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妖精族の本気

久々の連日投降できました^^


ただ、今回ちょっと急ぎ足で書いたので誤字脱字が多いかも(汗)

 

 

 

「それで、イリーナはどんなことが出来るんだい?」



 お茶を用意しに行ったドアートさんがなかなか戻ってこないので、俺とイリーナはそのまま休憩スペースで話をすることにした。



「ドアートさんから聞いた『普通の』召喚で呼び出した召喚獣は、主に魔法の補助をしてくれるって聞いたんだけど」



 今回はなんと『妖精族』を召喚してしまったので、通常の概念は通用しないかもしれない。

 あれこれ試すよりも相手に聞いた方が手っ取り早い。

 召喚獣ならまだしも、イリーナは意思疎通が可能な種族なのだから。



「はい我が主。何でも出来る(・・・・・・)、と断言致します」

何でも(・・・)? 本当に?」

「はい。主と私の力が合わされば、不可能なことなどありません」



 何でも出来る、とは傍から聞けば良いように思えるが、当事者の俺にとってはちょっと悩んでしまう。



「何でもか・・・例えば世界征服したいとか言えば」

「少々日数は掛かりますが可能です」

「―――へ?」



 な、何を言っているんだい?

 そんな真顔で。



「手段としては、各国の首脳陣がいる場所を跡形もなく吹き飛ばします。おそらく首都になるかと。主には火属性魔法で小規模な火球を首都の上空に作って頂くだけで結構です。あとは私が主と私自身の魔力を制御し、火球を首都を覆い隠す大きさまで増幅、この時点で恐らく火球下に位置する首都は余すことなく燃えていると思いますが、念には念を入れて火球を落と―――」

「わかった! いい! 最後まで言わなくていいよ!?」 



 イリーナの具体的な説明で、その情景が頭をよぎった。

 ・・・・・・地獄絵図だ。

 考えるだけで鳥肌が立つ。



「・・・申し訳ありません。私は何か主のお気に障ることをしてしまったでしょうか」



 深々と頭を下げるイリーナ。

 よく見ると肩が少し震え、ドレスの裾を握った手は白くなっていた。



「いや、怒ってる訳じゃないよ。だからそんなに気にしないでくれ」

「私のことを見捨てたりは」

「そんなことするわけないだろ? イリーナは俺が召喚した、たった一人のパートナーなんだからな」

「我が主・・・」



 顔を上げたイリーナの顔は瞳が潤んではいたが、初めて見る笑顔を見せていた。

『可愛い』と言うより、『綺麗、美人』な印象の彼女だったが、その笑顔にはドキッとする可愛さが垣間見えていた。



「(そんなに心配だったのか。ちょっと悪い事しちゃったかな? 上手くフォロー出来たみたいだけど)」

「(『たった一人のパートナー』って、主に、主にそう言ってもらえました。嬉しすぎて感情が抑えきれません。 ・・・ふふっ)」



 実のところユーキがパートナーと言ったのはイリーナが『自分はパートナーだ』と言ったから自分も使っただけで、二人の中の『パートナー』という言葉の意味には大きな違いがあるのだが・・・・・・誰も知ることはなかった。



「お、お待たせっ」

「あ、ドアートさん。遅かったですね」

「いや、最近自分では淹れていなかったからね。手こずって」



 チラチラとイリーナの方を気にしながら全員にお茶を配る。

 イリーナもイリーナでドアートさんを警戒してか、氷のように冷たい視線を向けている。

 美味しいはずのお茶だが、味は正直分からなかった。



 ~~~~~



「それではこれで失礼します」

「あぁ。例の件(・・・)は暇な時に来ると良い。こちらはいつでも問題無いよ」

「ありがとうございます。では」

「失礼致します」



 緊張感のあるお茶会を機に、今日のところはお(いとま)することにした。

 イリーナについてもっと聞きたいこともあったが、あの場で質問したらきっとドアートさんのマッドな部分を刺激してしまうだろう。

 一応イリーナにはあの透明な刃を無闇に突きつけないように言い聞かせたが、万が一という事もあるからな。



 そんなわけで俺はさっさと三日月に帰ることにした。

 


「我が主。例の件(・・・)、とは?」

「ん? あぁそれは剣の修行(・・・)を付けてもらうことだよ」



 イリーナを召喚したことで、俺の魔法面での修行は不要になった。

 ドアートさんのお墨付きだ。

 なので今度は剣の修行をお願いしたというわけだ。



「魔法に関してはイリーナのおかげで物凄い強化が出来たからね。感謝してるよ」

「っ、勿体なき、お言葉です」



 街中だというのに片膝を付いて頭を垂れるイリーナ。

 当然周りの人からの視線を集めまくってしまっている。



「ちょっ、いいからそこまでしなくて。ただでさえイリーナの服は目立つんだから」



 彼女は真っ赤なドレスを着ている。

 似合っているが、『これからどこのパーティに行くの?』という格好を街中でしているので必然的に注目を浴びていた。

 俺は彼女の手を握ると、多くの視線を背中に感じつつそそくさとその場を立ち去った。

 


 ちなみに背中の羽については問題無い。

 妖精族の『姿を不可視化する』魔法の応用で、羽部分だけ見えなくしているのだ。



「やっぱりイリーナは目立つから、羽だけじゃなくて全身を不可視化したら?」

「・・・主のご命令でしたら従います。ですが、お許しいただけるのであれば、どうか、このままで」



 今度は片膝を付いたりはしなかったが、腰を深く折り仰々しいお辞儀をする。



「あ~、うん。無理にとは言わないよ。じゃあそのままで」

「ありがとうございます。主の身を守るためにも、沢山いる『(害虫)』を近づかせないためにも、精一杯お仕えさせて頂きます」

「うん。まぁありがとう」



 ユーキはイリーナの言った『害虫』の真の意味を知ることはなかった。



 その後、目立ちまくりながらも無事三日月へと到着した。

 早く視線から解放されたかったのでいそいそと入口を開け店内へと入り込む。



「いらっ、しゃ、い。―――あ」

「ただいま、マヤ」



 ちょうど受付台の拭き掃除をしていたマヤが出迎えてくれる。

 入って来たのが俺だと気が付くと、トコトコと小走りに近寄ってくる。

 が、――――――



「おか、えり。お兄、ちゃ」

「待ちなさい、竜人の娘。我が主にそれ以上近づくな」



 マヤと俺の間にイリーナが滑り込んできた。

 まさに目にも止まらぬ速さだった。

 そのまま二人は互いに無表情で見つめ合う。



『なんだ?』 『お、おい! 見ろよあれっ』 『スゲ~美人だな~』 『マヤちゃんとなにやってんだ?』 『ってか、後ろの男』 『くそっ! またあいつかっ』 『なんであんにゃろーばっかりっ』 『・・・暗い夜道』 『・・・毒』 『・・・行方不明』 『『『・・・同士よ!』』』



 ちょうど飯時という事もあり、他の宿泊客や食堂目当ての人々が沢山いて、またも多くの視線に晒される。

 てか最後の三人誰だ。

 物騒すぎるぞ。



「・・・あなた、こそ、誰? お兄ちゃん、の、何」

「私は主のパートナーよ。そちらこそ、主の何なのだ」

「妹」



 こっちはこっちで何やらヒートアップしている。

 見た目は静かなのに。

 というか、マヤがいつにも増して饒舌に!?

 いや、それでもやっぱりちょっと途切れ途切れだけど、いつものマヤを知ってる人なら驚くぞ。 



「おやユーキ、帰ってきてたのかい」

「パーラさん。これ、何とかして下さい」

「ふん、知らないね。自分で蒔いた種だろう。自分で何とかしな」

「そんな」

「てめぇこの野郎! うちのマヤだけで飽きたらず! あの別嬪さんはどういうことだ、おい!」

「ロイさんはちょっと落ち着いて!」



 なかなか心休まる場所、時間が持てないと内心トホホなユーキだった。





最後までありがとうございました^^


予定よりもイリーナさん無双が出来なかった><。

でも少しだけ雰囲気は出せたかな?

書いていて、今更ながらプロットがいるかな?と考えるように(汗)


【イリーナさんの魔法補助について】

作中少しだけ出ましたが、彼女は主である主人公の魔法をコントロールすることが出来ます。

例えば、元となる魔法だけ主人公に出して貰い、それを自分が操る。

無駄に消費していた魔力を適切に使ったり、温存させたり、魔法を増幅したり。

主人公の無尽蔵な体内魔力に、自分の魔力+大気中の魔力を継ぎ足して強化などなど・・・チートです。



【次回】マヤVSイリーナの結果は? 妖精族のいる日常


※誤字修正10/26

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