解説と災厄
注意。今回はとてつもなく厨二病全開の説明(世界観)が含まれます。誤字脱字を含め不快感を感じる方々に深くお詫び申し上げます。。
空だ。
どこまでも続く雲ひとつない蒼い空、地面には草花が生い茂り人工物はまったく見当たらない自然の原風景。
『ここは…何処だ?』
辺りを散策しても人はおろか動物や昆虫すら見当たらない。ただ植物があるだけの世界。
『ん?あれは…』
暫く歩いて、海辺が見えてきた時、岬に生える1本の木の下ですやすやと寝ている銀髪の少女が目に映った。
『(こいつ…どっかで。)』『ん…ふぁ。』
どうやら少女は起きてしまったようだ。目をこすりながら前にいる俺に気づいたのか顏を上げる。
『悪いな。起こしちまったか?』
『ううん。大丈夫だよ、洸也。』
この少女は俺を知っているのか声をかけた俺に砕けた口調と笑顔で返してくる。……何故か酷く懐かしく、そして申し訳なく感じてしまう。昔に会った誰かなのだろうか。
『ここは何処なんだ?俺たちしかいないのか?』
『ここは、洸也が[造った]んだよ。私の為に。』
『俺が?どうして。』
『私が…弱かったから。[力]が…なかったから。』
『おまえは、一体…』
『私は…』
「ん……夢…か。」
俺はベッドから身体を起こして背伸びをする。身体の調子は昨日よりも軽くて頭が醒めている。
「おはよう、コウ」
「マサキ…調子は大丈夫か?」
「うん、すっごくいいよ。今なら何でも出来そうな気がするし!」
「はいはい、そーですなー」
ふと窓の外を見るとあの女が言ってた通り夕日が光を部屋に射していた。時間感覚が崩れないのか?
「いやぁそれにしてもここは変わってるよね〜朝早く起きたと思ったら夕方だし、不思議とお腹は減らないしさ〜」
そう言えばここに来てから腹が空いてないな。まぁ身体に問題があるかもしれない。あの女も言ってたし。
「その事も含めて話を(コンコン)?」
「失礼します。」
扉を開けたのは銀髪の境華と呼ばれていた少女だった。彼女は一礼して挨拶をしてきた。
「おはようございます。昨日は良く眠れましたか?」「ええ、寝心地良かったですよ。」
「ありがとうございます。師匠がお二人を呼んでいます。準備が出来たら私に声をかけて下さい。扉の外でお待ちしていますので。」
そう言うと部屋にある大きめのタンス(らしきもの)を指さし「着替えはあちらに」と教えてくれた。
「では。」
「待ってくれ。」
「?なんですか。」
「お前、どっかで俺とあったことあるか?」
「……いいえ。昨日が初めてですよ。」
「そうか。いや、悪いな。変な質問をした。」
「いえ。それでは。」
キィ…カチャン
「ちょ!コウ、いきなり何言い出すんだよ。」
「マサキ、声がでかい。それに何もなしに俺があんなこと言うと思うか?」
「そりゃ思わないさ。今のを見てとうとうコウにも春がきた「マサキ、死にたいのか?」い、いや何でもないです。はい…」
「たくっ。早く着替えようぜ。」
正樹が妙なことを口走る前に釘を刺して(次はない)俺たちは着替えることにした。タンスに入っていた服は色が薄い茶色がかった白のシンプルなものだった。上も下も着替えるとゲームに出てくる村人の様になってしまうのだから笑える。正樹はかなり気に入ったらしくテンションがあがっていた。
「準備出来たな。」
「うん、そんじゃ行こうか。」
俺たちは扉の外にいた境華の案内についていき境華の師匠の部屋に向かった。
コンコン
「入りなさい。」
「失礼します。」
境華が扉を開けると少し広めの部屋に様々な調度品が置かれた光景が広がった。天井には天窓が部屋に暖かな光を与えている。
「おはよう坊やたち。身体の具合は如何?」
「すこぶる調子がいいな。これもあんたの仕業なのか?」
「そうかもね。どうでもいいから忘れちゃったわ。」『コウ…喧嘩売るのは止めとこうよ。この人、多分挑発が通用しないと思うよ?』
「……はぁ、説明をしてくれるんだよな?頼む。」
「ええ、分かってるわ。」
そう言うと境華の師匠は境華に紅茶を淹れるように指示し、俺たちを椅子に座らせて話を始めた。因みにテーブルは四角い物で4人分の椅子が置かれている。中央には球状の水晶(に似た何か)が置かれている。
「さて、先ずは貴方たちの身体に起こっている事象を説明するわ。率直に伝えると、今の貴方たちの身体はここに来る前とは桁外れに強化されているの。貴方たちがここに来る際に通ってきた陣。あれは第二世界の人間が発動した術式よ。あれには肉体の強化、及び唯一無二の特異能力を授ける効果があるの。」
「第二世界ってなんですか?」
「世界は大きく分けて6つ在るのよ。因みに貴方たちが住んでいた世界は第三世界。後で話すけど第三世界で失踪した子供たちは皆第二世界に召喚されたわ。」「神隠しは異世界の仕業だった…ということか。」
「話を戻すわ。昨日は身体が覚醒したばかりで力を使いこなせずにばてたでしょうけどもうちゃんと使いこなせる筈よ。そしてワン・オフの能力は自らの思念で形造り、自分と相性の良い属性を組合せる[能力創造]。固定観念に依存するけれど必ず1人1つの力をもつということね。」
「そこまでして避けないといけない災厄なのか?ガキに力をつけすぎだろ。」
「当然、最初は世界を統治する神々もそんなことはしなかったわ。第一世界が滅ぶまでは…」
「滅んだって…どうしてですか?」
「[災厄]は1つの世界に留まらない。次々に隣接する世界を移り、最後に第六世界[天界]を破壊して、[神界]に侵攻するでしょう。第一世界は[世界]の最も外側に位置し、障壁として異なる[世界]から[神界]を護るファイアウォール。そのため、[異界]から来る者達から真っ先に攻撃を受けてしまう…本来ならある程度の攻撃には耐えられるように出来ているのだけれど、ある1つの[異界]に限ってそうはいかなかった。」
「ちょっと待て。そんなに頻繁に侵攻してくるものなのか?わざわざ自分が住む[世界]から来てまで何をそんなに求めてるんだ。」
「自分の[世界]にはない[知識]。そして、それに準ずるあらゆる[情報]。侵攻するものは決まって霊格の高い存在で極少数。けれど、あの[異界]は違った。[異界]そのものがそれを良しとした。今、この[世界]の第一世界は彼らに支配されている状態なのよ。」
俺はこの女に対する警戒レベルを上げようか聞きながら考えていた。はっきり言って狂人の域だ。全く話について行けないし何より証拠がない。そんなことを考えていると境華が紅茶を持ってきた。やれやれ、一息つけるな。正樹なんか途中から可哀想な目で見ていたし…。
「紅茶の用意が出来ました。」
「それじゃあ、休憩にしましょう。(トンットンッ)」
あの女がテーブルを手で叩くといきなりクッキーが皿に盛り付けられた状態で現れた。俺と正樹は唖然としてその様子を見ている。ふと、何かを思い出したかの様にあの女が口を開く。
「そう言えば、まだ自己紹介がまだだったわね。私の名前は神代。知ってるでしょうけどこの子は境華よ。」
いきなりの自己紹介に驚きつつ、俺たちはこの女には常識がないことを悟った。
名前書くの忘れてました。(神代はどうでもいいことは気にしないキャラですが…)(´・ω・)
あとテストが近いこともあり、更新が遅れます。ご容赦ください。
閲覧、ありがとうございました!