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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

百合チュートリアル無題

百合設定でセリフの掛け合いのみです。

緒方翔子「あれ?あんた、矢場ちゃん?」

矢場奈緒「……どちら様でしょうか?」

翔子「覚えてないかぁ。『S西高校の緒方ギャル子』って言えばわかる?」

奈緒「え。…ギャル子!?どうしたのその髪!黒い!つけネイルしてない!ケバケバの化粧は!?」

翔子「チ・チ・チ。眼鏡の度数合ってる?風紀委員長。ピアスもやめたよ」

奈緒「わ、本当。え、社員食堂にいるってことは、同じ社員?よく入社できたね」

翔子「能ある爪は鷹をかくす、て言うでしょ。アレよ。ふふん」

奈緒「『爪』と『鷹』が逆だけど今はどうでもいいわ。向かい空いてるから座って」

翔子「ありがと。しかし矢場ちゃんと大人になってから会えるなんて思わなかったなぁ」

奈緒「ギャル子だってギャルやめるとは思わなかった。あ、Aランチおいしい」

翔子「今はギャル子じゃないもん。『翔子』でいいよ。その唐揚げおいしそう。1個しょうだい」

奈緒「カツカレー定食食べている人に肉はあげない。このブロッコリーならあげる。私も『奈緒』でいい

   よ」

翔子「ちぇ。でも久しぶり。元気そうでよかった。ずっと会いたいなぁ、て思ってたの」

奈緒「え?私と?なんで?なにか大事な約束とかしてた?」

翔子「犬猿の仲だったのに大事な約束するわけないじゃん。でも私、奈緒のこと、本当は結構気に入って 

   た」

奈緒「うそだぁ。でも私も翔子のこと、憧れてたんだよね。実は」

翔子「憧れ?ギャルに憧れることあった?厳しく罰せられた記憶しかない」

奈緒「髪、染めてみたかった。あ、翔子みたいにピンクじゃなくて、茶髪とかね。爪もきらきらしたかっ

   た」

  「……翔子みたいに自分をさらけ出したかった」

翔子「風紀委員なんてやめてギャル化すればよかったのに。でもま、私もあれは自分をさらけ出すという

   より、逆だね。化けることで内面隠してた。奈緒みたいに化けないで顔出すのが怖かった。

   あの頃はね。奈緒になりたかったよ。

   ――――風紀委員長なのに理科実験室でほかの女子とキスしてたみたいに」

奈緒「ぶっっ!!!」

翔子「わ、きたなっ」

奈緒「(咳込みつつ)ごめん。でも見てたの?あれは、向こうから勝手にされて…(言い籠る)」

翔子「私だけの奈緒だったのに、て思った。私のことだけ見ていればよかったのに、て」

奈緒「……え、どういうこと?」

翔子「奈緒が好きだった。恋愛感情として。キスしてるとこ見て、奈緒は私のものだ、て言いたくなっ

   た」

  「でも言えなくて――――そのまま」

奈緒「……翔子のこと、私も好きだったよ。私、実は女の子しか好きになったことなかった。翔子はその

   中でも飛びぬけて好きだった。でも嫌われてる、て思ってたし。玉砕覚悟で言えるわけないし。

   ――――私もそのまま」

翔子「……つまり、両思いだったの?私たち」

奈緒「そうかも。…ていうか、今でも私は翔子のこと――――」

翔子「過去形で話せば普通に話せるかと思ったけど、そうでもなかったな」

  「(ひそひそ声で)私も奈緒のこと、今でも好き」


昼休憩終了10分前のチャイム


奈緒「(声、うわずらいながら)ま、また明日、ここで会おう」

翔子「(声、うわずらいながら)う、うん。また明日ね」


席を立つ二人。歩き出す靴の音。


二人、心の声「あー、危なかった。心臓の音、聞こえてないよね……?」

よくあるシチュエーションだとわかりつつ、書いてみたかったです。

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