外伝 ジロンとジロウ (新作投稿記念SS)
なろうで新作を投稿しました。
面白いので是非読んでいただけると嬉しいです。
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魔王軍の間で最近、「ジロウ」なる食べ物が流行っているらしい。
と聞きつけた魔王軍最強の魔術師アイクはさっそく、参謀のオークのジロンを召し出す。
「最近、おまえによく似た名前の食べ物が流行っているらしい。なにか心当たりがあるか?」
「……ギクッ」
と背筋を凍らせるジロン、心当たりがあるらしい。わかりやすい男である。
「ついに旦那の耳にも入ってしまいましたか」
「ああ、城下で有名らしいからな。あのサティですら知っているくらいだ」
「サティのお嬢ちゃんが知っているならば隠し通せないでしょう。ええ、知っていますよ。ジロウは悪魔の食べ物です」
「悪魔の食べ物なのか」
「はい。油と炭水化物の塊に野菜とニンニクをこれでもかとぶち込みます。別名、豚の餌」
「すごい食べ物だな。なんで流行っているんだ」
「さあて、あっしにはとんと」
ジロンは興味なさげに言うが、興味を覚えたアイクは翌日、ひとりでジロウなるものを提供する店に行く。
ジロウの前には長蛇の列が。
見せも小汚く、店主におもてなしの心はゼロで、客も殺伐としている。
「たしかになんで流行っているのか見当も付かないな」
そんな感想を抱いていると店主に「味は?」と聞かれる。
「美味いのを」と返答するとこれだから素人は、的な顔をされる。どうやら麺の堅さなどを尋ねられているようだ。よくわからないので「普通で」と返答すると。五分後に目の前に「豚の餌」が置かれる。
「本当に豚の餌のような盛り付けだな……しかし、味のほうは……美味い!」
ずずーっと一気にすすってしまう。あっという間に食し終えるとアイクは店を立ち去るが、それと同時になぜ、ジロンが「ジロウ」を嫌がるか分かった。
「あれは豚骨ベースのスープだった。それにチャーシューと呼ばれる物体は豚肉だな」
ジロンはオークの参謀なのである。
「可愛そうなのでジロウのことにはもう触れないでいてやろう」
ただ、味は気に入ったのでたまに食べに行こうと思った。
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日間ランキング上位の作品です。面白いので是非読んでいただけると嬉しいです。
悪役令嬢ものですが、恋愛要素は薄いtueeものなので男性でも面白いと思います。
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