表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
177/186

その4 アイクの求婚

 イヴァリースの領地にいるとき、俺はメイドのサティと一緒にいることが多い。


 彼女は紅茶をいれることから、家事までなんでもこなすが、チェスが苦手であった。


 彼女は奴隷出身なので知的な遊びは限られるのだ。


 しかし、俺は彼女をメイドにしてから、文字を教え、本を読む喜びも教えた。


 今では立派な読書家で、俺の書斎にある本や、イヴァリースに設置した図書館などから本を借りてきては読んでいる。


 なので語彙は豊富なほうだと思う。


 少なくともジロンよりは教養があり、反射神経が不要なゲームならばこなせるようになった。


 たとえば「しりとり」なども時間制限さえなければかなり強いほうである。


 というわけで最近、暇な時間ができると彼女としりとりに興じることが多かった。


 先日は不覚にも負けてしまったので、今日は絶対負けたくないところだ。


 俺は初めてサティに小賢しい戦法を使うことにした。


 彼女から開始。


「ゴリラさ……いえ、ゴリラ!」


 さん、と言おうとしたところがサティらしくて可愛い。


「来月」


「積み木!」


「危機一髪」


「ツナ缶! ……いえ、ツナの缶詰!」


「名月」


「『つ』……つですか、『つ』ばかりですね。……鶴!」


「ルーツ」


「津波!」


「蜜」


「……ご主人さまの意地悪。もう『つ』で始まる言葉はありません」


「そんなことはない。あるよ」


「ほんとですか?」


「ほんとさ。代わりに言ってもいいか?」


「はい」


「妻になってくれ」


「…………」


「どうした。『れ』だぞ、『れ』」


「……はい」


「『れ』だと言ったのに。サティの負けだぞ、罰としてこれを受け取ってくれ」


 俺は懐から指輪を出すとそれをサティの薬指に装着した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
求婚と聞いて 期待して読み始めたら ・・・ アイクは変わらず、アイクでした。
[気になる点] えっ?さすがにこの展開は無いわ〜w いや。そうきたか!って意味でね! 最近出てこないから名前も忘れたけど、商人の娘は放置? 作者様の自由で結構なんですが、ここでサティ口説くなら、…
[良い点] この方法はちょっと意外ですねw あと他の美少女さん達も気になりますw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ