表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/92

強制転移させられた

バトルフィールド4(FPS)にハマッてる今日この頃。

 

 

 

 仮面の人が使った魔呪具?によって俺達は強制転移させられた。

 森の中にいたのに、今は地面が石畳となり二階建てほどの建物が密集した場所に立っていた。

 スラムっぽい雰囲気を持つが、恐らく状況から考えてこの街はダロスなのだろう。



「イリーナ。体に異常はないか」

「問題ありません。主こそ大丈夫ですか」

「あぁ、ピンピンしてるよ」



 俺の側にはイリーナがいた。

 確かあの時は全員近くにいた人と二人一組でいたはずだ。

 チラッとしか見なかったが、魔方陣も三つ出ていたので各ペアごとに転移されたと思われる。



「というか、魔呪具ってこんなこと出来るのもあったのか。俺グインタビューで使われた、魔力を暴走させるのしかないのかと思ってたよ」

「私も転移系の魔呪具は初めて見ました」

「そうなのか?」



 イリーナは妖精族という事もあり、魔法方面に関してはマギーと同等、もしくはそれを凌ぐほどの知識を持っているエキスパートだ。

 そんな彼女が知らないというのだからよほど珍しい物なのだろう。



「恐らくですが、あの仮面が独自に作り上げたのではないかと」

「魔呪具を作ったって言うのか」



 魔呪具は使用するのはもちろん、所持、作成することも禁止されている。

 世界中でこの決まりは認識されているというのに、仮面は文字通り世界を敵に回すことになるな。



「何にしても、まずはみんなと合流しないとな」

「そうですね。幸い他の四人の魔力は覚えています。魔力探知を使って探しましょう」

「さすがイリーナ。頼りになるな」

「い、いえ。勿体ないお言葉で(てれてれ)」



 イリーナの頬がほんのりと赤く染まり、視線を合わせられないのかキョロキョロと宙を漂わせている。

 普段はクールビューティーという感じなので、偶に見せるこういう仕草はよけいに可愛く見える。

 きっとこれがギャップ萌えなのだろう。



「で、では早速始めます」

「あぁ、頼むよ。俺も一応やってみるから」



 イリーナの腕を疑っているわけではないが、より精度を高めるためだ。

 


「・・・・・・あれ?」

「主もですか」

「じゃあそっちも?」

「はい。魔力を感じられなくなっています」

「だよな」



 はぐれた四人を捜そうとしたのだが、街になにか探知を妨害する物があって出来なかった。



 ◇◇◇◇◇


『魔力探知』

 ソナーのように魔力を自身から放ち、対象を探す魔法を応用した技術。

 探し方は、例えばAさんを探したい場合Aさんの体内魔力と同じ波長の魔力を放ち、呼応させ居場所を突き止める。

 この探し方の都合上、放った魔力が届く範囲内に対象がいないと探し出せない。


 ◇◇◇◇◇



「さて。どうしたものかね」



 イリーナが探せないという事はマギーも無理だろう。

 トマスさんとシェスカも望みは薄い。



「とにかく。現状を把握しよう。誰か人に聞くか、街を散策して」



『聞こえていますか?』



 街全体にそんな声が響いた。

 その声はさっき聞いたばかりの物、仮面の人の声だった。



『キョロキョロしても私は見つかりませんよ。今は離れた場所からあなた達を見ているのでね』



 俺の行動を見てクスクス笑う。

 突然響いてきた姿なき人物の声に街はざわめいている。



「いったい何がしたいんだ! 他の四人はどうしたんだ!」

『他のお仲間については知りませんね。まぁ知っていたとしても教えるつもりはありませんが』



 俺の声を聞いて、近くの建物から住人が顔を覗かせてきた。

 その数は徐々に増えていく。



『とりあえず、他人の心配より自分の身を案じた方がいいですよ』

「なに?」



 仮面の人がスゥーッと息を吸うのがわかる。



『ダロスに暮らす住民達よ。我の声を聞け。我の命に従え』



 さっきまで話していたトーンより低い声でそう言う仮面の人。

 俺とイリーナは何ともなかったが、顔を覗かせていた近所の住人の様子が一変した。



『ダロスにネズミが二匹紛れ込んだ。探し出して始末しろ』



 そこまで言い終わると、周りにいた住人が飛びかかってきた。



「うおっ!? なんだいきなり!」



 その時あることを思い出した。

 それは同盟に参加するのを決めた時、ホーネット伯爵が言っていたことで、『ガルシュバは仮面に乗っ取られ、民は洗脳された』と言っていたことを。



「そうか、洗脳して操ってるのかっ」

『ご明察。せいぜい頑張って逃げ惑って下さい』



 その言葉を最後に仮面の人の声は聞こえなくなった。

 


「主っ」

「ダメだ! この人達は操られているだけだ。殺したらダメだ!」



 イリーナが人なら丸呑み出来そうな火球を作り出したのを見て慌てて止めた。

 住民達の攻撃は簡単に躱せるのだが、如何せん数が多い。

 さらにその数が増えてきているようでこのままではじり貧だ。



「いったん退くぞ! イリーナっ」



 俺は右足に魔力を溜め、土魔法を発動し地面を踏みつけた。

 すると俺が踏みつけた場所を中心に地面が波打ち、次いで地震のように揺れ出した。



 これは地球にいた頃に何かの漫画で読んだ『震脚』とかいう。

 イリーナは羽を露わにし空中へと逃れたが、住民達は皆一様にバランスを崩して倒れている。

 その隙に俺は建物の壁を蹴り三角飛びの要領で建物の屋根へと上がった。



「・・・・・・まるでゾンビ映画だな」



 屋根から下を見下ろすと、住民達が大勢(たむろ)っていた。



「主。とりあえずここを離れましょう」

「あぁ。人気のない場所を探そう」



 仮面の人の言う通りになるのは癪だが、まずは自分の身の安全を確保しなければ。

 俺は四人のことも心配に思いながら屋根伝いに移動した。




最後までお読み下さってありがとうございます。


伏線回収が難しい><。

自分でいつどこで伏線を仕掛けたのか覚えていなかったり(汗)


【次回】幕間劇 他の四人は何処に?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ