攻める星の話しを聞きます。Part3
「久しぶりに長く寝た気がする。やっぱり長く寝るのは気分が良い」
寝るのは良いことだ。辛いことを忘れさせてくれる。
「とっとと準備して星主のところに行ってバリアを置いて十武秀の部屋に行きますか」
アリカの部屋から着替えを持ってきてベットに置いた後、クローゼットを開けて着替えを取り出した。
「今日は残りの星の話を聞いて攻め方の確認をして、これで終わりかな?」
着替え終わった。後は星主の所に出向いてバリアを置いて飯を食べる。
「そろそろ起きろ! 一人で何もないところに話しているみたいじゃないか!」
そう、いつの間にかベットで寝ていたアリカをたたき起こした。
足を掴んで逆さづりにして、体の向きを反転させてベットに置いた。
「んぁ? もう朝か?」
「もう朝だ。起きろ。そしてなんで僕のベットの中にいる?」
朝起きたらいつものようにアリカがベットの中に入ってきていて、いつもとは違って服を着ていなかった。
「小さいときから一緒に寝ようって約束していたじゃないか! なんで最近はイヤだと言うんだ!」
「恥ずかしいからに決まっているだろ! こんなこと誰かに知られたら恥ずかしいわ!」
「恥ずかしがることなんてどこにもない!」
「恥ずかしがれ! そして服を着ろ! 持ってきてやったから!」
「おお、ありがとな。ギルハ!」
アリカはなんでこんなふうに育ってしまったのか。アリカの親はちゃんとしていたはずなのに。
「それより、ギルハ。星主様のと所にいかなかくて良いのか?」
「今から行く」
アリカに言われたことにちょっと気に食わないがまあいい。早く星主のところに行ってバリアを置いてこよう。
星主に何も言われることがなく、バリアを置いて食堂に来た。
今日も代わり映えしない料理。毎日同じだと飽きてしまう。
「ギルハ! こっちだ!」
どうやらアリカが場所取りをして待っていたらしい。ご丁寧に僕の料理も準備している。
「それじゃあ食べよう!」
「そうだね」
二人で黙々と食べ始める。話しはしない。前に話していて食事が進まないから食事中は話すなと怒られたことがあるから。
「ふう、食べ終わったな」
「食べたな」
そこまでお腹にたまらないけど、どうせそれだけだ。
「それじゃあ十武秀の部屋に行くか。どれくらい集まっているか知らないけど」
「そうだね」
グラムさんなんかは遅れてくる、というより誰かが連れてこないと来ない。だからメガロさんが引っ張ってくる。
アアルメさんはために遅れてくる。ちなみにその場合はマチ姉さんがニッコリ笑顔で迎えに行く。
遅れるの人はこれくらいかな。
「なあ、今日はなにもないような?」
「何当たり前のことを言っているんだ? 明日も話しするから十武秀の部屋に来たんだろ?」
「そうなんだけど……」
部屋に誰も居なかった。いつもは早く来ているカレラさんもクレイさんもいなかった。
「何かあったのかな?」
しょうがないので部屋で待つことにする。
一時間経った。
「誰も来ねえ!」
「ハハハ! 来ないね!」
ここまで来ないのは今まであったことがない。
「呼びに行った方が良いか?」
「ちょうど来たみたいだぞ」
アリカの声を聞いて部屋の扉に目を向けると全員が集まっていた。
「ハッハ! 星について考えていたら遅れた!」
「ごめんなさいね~」
どうやらただの寝坊らしい。何もなくて良かった。
「チュ。ついでに研究員も回収してきたわ。さっさと話しを聞きましょう」
ついでに研究員も連れてきてくれたらしい。
「ひひっ。まるで物を運ぶような扱いに驚きました。ひひっ。それでは、次の七番目、自然が少ない砂漠の星の話しをしていいですか?」
「大丈夫よ~」
「チュ。早く話してね」
みんな大丈夫らしい。グラムさんは寝てるけど。
「ひひっ。それではお話ししましょう。ひひっ。と言っても話すことは少ないですけどね。ひひっ。自然が少ないので住める場所も限られていますので。ひひっ。簡単に攻めることが出来ますよ。ひひっ。なにしろ砂のせいで防衛も上手く機能していないみたいなので。ひひっ。しかも肝心な死体が土葬か風葬なので。ひひっ。簡単に戦力を集めることができますよ。ひひっ。しかもそのまま放置が多いみたいですし。ひひっ。戦い方は主に槍ですね。ひひっ。自然が少ないように話すこともなくなってしまいました。ひひっ」
「チュ。それなら私のお気に入りも見つかるかしら?」
「ひひっ。どうでしょう。ひひっ。劣化が激しいので。ひひっ」
「チュ。そう。分かったわ」
本当に少ないな。今までの説明がなんだったんだというように少ない。
「ハッハ! 見つからずに倒すことが出来そうだな!」
「主はいないの~?」
「ひひっ。街同士の交流がないのでないですね。ひひっ」
じゃあ街一つ一つ回らないとダメなのか。
「ひひっ。すぐに終わったので次に行きましょう。ひひっ。話しても大丈夫ですかな?」
「大丈夫よー。あなたのその知らない星への欲、教えてちょうだいな」
「ひひっ。それでは話しましょう。ひひっ。全てがそろっている楽園の星についてを。ひひっ。敵対勢力がいません。ひひっ。なぜなら全てがそろっているからですね。ひひっ。その者が望めばそれが生み出され、何もせずに過ごす。ひひっ。ここまで行動的でない生物は初めてでしたよ。ひひっ。ちなみに争いも起こりません。ひひっ。お腹が空けば果物が生み出され、眠たければ眠る。ひひっ。寝て起きて食べて寝るの繰り返しですね。ひひっ。ちなみにいくらでも生み出せるみたいですね。ひひっ。動かないので第八位に行かせることになったのです。ひひっ。第八位が食欲を増やして枯渇するまで追い込む。ひひっ。それしかないと判断されました。ひひっ。この星も主たるものがいません。ひひっ。ですので一人一人頑張ってくださいね。ひひっ」
一人一人攻める必要があるのは時間の無駄じゃない? そこまでする必要があるのか?
「その星を支配する意味はあるんですか?」
「ひひっ。第十位にしては面白い質問ですね。ひひっ。ただの果物目当てですよ。ひひっ。いくらでも生み出せるのなら星の食料にしてもらうだけです。ひひっ」
思ったより普通の答えだった。というより食料足りてないのか。
「とても時間が掛かる星だということは理解したわ~。次の星の説明をお願いできる~?」
「ひひっ。大丈夫ですよ。ひひっ。第九位も大丈夫ですかな?」
「あたしは美しいかい? 大丈夫だよ。話しても」
「ひひっ。外見上は美しいですよ。ひひっ。それでは話しますか。ひひっ。数多の植物が生えている自然の星を。ひひっ。はっきり言って植物が多いだけです。ひひっ。果物が大きかったり、人を食べる植物があったり。ひひっ。植物の特性にしては第三位の方が強いので価値はないです。ひひっ。そしてその植物に囲まれながら暮らしているだけです。ひひっ。ですので危険を感じるとすぐにその場所を捨てて新たな植物の場所へ移動します。ひひっ。ちなみに戦闘能力はないです。ひひっ。植物に頼って生きていますので。ひひっ。主みたいな存在は確認できましたのでその存在を狙ってください。ひひっ」
植物がないと生きられない生物か。誰かに頼っていないと生きられないなんてどうなんだ?
「あたしは美しいかい? それくらいなら簡単だろうかね」
「ひひっ。美しいですよ。ひひっ。ですので第九位になりました。ひひっ」
「次はついにギルハの星だな! 早く教えてくれ!」
「なんでアリカが聞きたがるんだ」
みんながゆったりした顔でこちらを見ているが気にしない。
「ひひっ。第十位の星は……」
「星は……」
「ひひっ。時間が掛かるので休憩後にしましょう。ひひっ」
この後一時間くらいみんなで寝た。