3話自分はドラゴン
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「着いたけど、どうしようっかな〜」
私の下の鼠の村では、捕まってしまった子鼠たちが縛られて集められていた。また、村の周りまで見てわまわった。
「1、2、3…全部で7匹。それに見張りの人間が2人に、村を捜索してるのが5人。今んところ気づいてないし散らばってる五人から片付けるか。はぁー、私は人間じゃなくてドラゴン。ドラゴンが人を襲うのは当たり前」
自分に言い聞かせるように1人目のところへ行った。
『鑑定』
【人間】ベラー
レベル15
よし、さっき見た1人でいて、一番弱いやつであってる。気づかれてないし上から一気にドンでいいかな、一応闇魔法で姿が消えるようにしてっと。
私は意を決して、そ〜っと人間の背後に降りてゆき思いっきり引っ掻いた。
グシャ
人間はあっけなく死んだ。私が引っ掻いたところは骨まで切れ中身があらわになっている。
あ、やっぱり私もう人間じゃないんだな。
こんな状態の人間を見ても動じない私はドラゴンになったことをあらためて感じた。
その後も順調に2人、3人と倒した。しかし次が問題だった。
「2人の場合どうしよう。1人倒しても片方が気づくし、いっそ2人同時に燃やしちゃえばって思っても村が火事になるし、どしよっかな。う〜ん…姿消してるとはいえ急に一緒にいた奴が隣で死んでたら叫びそうだし。叫ばれてもいいんだけどさ、仲間とか呼ばれたら厄介だからなー。もういいや1人やったら、たて続けにもう1人倒しちゃおう」
ずっと闇魔法かけてるし大丈夫だよね。
考え甘かったわ。どしよ見えてるよ私。1人倒した時点で片方に気づかれて剣構えられてるんだけど…まだ叫ばれてないだけいいか。
「うぉぉぉぉぉ」
叫びながら突っ込んでくんだけど。どうしよ…も、もうどうにでもなれ。えぃ!
ボギボギ ドサ
目をつぶって手を振ったら腕に当たったらしく、骨が折れる音とともに3mほど先の地面まで飛んでいた。
「止めささなくちゃ」
もう5人目だからか、さっきまで慌ててたのに急に冷静になって止めを刺した。
「あとは小鼠ちゃんたち」
どう助けようかと考えながら小鼠ちゃんたちのところへ飛んで行った。
「なんか増えてるんですけど」
さっきまで2人だったのに6人に増えてるとかないわ。どっから湧いてきたんだよ。見た時、本当びっくりして高く飛びすぎちゃって声聞こえないしどしよ。一応『鑑定』
〈距離が離れすぎていて失敗しまた〉
さすがに遠いか…ってまた3人も増えた。なんかあのおっさんガタイいいな。ん、子供?自分よりも大きい荷物持たされて大変そう。偉そうにガタイがいいおっさんが喋ってるからこの襲った奴らのリーダーかな?少しでもばらけてくれないかな?
待ったが、火を起こし始めた。
もうばらけなさそうだし、ひとまず兎の村に帰るか。
「あ、帰ってきた」
「ただいま」
兎族の村の広場に降りた私の前に、兎の村長とネズミがやってきた。
「君が娘を助けてくれたドラゴン様ですね。背中にも乗せていただいたそうで、ありがとうございました。私はあの襲われた村の村長です」
ペコッと頭を下げた。
「で、村の様子はどうだったかい?」
急かすように兎の村長が言った。
「ここみたいな広場に小鼠が集められていて、7匹いました。大人の鼠はいなかったです。そこで小鼠たちを助けようと思ったんですが、襲ってきた盗賊風の人間が9人いて、広場で火をたいて今日は居座る様子だったので帰ってきました」
「ありがとう、教えてくれて。でもその子達を助けることはおそらくできない」
「なぜ?」
「まだ人間が5人なら死傷者を出してやっと助けられるけど、9人ともなると、逆に皆殺しにされて毛皮になっちまう」
確かに助けられたら助けてるか。だけどこのまま小鼠たちもほっとけない。このまま見殺しにしたらあとになって後悔しそうだし。
「私が助けます。今日の夜油断したところを襲います」
「本当ですか!ありがとうございます」
すでに鼠の村長が涙目になっている。
まだ助けてないし、もしダメだったらどうしよう…急に自信なくなってきた。
「私からもよろしく頼む。たとえダメだったとしても、誰も責めないは思う」
少し頼りなくなってしまった私に気付いたのか、兎の村長から気づかった言葉がかけられた。
「ひとまず家に帰ります」
「ちょっと待て、あのお前が持ってきたサンモンキーどうする?」
「あ、あれって食べれますか」
「うちらも鼠も雑食だから食べれるよ」
「じゃああげます。みんなで分けて食べてください」
「本当か!ありがたい避難してきた鼠の分がまだ足りてなかったから、とても助かる」
「それは良かったです。それではまた」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
2人に見送られながら、家路を急いだ。しっかり夕飯の緑牛もとって。
「ただいま、さっそくだけど夜どうしても行かなきゃいけないところがあるから、留守番頼むね。あと、今日帰ってこれないかもしれないから帰ってこなくても心配しないでね」
「どうしたのフェルテ?」
心配そうにコルク君が聞いてきた。他のみんなも、心配そうにこちらを見てくる。
「心配してくれてありがとう。獣人の鼠族の子供達を人間たちから助けるだけだから」
「でも…」
「大丈夫だよ。暗くたって私見えるし、ブレスだってはける」
「わかった。気をつけてね」
「みんな、この肉食べてもお腹空くようだったら自分で取ってきてね、ちゃんと交代で。じゃあ行ってくるね」
「フェルテ、フェルテの夕食は?」
「向かいながら取って食べるから大丈夫だよ」
そう言って私は、また鼠族の村へ急いだ。すでに日は、地平線に沈みかけていた。




