表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/16

最終確認PART1

「ハッハ。開けて大丈夫か?」


 何か知っているのだろうか。寝ているから騒いでも大丈夫だけど。


「今寝てる人がいるのでそこまで大きな声を出さないでください。特にメガロさん」


「……おう」


 そのままゆっくり扉を開けて十武秀を部屋に入れた。


「なんだあのバリアは?」


「あれで音を遮っているんです。つまり騒いでもあの中に声は聞こえません」


「ハッハ! つまり騒いでも問題ないと?」


「あえてうるさい音を出して試すことがなかったので大きな声を出さないでください」


 メガロさんが黙った。大きな声を出さないためらしい。


「ちなみに普通の声の大きさならバリアの中に聞こえませんので普通に話して良いですよ」


 その声を聞いて、メガロさん以外は安心した。


「なんであの娘がいるのかしら~?」


「攻める星の言葉を理解するためらしい!」


 アリカが答えるとみんな分かったかのように頷いた。


「あの声は大丈夫なのか?」


「あの声までなら大丈夫と試しました。ちなみにアリカの妹が対象です」


 そこまで言うとメガロさんがなんとも言えない顔でアリカを見た。


「それじゃあ始めましょうか。攻める星の攻め方についてを」


 この話しをすると言った途端、みんな姿勢を正した。


「それじゃあまずは一番危険な魔王と勇者がいる戦乱の星の攻め方について説明してもらおうかしら~」


「ハッハ。その前にどこにどうやってその星に行くんだ? それが分からないと最終的に決まらないのだが?」


 この言葉にみんなの視線が研究員に向いた。


「ひひっ。その星の中で一番周囲に生物がいない場所に送られます、ひひっ。つまり攻めるには遠い場所

からスタートするということです。ひひっ。一応星の情報をまとめたものとしばらく安心して過ごせる物資をお渡ししますのでそれで頑張ってください。ひひっ」


 どうやら一番敵が少ないところに飛ばされてそこから行動するらしい。食料とか足りるのかな?


「ハッハ、そうか。そこまで変わらんな。攻め方はまず勇者達が守っている王を殺す。勇者達が離れてい

る間に、だ。そして勇者達が確認に戻っている間に魔王を殺す。勇者達が確認に戻らなくても生き残った方を殺すだけだ。そしてそのことを全員に伝える。よほどのバカでなければ分かるだろう。反抗されようが潰す。それだけだ。何か言いたいことある奴いるか?」


「全員反抗したらどうするの~?」


「弱い奴から捕まえる。あと反抗されないように動くからな? 反抗されるように動くわけじゃないからな?」


 戦いたいがために反抗させるわけじゃないんだ。


「あら~? 何で王から殺すのか、ですって~」


 何も聞こえなかったな。ということはイトフォが女子だけに話したのか。


「王を殺すのは決まっている。だが、王を殺すのにはいくつか理由がある。まず最初に王が生きている意

味がないからだ。上に立っている立場なのに、行動するのは勇者達で自分は安全なところで過ごす。自分だけ安全なところにいるとかダメだろうが! おそらく勇者達が死んでも個人が勝手にやったことだとか言って逃げるんだろ。そんな奴は必要ない。しかも強いのが勇者達なんだから一番戦闘能力がないやつから狙うのが簡単だ。しかも後で聞いたがどうやら自分が生き残ればそれで良いらしい。だから最初に潰す。理由ならこれで十分だろう?」


 確かに王は生きている意味はないな。みんなもうなづいている。


「他にはないかしら~?」


 マチ姉さんが周りを見渡すけど誰もいない。


「それじゃあ次行きましょうか~。次は物体が動いている理外の星にしましょう。イトフォお願いね~」


「……」


「……(メガロさん)」


「……(僕)」


「……なるほど、理解したわ~」


「待て待て待て待て! 何も聞こえなかったんだが⁉」


「……」


「えーっと、何も聞こえてないです」


 さすがになにも聞こえなかった。それで理解しろは無理がある。


「イトフォちゃ~ん? もう一度説明してくれるかしら~? みんなに聞こえるようにね~」


 マチ姉さんがイトフォを壁まで追い詰めて話してる。イトフォがすごい震えている。何でもうなずくくらいには。


「それじゃあお願いね~」


 マチ姉さんが何事もなかったかのように話し始める。みんなマチ姉さんと目を合わせないけど。


「……(物体が動いている理外の星の動き方は簡単。自分はここにいないと認識させる。それを繰り返して上位存在がいるところに行く。塞がっていたら事実を変えて侵入する。その繰り返し。上位存在のところに着いたら、認識を変える。我らを裏切らずに主の命令に従うこと。戦闘はしない。戦闘になっても自分はここには居ないと認識させる。だから争いにならない。一番被害が出ないやり方。そして一番星主様に捧げることができるやり方)」


 自分はここにいないという事実を与えて逃げて上位存在には自分たちが主だと認識させて命令する。星全体を星主に捧げるのか。すごい考え方だな。


「何か質問はあるかしら~?」


「チュ。遠距離から認識されたらどうするの?」


「……(そもそも自分は見つからないと認識を捻じ曲げる。それで見つかったら逃げて別方向から侵入す

る。何度も繰り返して上位存在まで行く。成功するまで繰り返すだけだ)」


「思ったより無理やり行くんだな」


 思わずしゃべってしまった。するとイトフォがこっちを見て、


「……(他に良い案があるなら教えてみろ!)」


 と叫ばれた。頭の中で何度も聞かされて頭が痛い。

 しばらくうろたえているとやっと収まった。


「それじゃあ次にいってもいいかしら~?」


 特に話すこともないのでうなずく。イトフォもうなづいていた


「それじゃあ私の土の中に住んでいる寒暖差が激しい星の攻め方について説明するわ~。土の中に住んでいるのだからそこまで激しいことができないのだけれど」


 マチ姉さんが怒ると怖いからな。前にメガロさんが泣きながら怒られているのを見たし。


「洞窟の中に毒を生み出す草を生やすことはしないわ~。だって彼らの大切であり、星主様に渡すべきものが分からないんだもの。だからお姉さんがするのは特殊配合の植物のプレゼントよ~。この植物は~、寒暖差の中でも立派に生えることができるの~。それで彼らの食べ物を作ってあげようと思って~。大事な大事な食料をお姉さんが作った植物で誰もお腹が空いて死んでしまうこともなくなるでしょう? だからお姉さんの元に来れば食料を渡して上げるって言うの~」


 食べ物で自分の元に付くかどうか決めろって言うのか。ひどいな。


「付かないっていう選択肢はないのかい?」


 クレイさんは一番ありえそうなことを言ってる。


「それはないわ~。だって、お姉さんがプレゼントする植物とは違う植物を枯らすように作った植物にするつもりだから~。お姉さんの植物を誰か一人でも育てると全ての植物を枯らしちゃうから必然的にお姉さんに頼らないといけなくしちゃうから~。しかも植物って強いのよ~。洞窟の崩壊を防ぐくらいに強い根を張るのよ~。だからみんな分かってくれるわ~。お姉さんが敵じゃないってことを」


 食べ物がなくなって頼らないといけない状態を作るのか。ひどい考え方だ。みんな少し離れているし。

そういえばここの食堂にある植物のほとんどがマチ姉さんが作ったって言ってたな……。


「他になにか質問あるかしら~」


 マチ姉さんが見回しながら聞いてくる。誰も聞くことがないらしい。


「それじゃあ次は紅ちゃんの星ね~。ちゃんと考えてきたかしら~?」


「安心してくれ! 昨日はグニーモンが早くに寝ちゃったから考える時間はいっぱいあったぞ!」


 そういえば居たけど話しをすることもなく寝ちゃってたっけ。


「それじゃあ聞いてくれ! 私が一人で決めた私だけの私しか出来ない最高の攻め方を!」


 不安しかないのは気のせいだろうか……。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ