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その1 女が10分で身支度できるわけないだろ。

 アイクがまだセフィーロの下で旅団長を務めていた頃の話――。 



 俺は上司である魔女セフィーロに呼び出されたが、遅刻をしてしまった。


「なんてこった最悪だ」


 魔女セフィーロはいい加減な上司であるが、時間にうるさい。

 自分が待たされることをなによりも嫌う。


「自分は時間にルーズな癖にな」


 そう嘆くが、嘆いたところでセフィーロの機嫌が良くなるわけでもなく、また許されるわけでもない。


 彼女にする言い訳を考えた。


「さてはて、どんな言い訳をするかな」


 参謀であるジロンに尋ねた。


「仕方ないですね。あっしが特別な言い訳を考えて差し上げましょう」


「こういうときは既婚者は頼りになるな」


「ええ、あっしもいつも女房に言い訳ばかりしてますからね。酒を飲んで午前様になったときとか、博打で財布がスッカラカンになったときとか」


 ろくでもない自慢を胸を張って言う。

 ……まあ、いい。彼の主張を聞こうか。


「こんな言い訳はどうでしょうか?」


 ジロンはそんな言葉とともに主張する。



「セフィーロ様、すみません。セフィーロ様のもとに向かおうとしたんですが、途中、リリスの奴がどうしても一緒にやってきたいと我が儘を言ってきたんです。リリスの奴は一〇分で身支度を調えたんですが、途中、馬がバナナの皮ですべって転倒、そうしたら川にドボン。そのまま下流まで流されたんですが、その先でドラゴンと遭遇。なんとか倒して上流まで戻ったんですが、びしょ濡れのままセフィーロ様のもとへ向かうわけにも行かず。砂漠まで転移して服を乾かしていたら時間に遅れてしまったんです」



 というのはどうでしょうか?


 ジロンは満面の笑顔でそう言い放ったが、その言い訳には大きな矛盾がひとつだけあった。


 俺はそれを指摘する。


「その言い訳にはひとつだけあり得ない矛盾がある。そこを修正しないと」


「どんな矛盾ですか?」


「女が一〇分で身支度できるわけないだろ」


 俺がそう言うと、ジロンはたしかに、と苦笑いを浮かべた。

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