表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/188

魔王と呼ばれた少女の本音 ††

 ††(ダイロクテン魔王視点)



 ダイロクテン魔王と呼ばれている少女は思う。


 さて、あの場であのように取り繕ったが、どうするべきであろうか。

 と――。


 魔王軍全体として考えるならば、喧嘩両成敗。

 セフィーロとバステオ、どちらも処刑すべきなのだろう。


 バステオに叛意があるのは明確であったし、セフィーロも部下の管理が行き届かなかったのだ。


 ここでけじめを付けておかなければ、魔王軍全体への影響が出る。


「……魔王という商売は、舐められたらお終いだからな」


 ただ、一つだけ気になることがある。

 それはセフィーロの配下の男だった。


 先日のアーセナム攻略の一件以来、あの男に注目してきたが、あの男、調べれば調べるほど面白い。


 その魔力はすでに旅団長の域ではない。

 その知謀は軍団長のそれに匹敵する。


 もしも、セフィーロとバステオを処罰するのならば、あの者を次の軍団長に据えてやっても良いくらいだ。


「……いや、それはまだ早いか」


 そう独語する。

 その実力の方に疑いの余地はないが、まだまだ足りないものがある。


「奴は甘すぎる。ロンベルクの孫ゆえ、仕方ないのかもしれないが」


 己の前世が人間だからだろうか。


 ろくに面識のない男だが、出会った瞬間から、その甘さが気になっていた。


 実際、奴はその甘さゆえに、無駄な殺生をせず、他の魔族から軽んじられているようだ。


 そのような男をいきなり軍団長に据えるのは時期尚早というものだろう。


 ――だが、


()の思い描く世界を作るには、あのような男が必要なのだがな」


 そう漏らす。


 何の因果か、前世でも今世でも、魔王と呼ばれる立場になってしまったが、何も最初からそう呼ばれたかったわけではない。


 前世では、戦国大名の子供として生まれてしまったから。

 今世では、高位の魔族に生まれてしまったから。


 そんな理不尽な理由で魔王と呼ばれるようになってしまった自分だが、何も『魔王』めいた真似がしたいがために魔王と呼ばれる存在になったわけではない。


「……()には()の夢があるのだ」


 ダイロクテン魔王と呼ばれている少女は、ぽつりとそう漏らすと、その世界を作るために必要な男を試すことにした。


 もしも奴がその夢を叶えるのに必要な男ならば、その難題も解決するだろう。


 そう思いながら、少女はセフィーロとバステオに決闘の方法を伝えることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 本人かよっ!(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ