これから賑やかになりそうで
「ふぁ〜、ん?」
なんかもふもふして気持ちいもに、当たってるんだけど。しっぽ?
「主よ起きたか?」
「え?」
目の前には黒紫の狼がいた。
「起きたようだな」
「キバシリ、進化できたの?なんかデカくない?」
「主のおかげで進化できた。若返ったように体が軽い。だが、こんなに大きく、紫がかった色に進化したやつは見たことがない。わしは、新種のモンスターになってしまったかもしれないから鑑定してみてくれんか?」
「そうなの⁈急いで鑑定してみるね。『鑑定』」
【狼王】
レベル1
「なんか、狼王って言うモンスターになってるよ。レベルも1に戻ってるしどうしてだろ?」
〈それは、キバシリが新しい種類になり、前のシルバーウルフとほぼ違うものに生まれ変わったからだと思われます。新種なため、このモンスターに関しては説明できません。〉
「やはり新種のようだな。シルバーウルフは普通進化したら、ブラックウルフになるはずだ」
「あと、新しいモンスターに生まれ変わったからレベル1みたい」
「なるほどそういうことか、ん?やっと起きたか」
「ん?おじいちゃん?」
「おじいちゃんだよ。進化して見た目な変わったがな」
「おじいちゃん、かっこいい」
「ありがとう」
なんだろこのほんわかした空気。見てて口が緩みそうになったわ。それよりも、どうやって帰るかが問題だな。私は少し身長伸びたからって2mいくかいかないか、対して進化したキバシリは5mぐらい…どうやっても持ち上げて足るとか無理っしょ。
「この子も起きたから朝食でもするか、だがわしはこの子を守らなければならない。取ってきてはもらえないだろうか?」
「全然いいよ。昨日クルミ拾ったところも覚えてるし。じゃあ、行ってくるね」
「よろしく頼む」
「ただいま。はいこれ、どうぞ」
仲良くなる第一歩に、手渡しから。
「ほらありがとうは?」
「ありがとぅ…」
「どういたしまして」
おっしゃ。やっと話せた。
内心ガッツポーズしながら、キバシリにもビッグラットを渡した。
「ありがとう」
「いえいえ〜。じゃあいただきます」
バグバク
「ごちそうさまでした。で、どうやって帰ろうか。私はキバシリを持ち上げてかえることはできないだろうし」
「わしは走っていこう。お主は、先に飛んでくれれば匂いで追いかける。ただ、こやつを乗っけてってくれ。ジャンプとか、走った時に落としたらいけないからな」
「わかった。だけど走ってついてこれる?」
「試してみないとわからんだろ」
「じゃあ試してみるか、ねえねえ背中乗ってくれる?」
「うん」
「よし、じゃあ先に飛んでるね」
「うわ〜、すごい」
おー喜んでくれたかな、それでキバシリはついてこれてるかな。
後ろを見たがキバシリは、いなかった。
「下だ。ちゃんとついてこれてるぞ」
「もう少しスピード上げて大丈夫?」
「全然大丈夫そうだ」
私はそれを聞き、少し速く飛んだ。そのおかげか、日が昇りきる前に帰ることができた
「おかえりなさい、フェルテ様」
「あ、おかえりフェルテ。その狼は?」
「新しくここに住むことになったキバシリだよ。あと背中のこの子も一緒に暮らすからよろしくね」
「キバシリだ。今日からこの子と一緒にお世話になる」
「よろしくお願いします。私はモルといいます。岩ねずみです」
「同じくムサです」
「ミーアです」
「キバシリさんよろしくね。僕はコルクって言います」
すると頭に、?マークがつきそうな顔でキバシリはコルクを見た。
「こやつはなんと言っているんだ?ガウガウドラゴンがうなつてるようにしかきこえないんだが」
「え、じゃあコルクはキバシリがさっき話した時なんて言ってたかわかる?」
「なんかゴニョゴニョ話してる風っていうのはわかったけど、理解はできなかった。だけどなんとなく、自己紹介してるのかなーって」
あーなるほど、二人ともお互い言語理解持ってないからか。おじいちゃんからあの能力もらっててよかった。早速試してみるか。まずはコルクから。
「ちょっと試したいことあるから耳触っていい?」
「うんいいよー」
私は、聞こえるようになれーとか話せるようになれーとか念じながら魔力をコルクに流した。
「どう、コルク?喋ってみて」
「あーあー、キバシリさんどう聞こえてますかー」
「ちゃんと私にもわかるように、聞こえてるぞ」
「フェルテ、僕にもキバシリさんが何言ったかわかったよ」
「よかった、成功したみたい。一応キバシリと獣人ちゃんにもかけとくね」
私はキバシリと獣人ちゃんにも、コルクと同じことをした。
「よしこれで完了。改めて自己紹介もう一回やってもらっていいかな?」
「全然大丈夫だ。キバシリだ。狼王という新種のモンスターだ。これからよろしくお願いしくたのむ」
「こちらこそ、リトルドラゴンのコルクです。これからよろしくお願いします」
やっと自己紹介が終わったわー。ん?キバシリ何でそんなに、頭にハテナマークが浮かびそうな顔してるの?
「コルクよ、気になったこと言っていいか?」
「なんですか?」
「なぜそんなにも簡単に異種族が、しかも赤の他人が入ってきたというのに受け入れられるのだ?」
「何でってフェルテが連れてきたからかな」
「そんなんで受け入れられるのか⁈」
「だってフェルテが変なやつつれてくるとは思わないもん」
そんなに私、コルクに信用されてたんだ。
「それに、モルたちは僕をすんなり受け入れてくれたよ」
「私たちもフェルテ様が連れてきたから、変なモンスターではないと思ってましたし」
「なるほどな、それ程主は信頼されてるわけか。これで決まったわい。フェルテよ、わしは主に傷を治してもらい、寿命も伸ばしてもらうことで二度救われた。それに、信頼を他のものからこれ程無条件に得られる者は、そういない。だからわしは、この助けてもらった命を尽くして主に使える。今から主はわしの主人だ」
「え、どしたの急に?私を主人にする?そんな、人生渡さないで、自由にここを住処として生きていいんだよ。それに、私なんかにつかえていいの?」
「わしが主を主人にしたいんだ、仕えたいと思ったから問題ない」
「そこまで言うなら、それでいいかな一応テイムされとく?」
「テイムってなんだ?」
「私のですよーみたいな印で、テイムしてる人を鑑定すると普通より見えるっていうスキルかな」
「それを頼む、これから主人の牙として使えるのだ。印ぐらいなくてはな。ただこの子は大人になるまで世話させてくれ」
「その子、大人になってからもここにいたいって言うなら全然いてもいいよ。それにその子は、みんなで協力して育てたほうが、キバシリへの負担が減るし、何かあった時対応しやすいからね」
「本当に主人は他の者に優しいのだな」
そこまで自分が優しいとは思わないな。元々日本人だからかな、まあいいや。
「じゃあテイムするね」
「あぁ、頼む」
「テイム」
〈狼王のテイムに成功しました〉
「成功したって」
「主人、これからよろしく頼む。話し方は癖でこのままだろうが、ちゃんと忠誠忠義、この身が滅びるまで仕えよう」
〈キバシリが眷属になりました〉
なんか、キバシリが眷属ってのになったっぽいけど、眷属って何?
〈テイムしたモンスターが主人に、忠誠を誓うと眷属になる。眷属になると離れていても居場所がわかる。離れすぎてもどちらの方向にいるかわかる〉
へー、専用探知みたいな感じか。
「改めてこちらこそ、よろしくね。もう疲れたし、獲物撮ってきて、たべて私は寝るね。待たせちゃったし、モルたちにも取ってくるよ。キバシリ、自分の分だけでも取ってきてくれる?代わりに木の実も取ってくるから」
「わかった、主人よ」
そう言って私は狩りに行った。
「ただいま、今日は大量だよー。キバシリ帰ってたんだ、お疲れ」
「主人こそお疲れさま」
「主人言いにくかったら、主でもいいよ」
「そうさせてもらう」
「じゃあ、ほい。コルク君はまだ息のあるビッグラットね」
「フェルテありがとう」
「で、モルたちはこの牛ね」
例の緑牛である。
「フェルテ様、ありがとうございます」
本当、3人とも声ぴったりだな〜。さいごは、
「はい、木の実だよ。どうぞ」
「うわ〜、たくさんある。ありがとう!」
笑顔が眩しいってこのことを言うのだろう。さて私も食べるか。
「いただきます」
ガブガブガブガブ
「ごちそーさまでした」
「ごちそうさまでした」
「ぬしよ、その言葉はなんだ?」
「食べた後に言う言葉だよ、食べ物に感謝するために」
そうだよね。そんな習慣ないよね。
「ごちそうさまでした。今度からは、初めのも言うことにする」
「強制は、しないからね。じゃあ私は、疲れたから寝るね。おやすみ」
「「おやすみなさい」」
私はみんなからおやすみと言われ、その声の多さに人数増えたなと思いながら寝た。
これから、少しのんびりした日常や、たまに違うキャラ視点の話を書こうかなーと思っています。少ししたらまた話しを進めます。




