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その2 アイクのスパイ選び


ダイロクテン魔王こと織田信長、彼女は戦争において情報を得ることがなによりも重要であると知り尽くしていた。


なので魔王軍は諜報部隊に力を入れており、このたび、魔王直属の間諜(スパイ)部隊が設立されることになった。


ダイロクテン魔王――、信長は部隊設立にあたり、魔王軍随一の切れものであるアイクという青年に尋ねた。


「アイクよ、スパイを育成したいのだが、なにか良い案があるか?」


 不死の仮面をかぶった忠臣は答えてくれる。


「スパイに一番必要なのは、好奇心でございます。また、人と違った発想ができる人物も好ましいですね」


「なるほど、たしかに敵地に潜入し、尋常ならざる任務に挑むのだ。普通の感性の持ち主では駄目か」


「ええ、人の言うことを唯々諾々と聞くような人物は役に立たないかと」


 アイクはそう断言すると、俺に妙案があります、とスパイを選定する試験の詳細を魔王に話した。

 魔王はその話を篤と聞くと納得した。


「うむ、さすがは第八軍団の団長。その知謀、並ぶものなし」


 魔王はそうアイクをたたえると、部下に間諜募集の布告を出すように命じた。


 間諜募集の看板を見てイヴァリースの街へやってきた木訥な青年マイセン。 

 受験会場はとある商人の屋敷で、三〇人くらいの若者が集まっている。


(うわぁ、この人数の中から自分が選ばれるのだろうか)


 不安に思いながらオークから厳重に封をされた封筒を渡された。


「では、みなさん、これからこの封筒を持って町外れにある森まで向かってください。その間、絶対に封筒の中身は見ては駄目ですよ」


 受験者たちは一斉に走り出し、のろまなマイセンは一人、会場に取り残されてしまった。


「ああ、今から走っても無駄かな」


 マイセンはそうつぶやくと封筒を開けてしまった。どうせ不合格ならば中になにが書かれているか確かめておきたかったのだ。


 封筒にはこう書かれていた。



「おめでとう。あなたは合格です。街の中央にある俺の館までやってきてください」

 


 魔王軍第八軍団長アイク――

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― 新着の感想 ―
[一言] まあ敵国へのスパイとしてなら悪くないかもだが、そのスパイには一生帰ってきてほしくないな。 能力を私的利用してこちらの機密まで好奇心で知られた後に、敵国へスパイしにいって捕まったら、機密ぜんぶ…
[一言] 一個人が知ってはいけない情報とかもあるかもしれないのにそれをあっさり見るような相手とか信用できないし。余計な好奇心であっさりスパイがバレて逆に情報抜かれかねない。好奇心より単独でなんでもでき…
[一言] 見ちゃダメって言われた物を勝手に見る様な奴はスパイ云々の前に単純に信用できないと思う。そんな信用出来ない奴からもたらされる情報を信じるの? って考えたら、まぁ、あり得ないかな、、、と
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