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Fantapia ~転移チートが異世界を行く~  作者: アズマ
グインタビューの街
33/92

これからの行く末

前回の後書きに記載した『アンケート』へのご協力よろしくお願いします。

すでにご協力いただいた方、ありがとうございます。


ほぼ二徹中の変なテンションで書いてしまいました(汗)


 

 

 

「いったいどうするんですか?」



 俺はガーフィさんに聞いた。



「なに、簡単なことじゃ。儂が領主に直接、ユーキの無実を証明するんじゃ」



 単純明快な回答だが、本当にそんなことが出来るのだろうか。



「ギルド長、そんなに上手く行くもんなのか? 俺はそんなことねぇと思うんだが」

「儂は『ギルド長』じゃからな。一般人や冒険者はともかく、儂は一定以上の地位におるし、領主とも面識はある。たとえあんな領主でも、最悪時間を掛ければ納得するじゃろ」



 うーん、何とも行き当たりばったりな計画だと思うのだが、他に方法はないのだろうか。



「兄貴が直接領主に無実を訴えるとか」

「話しをする以前に捕まってしまうわ」

「ユーキなら兵士くらい軽く吹っ飛ばせるでしょ」

「いやいや、フェル。吹っ飛ばしちゃダメだろ。仮にも無実を証明しに行くんだから」



 まぁ確かに、軽く吹っ飛ばせるとは思うけど。



「では領主が一人になったところに、ユーキさんが背後から忍び寄って口をふさぎ、ナイフをちらつかせて―――」

「ストップだマギー。おっかなすぎる」

「ちらつかせて『手配を撤回しろ』と」

「続けるなよ!?」

「ちょっとマギー」



 ほら、フェルだって止めようとしてる。



「まず、どうやって屋敷に忍び込むのか考えないといけないわよ」

「フェルまで!?」



 ~閑話休題~



「と言う訳で、儂が説得する。異論は?」



 聞いたガーフィさんを除く全員が『賛成』した。



「では早速取りかかろう。じゃが」

「? どうしました」



 ガーフィさんは俺を見ながら苦い物を噛んだかのように、眉間に皺を寄せている。



「ユーキよ、しばらくこの街を離れるんじゃ。今この街にいたら、いつかは領主の兵に見つかるじゃろう。そうなったが最後、どうなる物か想像せずとも分かる」

「・・・やっぱりそうですよね」



 フェルを助けようと決心したあの時から、街を出る覚悟は決めていた。

 だって領主には向かうも同然のことをするのだから、その領主が納めるところに留まれるとは思っていない。



「だ、大丈夫でしょ。ユーキならあんなやつらに」

「俺が大丈夫でも、フェルやマギー、ガンス、ガーフィさん・・・周りにいる人達や、街の人達に迷惑が掛かる」

「そんな、迷惑だなんて」

「そうだぜ兄貴! 俺はこれっぽちも迷惑だなんておもわねぇよっ」



 フェルとガンスの言葉は嬉しい。

 だが、みんながみんなそう考えることはありえない。

 


「ガーフィさんが、さっき俺を引き渡すように言いに来た兵を追い返しただろ。大人しく引き渡されなかったなら、次は人海戦術で捜索するはずだ」



 そう、ガーフィさんは『ギルドに該当する冒険者は登録されていない』と言って兵士を追い返していたのだ。

 俺が診療所に残してきた『真っ二つのギルドカード』はマギーの手でここに持ち込まれ、そして『特例』として処理(・・)された。

 なので今の俺はギルドに登録した冒険者ではないのだ。



 兵士は『嘘をつくな』と追及してきたそうだが、ガーフィさんが『なら自分で調べてみるが言い』と、水晶(登録時使った物)を差し出して調べさせた。

 水晶には登録されている冒険者の情報が記録されていて、必要なときに検索、参照、閲覧することが出来る。(ただし本来はギルド職員のみ)



 調べた結果は『該当なし』。

 そして兵士はそのまま馬に乗って帰ったというわけだ。



「人海戦術なんてされたら、一般の人達が不安がったりするだろ? 兵士達が街中をウロウロするんだからな」

「でも、ユーキが出て行ったって調べようとしたら同じ事になるでしょ」

「そうだぜ。結局同じならいいじゃねぇか」

「そこは・・・自警団のオリオさんとかに協力してもらって『黒髪の男が街を出た』って領主に報告してもらうとか」



 咄嗟に考えたにしては良い案だと思う。

 事実、フェルとガンスは『え~と』や『うぐぅ』と言葉に詰まっている。



「はいはい、この話はここまで。もう決めたんだ、俺は街を出る」



 順番にみんなの顔を見る。

 フェル、ガーフィさん、ガンス、マギー・・・・・・・・・あ。



「どうしよう。俺が街を出たらマギーの指輪に魔力を込められない」

「! そうよ! だからここに居ないとっ」

「それならそこのお嬢さんも、ユーキと一緒に行けばいいのではないかの?」

「ギルド長!」

「ひぃぃ」



 フェルの怒鳴り声で縮こまるガーフィさん。

 


「だ、そうだが。・・・一緒に来るか?」

「いえ。私はこの街に残るわ」

「え」



 俺もこの答えには驚いたが、フェルは口をあんぐりと開けて俺よりも驚いている。



「でも魔力はどうするんだ」

「大丈夫。当てはあるわ。だから心配しないで。それに・・・ユーキさんから聞いた仮面の人物・・・・・・ここで調べたいことも出来たし、ね」



 『あと、万が一に備えてフェルの護衛も兼ねて残るわ』とフェルの頭を撫でながら言うマギー。

 一瞬シリアスな雰囲気を出したのは気になったが、本人がそう言っているのだからそれを尊重しよう。  



「よし。それじゃあ今度こそこれで話しはお仕舞い。終了! なるべく早く出て行きたいから、そうだな、明日の夜出て行こうと思う」

「わかった。自警団の方には儂から手を回しておく。・・・すまんな」

「気にしないで下さいよ」



 こうして俺は明日の夜、グインタビューを去ることになった。

 ガンスは諦め、フェルはまだなにか言いたげだが・・・こればっかりは致し方ない。



 この後は準備に奔走した。



 まず街を出る期間を一ヶ月くらいと考えて、とりあえずまずは近くの他の街、『ソプレゼ』に行くことにした。

 歩いて三日、馬車なら一日と少し掛かるという事で、食料やら野宿用の毛布やらなんやら旅支度をする。

 馬車だと目立つので、今回は歩きで行くつもりだ。

 おかげで用意したリュックはパンパンだ。



 他にもギルドお抱えの武器、防具師に刀のメンテや防具の新調を頼んだ。

 刀や防具は日頃自分で手入れしていたが、この際刀は本職に、防具はもっと高性能な物をと考えたのだ。



 だがその際、驚いたことに『刀に刃こぼれがある』と言われた。

 見てみると、確かに刃の一部分が潰れていた。

 研ぎ直してもらったが『何度も研ぐと刀身が薄く、細くなって最後には研ぎ直しが出来なくなる』と注意事項を聞いた。


 

 加護があるのに、とこぼしたら『刃こぼれしない加護は着いてないぞ』とガーフィさんに説教され『使い方がなってない』『この剣を使うなら剣術を学べ』と怒られてしまった。

 

 

 そして、僅かな間で知り合った人達へと別れの挨拶をして回った。

 ちらほら兵士を見かけたが、まだ大々的には動いていないようで、出し抜くのは容易だ。

 行った先は宿だったり、お店だったり、冒険者の自宅だったり色々行った。

 みんな『早く帰ってこい』『待ってる』と言ってくれ、不覚にもうるっときた。




 ―――そんなこんなしている内に街を出るときがやってきた。




お読み頂きありがとうございます^^


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『ファンタピアの時間の流れ』

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