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館と偽りの夜

閲覧、ありがとうございますm(__)m


主人公はSっ気があります。(知ってるか…)


あの潰しがいのあるスライムを全滅させた後、俺たちはその後数回の戦闘をしつつ進んでいた。ゴブリン、浮きクラゲ、動く食中植物等々…余りに生き物らしいやつらもいたため躊躇うことはあったが先に進むために倒していった(マサキは何度かリバースしていたがな)。そんなこんなで2時間近く歩いただろうか?ついに森を抜けた。辺りは既に暗闇が支配している。


「おぇ、も…もう終わりかな?というかもう限界…」「もう少し堪えろ。あの屋敷に泊めてもらおう。灯りがついてるから中に誰かいるだろうさ。」


俺たちの目の前には割と大きめの屋敷が佇んでいる。二階建てで奥行きがかなりありそうだ。


「は…早く休みたいよ。ここまでかなり走ったりしたのに、20キロ以上あった気がするんだけど…」

「まぁ、それも含めてここの家主にいろいろ話を聞いてみるか…ん?」

「どうしたんだ?」

「あいつは!?」


屋敷の前には気を失うまえに俺を殴りつけた少女が待ち構えていた。俺はいきなり前方に加速して標的目掛けて渾身の右ストレートを仕掛ける。が、相手はそれを苦もなくいなす。かわされて体勢を崩すもすぐに復帰しつつ敵めがけてこん棒を投げ飛ばす。それと同時に再度ストレートを仕掛ける。的はこん棒をかわすも間髪入れず襲いくる右ストレートを片手で止める。


(コイツ…ぶちこまれたときもそうだがなんつー力してんだよ。本当に女か?)

暫く拮抗していた俺と女は互いに後方に飛んで身構えた。が女はすぐに頭を下げてこう告げた。


「お待ちしてました。東雲 洸様、井上 正樹様。先程の無礼をお許し下さい。あなた方をここに招いた説明をするため師匠がお待ちです。どうか屋敷へおはいり下さい。」

「……それで、ちゃんと教えてくれるんだろうな?」「はい、約束します。」

「コウ〜早く中に入ろうよ。これ以上はもう…」

「ちっ、わかった。案内してくれ。」

「ありがとうございます。それではご案内します。どうぞ。」


案内された屋敷の中は間取りの広いホールの天井にきらびやかなシャンデリアという中々洒落た内装だった。銀髪の少女はそのまま二階に上がり中央の大きな扉の前で止まりノックした。

「師匠、お二人が到着しました。」

「分かったわ、入りなさい。」

「失礼します。」


扉が開いた先には中央に円卓のテーブルが置かれた広い部屋だった。入口から見て反対側の椅子に見たことのある黒髪黒目のゴスロリ衣装を纏った女性が座っている。


「遅かったわね、坊やたち。まぁ賢いようだけど。」

「あの看板、あんたが立てたのか?」

「そう、それにずっと観察させてもらったわ。後ろの坊や、早く座りなさい。」「え、あ…はい。失礼します。」

「さ、貴方たちも。」正樹はへとへとになりながらも椅子に座り安堵のため息をつく。俺と少女もそれに続いて席に着く。


「さて、今日はもう夜中だし、簡単な質問と説明だけにしましょうか。坊や、聞きたいことがあるでしょう?」

「ああ。まずここは何処なんだ?間違いなく俺たちがいた場所ではないようだが…」

「ここは私の作り出した不完全な世界の1つ[黄昏の世界]よ。今回は貴方たちに合わせてみてくれだけ暗くしたけど、いつもは夕方の空がいつまでも続く紅葉の美しい世界よ。」

「成程な…まぁ詳しくはあとにするとして、あの看板は何の意味があったんだ?」

「あれは坊やたちの力量と知恵の程度を調べただけよ。因みに右の方には貴方たちが倒したモンスターとは比較にならないクラスを用意していたわ。」

「へぇ…わざと選んでいたら死んでたかもな。」

「ふざけて判断を見誤るならそれまでよ。貴方たちは合格。それだけよ。」


正樹がびくっと震える。まぁ要約すると[死んだらそれまで]だからな。


「そんじゃ最後に1つ。あんた、何者だ?夢にあんたと同じ容姿と服装の女にあった。」

「そう、私は貴方の夢の中に出てきたわ。貴方に告げた詩は当たったでしょ?」「コウ、なんの話?」

「俺はこいつを見たことがあるのさ。そんで、あんたは誰だ?」

「私は世界の観測者。あらゆる世界を見定め、調和と混沌の流転を見てきた生き字引。そして、貴方たちをここに呼んだ張本人。」

「……そうか。あんたはそういう存在ということは分かった。」

「それじゃ、今度は私が説明するわ。貴方たちをここに呼んだ理由。それは1つの世界を救ってほしいからよ。」

「どういうことですか?」「私が今視ている世界の1つに貴方たちと同じ人間が住む世界があるの。今、そこでは大きな災厄が起きようとしている。」

「そこに住む人間に任せればいいだろ。一介の高校生に任せることじゃない。」「その災厄にそこの住人では刃が立たないのよ。苦肉の策として貴方たちがいた世界から強い[力]をもつ者たちを見境なしに連れてきている始末だし。」


ボーン・・


「あら、時間のようね。」「もう話は終わりか?」

「ええ、そろそろ坊やの身体も限界のようだしね。」


確かにここに来てから調子が良かった俺と正樹も限界が来ているようだ。正樹はもう寝ているし俺もかなり睡魔が襲ってきている。


「身体のことも含めて明日は詳しく話すわ。境華、そっちの坊やを担いで寝室に二人を連れて行きなさい。」

「わかりました。」


境華と呼ばれた少女は自分より大きい正樹を軽々と肩に担ぎ上げていった。「ご案内します。」と言われたので俺もついていく。やれやれ、やっと寝れそうだ。そう言えば腹が減ってないな。それも明日聞くか。

俺は境華に案内されて寝室に入った。どうやら二人用らしくベッドメイキングも済ませてある。ありがたい。境華は正樹をベッドに乗せて俺に話かけてきた。

「今日はここでお休みください。明日は師匠の部屋で説明をいたします。」

「ああ、分かった。」

「………」

「どうした?」

「いえ、なんでもありません。」


境華は俺に少し目を合わせ何か言いたげな様子だったが直ぐに調子を戻して一歩下がり礼をする。


「それでは、ごゆっくりどうぞ。」


キィ…ガチャン


「ふぅ、なんだったんだ。…とにかく寝るか。」


俺はベッドに横になると直ぐに睡魔が襲いかかり、眠りに落ちた。





キィ…カチャン

「……洸。」


境華は自分の部屋に戻ると呟くように口にした者との再開に歓びを隠しきれなかったことに痛感していた。


(洸はまだ記憶が戻ってないのにあんな目で見てしまった。変な風に思われたかもしれない…)

「あら、そんなことはないんじゃないかしら。」


扉から出てきたのは境華の師匠だった。そこにいるはずなのに何故か存在感が感じられないかのように気配が希薄だ。


「師匠、[隠れない]で下さい。一言いえば追い出したりしませんから。あと、[眼]も閉じて下さい。」

「ふふっ、お邪魔するわ。」


境華の師匠はそう言うと元の濃さに[気配]を戻し、[眼]を閉じた。


「洸也との再開は嬉しかった?」

「はい、とても。」

「まだあったばかり、大丈夫よ。あの坊やの魂は貴女を覚えているわ。急がなくとも時期に思い出すわ。」

「……はい。」


こうして、観測者が造りだし偽りの夜が静かにふけていくのだった。

今回は夜の描写がありましたがあくまでみてくれだけのものです。主人公と友人の正樹の身体を休めるためのものでした。(まぁ、これから先あの世界ではもう寝ることはありませんがw)次は引き続き説明会となります。拙い作品を読んで下さる方々に感謝しつつ心の鋭気して鞭打って頑張りますm(__)m

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