状況確認が出来たら行動しよう
主人公の独白&説明回。
台詞なしです。
フェルが襲われた日はそのまま解散となった。
俺は宿に、フェルとマギーはまた一緒にフェルの家へと。
とりあえず十日ほど相手の動きがないか確認することにし、フェルは外出禁止・・・と、したかったが『ずっと家の中にいたらおかしくなるわ』とのことなので、マギーと一緒に人気のある街中のみ外出しても良いことにした。
俺?
俺はちょっと魔法で試したいことが出来たので、十日間は一人で動かせて貰うことにした。
マギーもいるし、ガーフィさんたちギルドも影から支援してくれるとのことなので大丈夫だろう。
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翌朝、俺は以前フェルに連れて行って貰った森の中にある空き地へとやって来た。
目的は、前回のように『魔法』を使うためだ。
全属性『火・水・土・風・雷・闇・光・無』を順に試していこう。
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~二時間後~
結論から言おう。
俺は神様が言ったように『チート』だった。
とりあえず、漫画やアニメなんかで見たものに挑戦してみた。
『火で炎の竜巻』
スペースの都合上そんなに大きくないサイズで作ってみたが、物凄い破壊力と熱波だった。
地面が黒こげになり、近くに生えていた雑草は熱波で発火までした。
もっとサイズを大きくしたらどれほどの威力になるのか・・・想像しただけでぞっとする。
『水で氷を作って一帯を瞬間冷凍』
イメージ的に自分の足下から波紋のように凍結していくようにした。
一瞬で、とは行かなかったが人の駆け足くらいの速度で凍らせることが出来た。
『土でゴーレム』
最初はレンガ状の土を使った物を作ろうとしたが、コレがどうにも上手く行かなかった。
なので普通に土をそのまま使ったり、石を使ったりしてつくった。
試しに歩かせてみたが、歩く度にぽろぽろ体が崩れていったので、改良か素材を再検討することが必要だろう。
『風で空に浮く』
これは一番やりたかった魔法だ。
最初は下から風で体を持ち上げようとしたが、台風で揉まれているだけのような結果になった。
立ったままだったのが悪かったのかと、スカイダイビングみたいに腹ばいになって再挑戦したら浮いた。
だが浮くだけで移動はカタツムリみたいな低速か、カタパルト射出みたいな高速しか出来ないし、常にバランスを取る必要があった。
これも要練習だな。
『雷で金属を操る』
試しに刀を宙に浮かせてみた。
するとちゃんと浮き、思い通りにスイスイ飛ばせることが出来た。
その時に刀に砂鉄が集まるのを見て、砂鉄も操ってみたらこれまた成功。
ただ、例えば砂鉄を刀型に集め固めても、元は砂鉄なので強度に問題があった。
砂鉄の剣は俺が殴っただけで霧散してしまったくらいだ。
『闇で真っ黒人間召喚』
コレは影を立体的にしたというだけだ。
元々あった影はその場に残るので、影のコピーとも言えるかもしれない。
ホログラムとか幻のような物で、質量を持たないため触れない。
あ、あと以前使った『影縫い』の弱点も分かった。
あれはどうやら『止っているか、低速で動いている物』にしか使えない。
しかも、魔法を完全にかけ終わる前に急に動かれたらキャンセルされる。
試しに木の枝に留まっていた鳥に使って見たが、急に飛ばれてダメだった。
飛んでる時もこれまたダメだった。
『光で刀を聖剣化』
某王様が使うように魔力を刀に込めてみたのだが、一番相性が良いのが光だった。
むろん他の属性でも『炎が渦巻く剣』みたいに作れたが、光だと神々しく刀身が輝き、某この世に切れない物はない斬○剣並みの切れ味だと思う。
『無で時空に穴を開け瞬間移動』
これも空を飛ぶ魔法に次いでやりたかったものだ。
行きたい場所を思い浮かべて空間をジッと見つめると、身長よりやや低いくらいの高さがある穴が開く。
そこを通るとそこは思い浮かべた場所だ。
ただ、この穴は相手側にも見えるらしい。
一度街中を指定したら、穴の向こうから子供が首を傾げこちらを見ていた。
最終的には、全部出来ちゃいました。
二日目以降は魔法の練習以外にも、一人で受けられる依頼を片付けたりした。
そのおかげもあってか、俺はギルドランクが☆1から☆2へとランクアップすることが出来た。
魔力を通すとカードには☆が二つ浮かび上がる。
―――ちなみにカードにはこんな事が書かれている。
◇◇◇◇◇
氏名:ホンゴーユーキ
種族:人間
年齢:20
ランク:☆☆
所属:セフィニアギルド
発行:グインタビュー支店
賞罰:
◇◇◇◇◇
この様なことがカードに魔力を通すと、文字が浮かび上がって読み取れる。
所属がセフィニアになっているので、他国でこのカードを出して身分証明にはなる。
だが、このカードをそのまま使って他国のギルドを利用することは出来ない。
これは全ての国に当てはまることだが、ギルドの運営を国がしているからだ。
所属に記載されている国でしかこのカードは有効ではないので、他国では新しくカードを作る必要がある。
賞罰には俺はまだなにも書かれていないが、国から表彰されたり、『ドラゴン(この世界にはやはりいた)』を倒したりすると『ドラゴンハンター』なる称号がもらえ記載されるようになっている。
~閑話休題~
依頼を一人で受けること一週間。
いい加減フェルの小言も聞き飽きてきた頃。
ついに事態は動き出した。
最後までお読み下さってありがとうございます。
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※誤字修正9/9




