抗をしない。


「みんな付いて来てねー。小鼠ちゃんたちはちゃんと捕まっててー」

「「はーい」」


下から返事が聞こえたので早速出発した。

それにしてもランディ元気ないな。やっぱりまだ食べられるって思ってるのかな。ここは自己紹介してお話ししよ。でも名前知ってるのはおかしいよね。


「ねぇ、私フェルテっていうの名前は?」

「えぁ、え?」

「食べたりしないよ、お名前は?」

「ランディ…」

「ランディね。改めて食べたりしないから怯えなくていいよ」

「はぃ」


まだ怯えてるなー。まあ時間たてば大丈夫になるか。まずはお話&質問で話を続けよ。


「ところで、ランディはドワーフなんだよね」

「え、なんで知ってるの⁉︎」

「あー、さっき人間がドワーフのあいつどこだーとか行ってたから」


あぶね、いい具合にごまかせてよかった。ステータスとか見れるのは隠しといたほうがいいもんね。


「あの、あの人たちは?」

「えっとー…」

「もういないの?」

「いないよ」

「死んだってこと⁉︎やったー。自由だー」

「死んでよかったの?なかまとかじゃなかったの?」

「僕はさらわれて奴隷として売られて逃げられなかったんだ」

「奴隷制度ってある世界なのか」

「ん、なにかいった?」

「いや、なんでもないよ。さらわれちゃってここまで連れてこられちゃったんだね」

「さらわれたっていうより多分父親に売られたんだろうけどね」

「え…」


地雷踏んでもうたー。どーしよー、やっと打ち解けてきたかと思ったのに…

次何言おうか悩んでいるとランディから衝撃的なことを言われた。


「自由だーっていったけど、母は死んだし父に捨てられたし、もう頼れるものなかったんだ…。だから僕を食べてくれない?」

「え…」

「だってもう帰る場所がないんだよ。それに助けられたとしても多分また奴隷として働かされる。だったらこのままここで死んだほうがいいかなって」


地雷を踏んでからの急展開にやっと頭がついてきた私は落ち着いた声で聞いた。


「本当に食べられたい?」

「うん…」


この子相当追い詰められてたんだろうなー。今だって泣きそうな顔してるし、本当は生きたいけど今の自分だけだったら生きられないって悟ってるんだろうな。ここは演技して死ぬ気をなくしてもらお。それからうちの家に来てもらおう、家事できそうな人探してたし。


「本当にいいんだね。その死んだお母さんにもらった命を粗末にして、捨てた父に話もせず死ぬんだね」

「う…」

「それにさっきの君を連れてた奴らかじられた時痛そうだったなー」

「……」


これで少しは死にたくないって思ったかな?ここは大声で一気に畳み掛けるか。


「本当は生きたいんじゃないの?食べられたくないんじゃないの?死にたくないんじゃないの?」

「うぅ…ひっぅ」

「どうなの、泣いてるってことは死にたくないんじゃないの?できることなら生きたいんじゃないの?」

「いぎたいでうっ」

「よし、じゃあ生きよう」

「でぇも、いきるばしょがぁなぃ…」

「なら私の家に来なよ」

「ぇ、いいのぅ?」

「タダでとはいってないよ。ちゃんと仕事あるから、安心して」

「ゔん、いく」


泣きじゃくりながら私の家に来ることが決定した。

よかったー、かなりうまくいったのではと自分褒めとこ。仕事あったほうがいることへの罪悪感が軽減されそうだしいいよね。


「ゔぅ…ズー」



私の腕の中ではまだ泣きじゃくっているランディは兎族の村に着く頃には疲れて眠っていた。


「ソウシー、もうそろそろだからもうちょっと頑張って。子鼠ちゃんたちもあともうちょっとだからー」


少し高度を下げてランディが起きない程度にみんなに伝えた。


「俺らはこのぐらいへっちゃらですよ」

「そうですよー」

「でも小鼠ちゃんたちがおとされないか少し心配です」

「僕たち全然平気だよ」

「私こんなに早く走ったことないから楽しい」

「みんな気を使ってくれて優しい」


みんなさっきまでの重い空気がなくなり、打ち解けていた。

下は下でうまく打ち解けててくれてよかった。小鼠ちゃんたちの受け入れの良さとソウシたちの積極性とかがよかったのかな?


「みんな打ち解けててくれてよかった」


そしてまた私は元の高度に戻って兎族の村を目指した。

もちろんランディはぐっすり寝たままだった。


説明、説得がリアルでも苦手です。

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