4話腹が減っては戦はできぬ
まあまあ時間が空く時「*」を使うことにしました。
「いゃ〜、暗視あってよかった。夜に出かけるとかなかったし、少し怖いけど、夜行性のモンスターとか見れたらいいな。今度から週一回か二回夜探索してみよ。ん?あっちの方が騒がしいから行ってみるか」
向かった先では、黒と黄色が逆転した大き目の虎が走竜の群れを襲っていた。
なにあの虎、『鑑定』『探索』
【サンダータイガー】
レベル31
わたしよりもちょっとつよいぐらいか。それにしても走竜かなりおされてるな、すでに瀕死っぽいのが2匹いるし。あ、いいこと思いついた。あの虎倒して夕飯にして、それでうまくいけば走竜に恩を売って配下にすれば、小鼠ちゃん達を一気に運べる。まだ虎は、こっちに気づいてないみたいだしいつもみたいに上から奇襲かけるか。
そして、上から急降下する勢いで虎の腹を引っ掻いた。
「 グォォォォォ」
そのまま、地面に着地した。すると急にここにいてはいけないという危機感がしたので、横に避けるように飛ぶと、
ドン
一瞬光、さっきまで私がいたところが、黒く焦げていた。
なんで?天使さんわかる?
〈サンダータイガーの放電による攻撃です〉
えぇぇ…そんなやばい攻撃持ってたの⁈気をつけなきゃ。一応走竜は両方警戒してるってところかな、襲ってこないし。あ、またやばそう。
横に飛んだら、またさっきまで私がいたところがまた黒く焦げていた。
気をそらしてもらわないと、『土魔法』。
虎の足元が一気にボコッとて、虎が少し怯んだ。
今だ。
私は、一気に距離をつめて、虎の首に噛みつきながらブレスを放った。
「グォォォォォォォォ」
まだ、私を振り払おうとするので、必死に虎に尻尾まで絡めてつかまった。引っかかれるが、耐えながらもう一度噛み付いた。するともう限界だったのか、力がなくなったように倒れた。
〈レベルが10に上がりました。レベルが最大に達したので進化できます〉
ふぅ、やっと倒せた。尻尾痛かったけど、もう治ったみたいだね。さすが光速回復。レベルまた最大になっちゃったみたいだね。天使さん後で進化先教えてください。さて次は走竜は…逃げないみたいだね。試すだけ試してみるか。
早速私は、ほぼ虫の息の走竜に近づいた。
「グギャャー」
仲間に私が近づいたせいか、戦闘態勢に入っている。
「直すだけだから心配しないで」
結構ヤバそうな傷だけどなおってくれー。『治療魔法』
すると、血が止まり、傷口が塞がり、立てるまで回復した。
「グギャ⁈」
「グギャー」
治った走竜は、仲間のところに走っていった。仲間は驚いて、その走竜と私を交互に見るばかりである。
もう一匹も治す頃には、戦闘態勢も解けていた。
「えーっと、怪我をもししたら今みたいに治すし、もしものことがあれば守るようにするから、私の配下になりませんか」
こんな感じでいいかな?があがあ鳴いてるけど相談でもしてるのかな。ん、一匹リーダーらしき奴出てきてじっと見られてるんですけど。これはいいってこと?テイムしてみればわかるか。『テイム』
〈目の前にいる11匹の走竜のテイムに成功しました〉
お、いっぺんにできたみたい。
「これからよろしくね。この群れのリーダーは、君だよね」
「グギャ」
リーダーであってたのね。ひとまずみんな話せるようにしなきゃ。
「頭ちょっと失礼」
そしていつも通り念じて魔力を流す。
「え、なに?」
「あ、ちゃんと話せるようになってるね」
「ん、通じてるのですか⁈俺の言っていることがわかるのですか?」
「わかるよ」
「おーい、みんなボスと話せるようになったぞー」
「グギャ⁈」
「グギギ?」
「なんか頭触ってもらったら、はなせるようになった」
なんか盛り上がってる。そしてキラキラかギラギラかわからないような目で寄ってこられると少し怖いな。アハハ…
「みんないっぺんにはできないから。一列に並んで」
「「グギャャ」」
日本人もびっくり、めっちゃ綺麗に並んでくれた。集団行動得意そうだな。
そんなことを考えながら、ちゃっちゃと残りの10匹を話せるようにした。
「「これからよろしくお願いいたします。助けてもらった恩を忘れず頑張ります」」
「こちらこそよろしくね。さっき戦っててお腹空いてるだろうかなこれどうぞ。私の食べる分があるから今は脚で我慢してね」
「くれるんですか?」
「どうぞ」
「ありがとうございます」
そしてさっき倒したサンダータイガーの脚を爪で頑張って切って、4本走竜達にあげて残りを食べた。
「ごちそうさまでした」
「ごちそーさまでしたってなんですか?食べる前にも似たことを言っていましたが…」
「食べる前にいただきますって言って、食べ終わった後はごちそうさまでしたって言ったんだよ。なんていうんだろ、私は癖になってそこまで深く考えないんだけど、意味的には命いただいてることへの感謝だった気がする」
「そんなんですか。ボスがやるなら俺たちもやります。ごちそーさまでした」
「「ごちそーさまでした」」
なんか学校の給食風景思い出す。リーダーが給食委員に見えてきた。名前は、小鼠ちゃん達をた助けてからでいいか。
「早速なんだけど手伝ってもらうね」
「はい。俺らは、なにをすればいいんですか?」
「私は、これから鼠族の村に行って、小鼠ちゃん達を人間達から助けるんだけど、その助けた後その小鼠ちゃん達を運んで欲しいんだ。全員で7人いるから、1人ずつ乗っけて近くの兎族のむらにむかってもらう。誰も乗っけてない人は何かあった時戦えるように、率先して群れの外側を走ってもらいたいんだけどいいかな。人間を倒すのは私がするから」
「運ぶだけですか。お安い御用ですよ」
「一応注意だけど、兎族や鼠族は襲っちゃダメだからね。人間が出てきたら逆に倒して」
「わかりました」
「じゃあ私についてきて」
「「はい」」
先ほどよりスピードは落ちたものの、配下が増えて小鼠ちゃん達の移動手段が確保できたので満足だった。
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「ここから少し真っ直ぐ行くと鼠族の村だから、ここに待機してて。さっき言い忘れてたんだけど、4人こっそりついてきて人間が逃げ用としたら追いかけて倒してくれる?食べちゃってもいいから」
「了解しました。後3人か、おーい足速い奴3人こい」
簡単に了承してくれてありがたい。なんで足速い奴なんだろ?
「人間を逃さないためにも、群れで足が速い順で考えた時、上位3人と俺でいいでしょうか」
なるほど、人間を逃さないということを考えて選んだから、足が速い奴を選んだということか。こいつちゃんと考えててリーダーの素質があるな。だからリーダーだったんだろうけどね。
〈知性がレベル4になりました〉
お、今色々考えてるからかな。ラッキー。
「待ってる組の人たちは終わったら呼ぶから来てね」
「わかりました」
「それじゃあ行きますか」




