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Fantapia ~転移チートが異世界を行く~  作者: アズマ
グインタビューの街
32/92

指名手配された

後書きにて読者の皆様へのお知らせがあります。

よろしければお読み下さい。

 

 

 

「兄貴、これ本当の話なんですかい?」



 いつの間にか、領主によって俺は『大量殺人犯』に仕立て上げられていてた。

 ガンスは俺に聞いてくる。



「ジョウンの父親だけ・・・えっと、薬物か何かやってたみたいで、錯乱状態で暴れ出したから殺した。でも、他は殺ってないぞ」



 ガンスには魔呪具について話さない方がいいと思い、錯乱状態になって暴れたので仕方なく手に掛けたことにした。



「じゃあ、他のやつらを殺ったのは兄貴じゃないんですね」

「あぁ、誓ってもいい」



 おそらく、いや、十中八九あの仮面の人が犯人だろう。

 確か『自分がいた事を隠すために皆殺しにする』ってことを言ってた気がするし。



「とりあえず、一度ギルド長へ会いに行きましょう。フェルを助け出したことと、今の話しにつて相談しないといけないわ」



 マギーの提案を却下する必要もない。

 どうせ俺もフェルもちょうど行くつもりだったのだから。



「それならこっちだ。表は見張りがいるかもしれねぇ。兄貴以外はともかく、条件にぴったりな兄貴が正面から入って来たら大騒ぎだぜ」



 ガンスの言い分も分かる。

 なので、俺たちパーティはガンス先導の元、さっきの裏道からギルドを目指すことにした。




 ~~~~~




「―――着いたぜ」

「着いたって、ここか?」



 ガンスが案内した先は、ギルドとは一本別の通りに面しているこの世界ではごく普通の家だ。

 ギルドとは大体家三つ分ほど離れている。



「ここはギルドの緊急通路の出入り口になってるんだ。知ってるのは職員と一部の冒険者だけだ」

「そんな物をどうしてガンスは知ってるの? 私は知らなかったわよ」

「俺は兄貴が来るまでは、ここで一番腕が立つ冒険者だったからな。緊急時のためにってギルド長が教えてくれたんだ。んで、今がその『緊急時』だ」



 ニカッ、と笑うガンスは家の中へと入る。

 鍵はガンスが持っていた。



「――ここの本棚の下にギルドへ続く地下通路がある」



 ガンスが本棚を力任せに横にずらす。

 本がぎっちり入った(・・・・・・・・・)本棚を身体強化もせずにとは・・・見た目通りの怪力だな。



「ちょっと待ってくれるかしら―――ふっ」



 地下通路が現れる。

 さすがに真っ暗で奥の方まで見えなかったが、マギーが魔法で光源を出してくれる。

 野球ボールくらいの光の球だ。



 俺たちはそのまま通路へと入っていった。



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・。



「よいせっ」



 先頭を歩いていたガンスは、『この上だ』と言い、通路の天井を持ち上げる。

 若干隙間から漏れていた光が、蓋を外されたことでさんさんと降り注ぐ。



「・・・なんじゃ、ガンスか。いきなり現れるでない」

「―――ガーフィさん」

「!? ユーキかっ、戻ってきたのか! して、フェルは!?」

「私もいるわ、ギルド長」



 フェルも通路から身を晒すと、ギルド長は涙を流しながら『よかった』と何度も言った。

 そして、それと同じくらい『すまなかった』とも謝った。





「―――落ち着いた?」

「あぁ、すまんかったの、みっともない姿を見せてしまったわい」



 ようやく落ち着いたガーフィさん。

 今はギルド長室の椅子にみんなで座っている。

 あの地下通路はここに繋がっていた。



「それで話しがあるそうじゃが、ユーキの『手配』についてじゃろ?」

「そうです。実は」



 俺はあの場であったことを全員に話した。

 ガンスは退席させようか、と思っていたが『ここで聞いたことは絶対に口外しない』とガンスが誓ったのでこの場に残らせた。



 兵士は全員雷魔法で痺れさせただけ、一人も殺していない。

 唯一、魔呪具によって暴走したジョウン父は始末した。

 ジョウンはその前にジョウン父によって殺されてしまった。



 そして――――――



「『仮面を被った謎の人物』のぅ」



 ガーフィさんは顎髭を摩りながら何か思案する。



「はい、恐らく大勢の兵士を殺したのはそいつです」

「じゃあなんで領主は『犯人は黒髪の男』なんて言い出したのかしら?」

「それについては先ほどの兵士から聞いておる。何でも生き残った兵士がそう証言したそうじゃ」

「生き残りがいたんですか?」

「多分じゃが、お主が無力化した兵じゃろ」



 その時、俺はひとつ仮説を思いついた。



 全て終わった後、領主は自分の屋敷の惨状を目の当たりにした。

 兄と甥は死に、大勢の兵士達も同じく死んだ。

 生き残った兵士(ユーキが動きを封じた兵士)にこの事情について聞いたら『黒髪の男にやられた』と言った。

 領主はそれを『この惨状は黒髪の男がやった』と思い指名手配。



 考えておいてなんだが、こんな事あるはずない。

 だってよく詳しく調べれば違うと分かるはずだ・・・。



「ユーキ、どうかしたの?」

「ユーキさん?」



 突然黙り込んだ俺を心配してか、フェルとマギーが顔をのぞき込んできた。



「こんな仮説を立ててみたんだ」



 さっきの仮説をみんなに話してみたら『あの領主ならやりかねない』とフェル、ガンス、ガーフィさんが全員同じ意見だった。

 マギーは領主を知らないので『調べれば違うと分かるはず』と俺と同じ考えだった。



「あの者は少しばかり頭のキレが鈍いからのぅ」

「あと、悪い人じゃないけどいつも弱腰の姿勢で、兄の言いなりだって聞いたことがあるわ」

「俺もあるぜ。それに、前領主が『あの兄よりは弟の方が幾分ましだ』とか何とか言って、消去法で領主を指名したってのも耳にしたことがある」



 聞けば聞くほど『無能』のようだな、ここの領主。



「ふむ、じゃがユーキの仮説通りならまだ手はあるはずじゃ」



 ガーフィさんの目が光った気がした。





【お知らせ】

現在この後書きにて『次回予告を書くか、書かないか』を決めています。

そこで、『いる』『あってもいい』『どっちでもいい』『なくてもいい』『いらない』の5択アンケートを実施したいと思います。

読者の皆様で、ご協力頂ける方は【感想またはメッセージ】にて回答いただけると幸いです。


いる:+2 あってもいい:+1 どっちでもいい:0 なくてもいい:-1 いらない:-2

というポイント制にして+と-、ポイントが多い方の意見を今後反映していきたいと思います。


どのような予告方法なのか気になる方は、以前書いた物があるので、お手数ですが以前投稿したものをご覧下さい。


※ポイントが同じだった場合『いる』『いらない』の2ポイントの数が多い方の意見を取り入れます。

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