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05-16 交流会は波瀾万丈④

・サバゲー回は次で最後となる予定です。

・青チームと赤チーム、そして忠勝と信勝がごちゃ混ぜになっていました。失礼しました。

・小山の大きさを具体的にしました。

 人数不足であわや試合が出来ない状況になりかけながらも、シャルロッテのスタッフを巻き込んで試合をすると言う提案により何とか人数をかき集め、サバゲーに講じる事となった忠勝達はそれぞれのチーム分けの結果。


 松平家のメンバーである忠勝と康政に加えてシャルロッテと、影でスタッフとして参加していたルルに加えて、指導員として働いていたスタッフ達六人からなる赤チームを結成。


 そしてその相手となるチームとして、織田家の織田信勝と柴田勝家。そして案内役としての働きが勝家に気に入られたラムセス、忠勝達と同じ様に次の試合を待っていた防具を身に纏っていて顔が分からない謎の二人組、そしてスタッフ五人からなる青チームが結成する事となった。


「ワシに勝てる可能性は月と太陽が同時に顔を出すほどに無いことだとは思うが、せいぜい楽しもうではないか忠勝よ!!」


「へっ、そんな軽口が言えない程にアッと驚かせてやるから覚悟しておけよ信勝様!!」


 そう言って互いに火花を散らせる二人の姿を周囲の者達は暖かく見守っていたり、年齢差を感じさせない13歳と23歳のやり取りを聴いて頭を抱えている者も居るなかで。

 それぞれの陣地に向かう為に忠勝達赤チームは左側の方へ、信勝達青チームの面々はそのまま正面に有る城門に似せた扉を潜って石垣を入れても三階建て程の大きさしかない小城の中へと入っていくのであった。


 ミニ城門から中に入るとそこにはフローリングが敷かれた20m程の廊下が続いており、途中左側に男子トイレが、少し離れた所にも女性用のトイレが右側に設置されていて。中には会わせて10箇所の個室洋式トイレが置かれている。


 そして信勝達の目を嫌でも引いているのは、廊下の先に見える大人が横に五人程並んでも登れる様になっていて、両端に手摺がある木製の階段であった。


「ふむ……至って普通の小城であるが。わざわざこの小城にワシ等が入る意味は有るのかラムセスよ?」


「はっ。このまま階段を登って頂ければ御理解頂けるかと」


「是非もなしか。よかろう!! 貴様の言う通り黙って登るとしよう!!」


 威勢の良い声を出しながら先頭を歩く信勝と共に一階分の階段を登り終えた彼等を待っていたのは、射撃場や売店で扱われているよりも充実した貸し出し様の様々な装備や、非殺傷武器が陳列されている、さながら武器庫の様な部屋であった。


「ぬわっ?!! なんなんのじゃこの部屋は!? 選り取り緑ではないか!!」


 信勝の目を輝かせ興奮させたその理由は部屋の両端にある、ゴルフクラブの様に木製の台座に立て掛けられているモデルガンがあったり。他にも迫撃砲や、スコップ、そして機動隊が用いる透明のライオットシールドの様な様々な装備が置かれている武器庫であった。


「……これ等の装備はどれを使っても良いのかラムセス殿?」


 そう言いつつ傘置き場の様な箱に突き刺されていて、鞘に納められている一メートル以上の長さを持つ太刀を抜きながら柴田勝家はラムセスに尋ねる。


「はい。此処に置かれている武器はどれもサバイバルゲームで用いる事が出来る様、非殺傷武器として改良を加えられている武器ですので、そのまま御使いになって頂いて構いません」


「ふむ……それは良いことを聞けたな……」


 そう言って鞘から抜き放たれ綺麗に輝く太刀の刀身を見つめながら、何処かホッとした様な表情をしている勝家に少し呆れた様な顔をした信勝がちゃちゃを入れる。


「はー……なんじゃなんじゃ勝家。わざわざ世界でも最新の武器を扱える機会だと言うのに、何時もの様に刀を振り回していても仕方無いじゃろうが……」


 その言葉を聞き入れる前に勝家は馴れた手つきと動きで太刀を鞘に納めて見せ、その芸術の様な美しさに思わずラムセスが目を見張る中で、勝家は瞳を閉じたまま信勝に答える。


「信勝様……。私は銃を扱う南蛮人では無く、あくまで日ノ本の一侍です……。時代遅れと言われようが、私は“相手を殺す事だけを存在価値としている銃よりも、侍の在り方を教えてくれる刀を手に取りたい”……。その想いは信勝様も解って頂ける筈です」


 正しく侍の生き方を代弁した勝家の言葉を真剣な表情で聴いていた信勝は、力強い目で勝家を見つめながら嬉しそうに微笑んだ。


「ああ、勿論じゃ勝家。刀はワシら侍にとって只の武器ではなく、ワシらが侍である事を表す魂じゃ!! だから刀を棄てよとは言っておらん、ワシは世界に目を向けよと説いておるのじゃ勝家!!」


「世界か……。ふっ、相変わらず信勝様は若き日の親方様の様な事を言いなさる」


 そう言う勝家の顔は決してうんざりとした様な表情では無く、誰も考えもしなかった道を行く兄の後ろ姿に純粋に憧れて付いていく弟そのものである信勝に対する穏やかで、好意的な表情であり。


 それを見た信勝は勝家の前に近付きながらこう言うのだった。


「勝家。ワシはどうしても兄上が見たいと願っている世界を実現させたい。その為には勝家の力が絶対に必要なのじゃ!! だから、ワシと共に織田家の……いや、日ノ本の未来を切り開く力を貸してくれ!!」


 その言葉を聴いた勝家は真剣な表情で、腰に刺している鞘に納められている自分の刀を前に差し出し、啖呵を切る。


「ではこの刀は織田家だけでなく、今この時より日ノ本の未来を切り開く一太刀とす!!」


 その言葉を受けた信勝も、前に差し出された鞘に入れられた刀の上に腕の防具を外してから手を置いて応える。


「あい、確かにこの刀!! この織田信勝が預かった!! これからは今まで以上に精進しようではないか勝家!!」


「ハッ!! この勝家、全身全霊をかけてお付き合いさせて頂きます!!」


 そのやり取りを全身を防具に包み、光の反射で顔が見えない後ろで腕組をしながら見ていた男は小さく呟く。


「……ふっ、相変わらず変わらぬうつけ者よな」


「それは……信勝様がですか……?」


 その呟きを隣で聴いていた背の低い男が相槌を打ち、それに対して男は何処か嬉しそうに答えた。


「そんな事は決まっておる、“ワシら兄弟”の事だ……」


「むっ。そこっ!! 何をコソコソと雑談をしておるのじゃ!! ワシらの事を眺めている暇があったら、これから行われる戦いを勝利に導く為の努力をせんか!!」


 そんなやり取りを二人がしている事に気がついた信勝は直ぐ様に指を指して激を飛ばしつつ、気になった物を物色してはラムセスにその効果を確かめて行く。


「むー……これも悪くは無いが……。おっ? ラムセスよ、この棒の先端に(つぼみ)の様な物が付いた物は何じゃ?」


 そう言って信勝が手にした物は第二次世界大戦末期でドイツ軍で用いられた、パンツァーファウストと呼ばれる対戦車用の巨大なマラカスに似た携帯式対戦車擲弾発射器であった。


「これを用いる事でドイツと言う国は、鉄に覆われた馬車の様な見た目をした兵器に対してこの武器を用いる事で撃破したそうです」


「ふむ。要するに固くて大きい相手でも、こいつを使えば倒せる訳じゃな?」


「蕾の様な先端部分を飛ばして攻撃するので一回限りの武器では有りますが。ここに置かれている様なおもちゃではなく本物であれば、命中させる事が出来れば城門を貫通する威力が実際には有るようです」


「城門を吹き飛ばすとな?! そいつは凄いのじゃ!! よーし、ここら辺に有る武器を一通り持っていく事としよう!! 勝家はこの鉄の棒を竹盾の様に纏めた物を持っていくのじゃ!!」


「……何なのですかこれは」


 その説明を聴いてますます好奇心を刺激された信勝はパンツァーファウスト2本だけでなく、ドイツの武器コーナーの中から9門のロケット弾発射用筒が一つに束ねられ、位置も筒内部に中央の1門を中心に回りを囲むように残り8門が並んで配置されている外見を持つ異色な武器を戸惑う勝家に手渡したりしつつ、その後も物色を続けるのであった。



 ーーーーー◇ーーーーー


 

 そんな着々と準備を進めている信勝率いる青チームとうって変わって、忠勝がいる赤チームメンバーは明るくも穏やかな物であった。


「えーと、では皆さんの装備の希望を聴かせて頂いてもよろしいでしょうか?」


 若い人が集まった赤チームの中でも最年長と言う立場らしい、忠勝の指導役を務めた少し日に焼けた肌が防具越しにうっすらと見える渡部が流れを仕切っており。

 赤チームのメンバーも青チームと同じく自陣に置かれた小城に入り、武器庫で自分達が今回扱う武器等の装備を準備していた。


「俺は渡部お兄さんが選んでくれた装備で良いよ!!」


 そう言って渡部に満面の笑顔で告げる見たことが無い程に素直な忠勝を見て、右隣にいた康政は寒気を感じて思わず口を挟む。


「あれだけ好き勝手やっていた忠勝が突然忠犬の様に誰かになつくだなんて……。どういう心境の変化があったのか教えて欲しいな」


 その一言を受けた忠勝は康政に向き直り、興奮した様子で先程射撃場で渡部から受けた興奮を彼女に全身も使って伝える。


「そんなの決まっているさ!! 渡部お兄さんは武田家の騎馬隊を撃退できるだけの射撃技術と戦術を知っていて!! 銃の事を少しも知らない俺でも、理想に近い戦いかたが出来るように鍛えてくれたんだ!!」


「飽きっぽくて、本能で行動する忠勝をそこまで鍛えれるだけの指導力を持ち合わせておられるのか渡部殿は?!」


 普段の自由奔放で、物事を深く考えない忠勝に姉貴分として手を焼いている康政は、まともに忠勝を教えられる人が現れた事に雷に打たれた様な衝撃を感じ、渡部も渡部で苦笑いを浮かべている。


「あはは、忠勝くんのお役に立てて良かったよ。ところで康政さんは何か自分の中で、こう戦ってみたいと言う型はありますか?」


「私ですか? 私は……大勢の相手を敵に回しても勝ち抜けるだけの武器を望みます!!」


 その力強い返事を聴けた渡部は穏やかな表情で了承した。


「わかりました。そうですね、少し大きいかもしれませんがこれなんてどうでしょう?」


 そう言って渡部は壁に掛けられていて、今は弾丸を納めるマガジンが抜かれている全長1,214mmのある銃を手渡す。


「これは……」


「これはアメリカと言う国で開発された【ブローニングM1918軽機関銃】と言ってね。忠勝くんが持っている小型で小さな弾を連続で打てる【MP38短機関銃】と違って、より威力が高く、射程距離も長い弾丸を弾層に20発納めて連射する事が出来る銃なんだ」


 そう言って康政に手渡されたのは銃器設計者として名高いアメリカのジョン・ブローニングが世界大戦時に設計した、アサルトライフルの様な軽機関銃であり。

 良く愛称として「Browning Automatic Rifle」の頭文字を取ってB.A.R.(ビーエーアール)としても呼ばれている傑作銃である。


「これはおもちゃで性能が制限されているけれど、種子島の様に火薬の力で弾を飛ばす本物銃ならばこれから向かうフィールド【サッカー場の二倍分の大きさ:長さ最大 220m(240yds)幅150m(160yds)】よりも遠くにいる相手にも撃てば届く性能を持っているんだ」


 その説明を受けた康政は同じ銃であっても何処に飛ぶかわからないし、甲冑をつけている場合は50m圏内でやっと貫通し、生身が相手の場合は150~200mぐらいが殺傷距離の【種子島】のほぼ倍以上の射程距離と20発の弾丸を連射する事が出来ると言う説明を受け。


 ただただその話の内容に唖然とさせられ、康政は小さく口をポカンと開けたまま渡部の説明に聞き入っていた。


「えーと……気に入って頂けたならうれしいのですが」


 彼女の反応が薄いので、つい心配になってしまう渡部であったが。彼女は目を輝かせながら声をあげた。


「わ、私にその装備をお貸しください渡部殿!! 必ず活かして見せますから!!」


「か、畏まりました!! では、康政さんにはこの銃に合わせた弾層とおまけも付けて準備させて貰いますので少しお待ちを。あと、忠勝くんの分の装備も合わせて用意してもいいかな?」


「うん!! 渡部お兄さんにおまかせするね!!」


「ありがとう」


 その合意を得られた渡部は穏やかに微笑みながら礼を延べ、二人が戦闘に耐えれるだけの装備を準備するのであった。



 ーーーーー◇ーーーーー



 やがてそれぞれに設けられた五分と言う準備時間が終わり。完全武装した両チームは小城の正門から続々と降りてきて整列した。


 そこには先程まではしゃいでいた空気は無く、まるで目の前にいる獲物を見つめるライオンの様な張り詰めた空気が両陣営にはあり。それは最近までは敵国同士であり、命をかけて戦う侍同士である事もあった為でもあった。


 そんな空気を無視する様な明るい女性のナレーションがフィールドに響き渡った。


 《これより!! 二ヶ所の相手陣地の中心に置かれた旗を取ったチームを勝ちとする、2(ツー)フラッグ戦を開始致します!! これより私が5秒読み上げますので、読み上げが零になり次第試合を開始致します!! では、5、4、3、2、1!! 試合開始!!》


「出陣するぞ!!!」


 ほぼ同時に両陣営から上がったその言葉はやがて雄叫びへと変わって行き。両陣営はそれぞれ事前に考えていた作戦行動を開始した。


「それじゃあ予定通り一番槍は頂くよ!!!」


「お願いするね桃色のお姉ちゃん!!」


 先ず忠勝達、青チームは部隊を半数に別けて背中に迫撃砲を背負っているシャルロッテとボルトアクションライフルを持ったルルに加えて、五人のスタッフを加えた七人の分隊が自陣城から見て110mm先のフィールドのど真ん中にある高さ20m、幅が60mある体育館程の大きさの山目掛けて突撃を開始した。


 彼等は真ん中にある山を敵よりも早く陣取る事でゲームの主導権を握る為に行動しており。それは相手チームも同じであった。


 変わって残りの【忠勝+渡部+康政】は山の周辺で待機して、シャルロッテ達陣取り班の動きに合わせて行動する事となっている。


「こちらはかなりの人数を割いたが、相手はどう出てくるかな……」


 そう言ってブラックメタリックカラーで、太陽の光に照らされて薄く輝く【ブローニングM1918軽機関銃】の装填ハンドルを引いて初弾を込めながら、康政は色々な意味で今か今かとウズウズしていた。


「そんなにはしゃがなくても、もう少しすれば分かるよ康姉」


 そう言いつつも、忠勝は気持ちを落ち着かせる為に射撃場で教えて貰った射撃する際の正しい構えを思い出しつつ、それに合わせて体を動かす。


「えーと……。確か【足を肩幅に開き、利き腕と反対の足を僅かに前方に出して標的の方に向ける】……あれ? 残りは何だっけ?!」


「あははは。一度に覚えるのは難しいからね。交戦する前にもう一度復習しておこうか?」


 安全装置等の改良がされているからと言う理由で渡部から勧められた【MP40短機関銃】を相棒にして、構えの基本として教えられた事を途中で忘れてしまった忠勝に渡部は優しく声をかけつつ、背中に背負っている半透明の【ライオットシールド】と共に今回の彼の相棒を勤める、旧日本軍で使われていた【三八式歩兵銃】で構えの見本を見せる。


「じゃあさっきの続きから行くね? 【銃を標的に向け、利き腕側の足はうまくバランスを保つように置き、同時に前方と横へ楽に動ける様にする。膝は僅かにまげ、上体はやや前かがみにする。そうする事で体重が体の前へとかかり、発泡の際の反動が吸収される】……と言う訳だね。どうかな忠勝くん?」


 渡部の解説に合わせて動いていた忠勝も教わったことを聴いている内に思い出せた様で、見事に相棒を構えつつスッキリした表情で渡部と視線を合わせる。


「うん!! これだよこれ!! ありがとう渡部殿!! お陰で実戦になった時に混乱せずに済みそうだよ!!」


 《下にいるみんな聴こえてるー? もうすぐ山頂に着くから準備よろしくね!!》


 忠勝がスッキリした所で、先程から懸命に山を登るために整備され設置されていて、大人が横にならんでも三人は通れる様に作られている山頂まで続く木製の階段を駆け上がっているシャルロッテ達から、分隊内で使うことが出来る無線を通じて連絡が来た。


 目を離している内に既にシャルロッテ達は後数分で山頂に辿り着ける位置におり、その連絡を受けた忠勝達も目配せをしてから渡部を通して返事を返す。


「了解。何時でも行動出来るように山の近場で待機しておくので、引き続きよろしく」


 《了解!! よーしみんなー!! 後少しだから頑張ーー》


 その直後であった。シャルロッテ達が山頂に到達する前に人影が現れ、シャルロッテ達が登っている階段通路目掛けて二個の“直径3mの車輪のリムに装着された多数の固形燃料ロケットモーターを一斉に噴射させながら車輪を回転させて勢い良く転がってくる物”が、チーズを坂の上から転がすお祭りの様に困惑するシャルロッテ達目掛けて勢い良く転がって来たのである。


 《なんなのさあのイカれたーーげふうっ?!!》


 先頭を歩いていたシャルロッテがサッカー漫画のように悲鳴をあげつつ時速100キロを超える車輪に跳ねられて、草が生い茂る横道に撥ね飛ばされ。


 《パ……パンジャンドラムだaーー》


 その英国で作られたけど大失敗に終わった試作兵器の名を叫びながら、スタッフ達は次々とボーリングのピンのように弾き飛ばされてしまった。


 《わぁ。あぶない、あぶない……》


 唯一体を山道から外へと逃がす事が出来、生き残れたのは最後尾を歩いていたルルだけであり。


 試合が開始されてから僅か数分で、忠勝達青チームはシャルロッテとスタッフ合わせて6名を失うと言う、部隊としては壊滅的被害をビックリドッキリメカに受けてしまうと言う悪夢を味会わされ、下からその一部始終を見ていた忠勝達は状況を理解できずにただ呆然としていた。


「一体……何が起こったんだ……?」


 思わず震える声で忠勝が呟き、


「わからない……ただひとつ言えることは私達が完全なる不意討ちを食らわされて、全滅しかかっていると言う事だけだ……!!」


 余りの理不尽な出来事に康政が苦々しく吠える。


「わははははは!!! 思っていた以上に上手くいったのじゃ!!!」


 そんな忠勝達を嘲笑う様に山頂から愉快で仕方無いと言ったように信勝の大笑いが聴こえて来た。


「信勝!!!」


「やあ、忠勝。どうやらワシの方が何枚も上手だったようじゃの~う? どうじゃ、当てにしておった策が打ち破られた気持ちーーおわっ?!」


「ちぇっ……はずしちゃった……」


 そんな何処か役者がかった信勝の演説を、山の草木に隠れていたルルが容赦無く狙撃する事で遮る。


「お、おのれ!! こう言う時は黙って聴くのが乙と言うもーーにょわぁ?!!」


「ごめんねノッブ。キングを落とせれたら後が楽なんだもん……えい」


「ぬわわ!!? おのれ卑怯者めがっぁぁぁぁ?!! そこまでしてぇぇぇ?!! 勝ちたいのーーゴフッ」


「うん。だってこれは勝ち負けがある勝負だもん」


 そんな喜劇が何時までも続くわけが無く、草影に隠れているルルが操るボルトアクションライフルから連続で放たれるBB弾を避け続けていた信勝は遂には捕まってしまい、唖然としている忠勝達に壮大な大往生を見せつけて倒れてしまった。


 《ん。今がチャンスだよ、部隊を立て直そう?》


「はっ、あ……ああそうだね! 皆、高台からの攻撃を避けるため今から東側にある私達の拠点である村へと急ぐよ!!」


「りょ、了解!!!」


「え、山はそのままで良いのですか渡部殿?!」



 そんな少女の様な可愛らしい声で伝えられたルルの指示に従って、渡部はすかさず忠勝達を引き連れて敵チームに取って攻めにくい拠点へと退避を開始するのであった。


 

◇赤チーム

・本多忠勝【MP40短機関銃+棒付きスモーク・グレネード×3】

・榊原康政【ブローニングM1918軽機関銃+トリモチグレネード×3】

・シャルロッテ[脱落]【MP40短機関銃+M1・81mm迫撃砲】

・ルル【モシンナガンM1918ボルトアクションライフル】

・渡部【三八式歩兵銃+ライオットシールド】

・他5名スタッフ[脱落]



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