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_  作者: クロノクロック
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入学と学友


春、それは儚くも美しい桜が開花する季節そして新たな出会いの季節でもある。

新しい出会いや生活にときめかせた少年がここに一人。


(入学式、それにしても人が多いな、みんな同じ新入生なのかな?)

周りを見渡すときれいな制服を着た生徒たちがそこかしこにいてまるで別の国に来たかのような感情に浸る少年。

「なあどこのクラスになった?俺Cクラス!」

「俺はBクラスだわ...」

「まじ?違うクラスかよ!」


(春真只中の今日この頃、田舎の故郷から離れ単身、東雲しののめで一人暮らし、そして紅葉アカバ高校へ入学。)

(やっと田舎から離れられた...これからはこの都会で暮らしていくんだ!)


「とりあえず僕のクラスはどこだろうか?」

憧れの都会での生活に浮かれている少年、明 優希あかしゆうきは迷いながら歩いてゆく。


「初めまして僕の名前は明優希です。これからよろしくお願いします!」

パチパチ

クラスで自己紹介が始まった。明はとても緊張していてちゃんと喋れるか不安であった。周りの生徒たちは当たり前だが見知らぬ顔ばかり、雰囲気も田舎の学校とは

「はい、次自己紹介お願いします。」


(よし、無難だけど何とか噛まずに自己紹介できた。しかしやっぱり都会の学校はすごい、

色々な人がいて大変そうだそれに隣の席の子...)


順番が来て明の隣の白髪で青緑色の目をした少年は立ち上り自己紹介を始めた。

「初めまして来栖くるすルカといいます。趣味は読書です。この国に来て日は浅いのであまり文化やマナーがよくわかりませんが教えてくれると嬉しいです。よろしくお願いします。」


来栖の自己紹介に周りの生徒たちはみな興味津々で特に女子生徒たちから「帰国子女?」「イケメンすぎ」など小声で話す声が聞こえてきて、彼から目を離せない様子であった。

(ハーフなのかな?まるでモデルみたいな顔と体格に透き通った白い肌、別世界の住人みたいだ..)

考えているのは明以外にもいるようで特に女子生徒たちは皆一様に黄色い声援ならぬ、黄色い視線を送っているのであった。


自己紹介が終わり休み時間、やはり来栖は注目されているようで彼の席の周りには

集まらないものの、皆話しかけようと機をうかがっていた。


(やっぱり来栖君は人気みたいだな、みんなしゃべりたいだろうけど来栖君の雰囲気が話しかけにくいよね。)

(でも僕は彼の隣の席になっちゃったし、どうしようあまり関わらないほうがいいかな..?)


「やあ」

考えを巡らせているとふと明は声をかけられた、その方向に振り向くと。

「初めまして明優希君だっけ?さっきの自己紹介で知ってると思うけど僕は来栖ルカこれからよろしく。」


来栖が手を伸ばし自己紹介をすると、明は反射的に握手をしたのであった。

「よろしく!?僕のことはアカシでもユウキでもいいから読んでよ!」

突然のあいさつに焦りながら早口で明はそう返答した。


「うん、じゃあユウキって呼ぶね、僕のことはルカって呼んでよ。」

そういったルカの笑顔に明は顔を赤くなってしまった。

「分かったよ!ルカ君」

(うわっ!?真正面からみるとホントにイケメンだ。僕が女の子だったら惚れていたかもしれないな...)


ふと周りを見渡すと女子達の鋭い視線が突き刺さっていた。

(うゔ..視線が痛いな、どうすれば…)


女子達の視線に怯えてきょろきょろしていると後ろから声がした。

「なぁなぁ!二人とも自己紹介してんの?俺も混ぜてくれてよ!」

声をかけてきたのは金髪で容姿が良く、どこか軽そうな見た目の男子である。


「俺の名前は宇喜多 うきたかける。平和を愛し平和に愛されてやまない男なんだ、よろしく!」

宇喜多は笑顔でそう言いながら両手で二人の手を握っている。

「よろしく!」「よろしくね..」

(都会ってこんなにかっこいい人が多いの?ていうかこの人結構変わってるな...)


「てか、ルカかっこよすぎでしょ!みんなこっち見てるし、俺も気になるしさ、ルカは帰国子女?ってやつだよね?」

「ああそうだよ、この国に来たばかりなんだ。」

「そうなんだー!すげー!」

来栖が帰国子女であることに宇喜多は少し憧れの感情が湧いていたが隣の明にも興味があるようで話しかけてきた。

「君はたしか優希君だよね?君は一人みたいだけど、他のクラスに友達はいるの?

てか、どこ中?」


宇喜多の勢いに押されながらも明は少し恥ずかしそうに答えた。

「国越中っていう地方の中学校だよ。結構遠いんだ。」

「ちょっと待って国越中..」

宇喜多はスマホを片手に検索して調べ始めた。


「えっ⁉ここの中学?めっちゃ遠いじゃん!どうやって通ってるんだよ?」

「都内にアパート借りてそこに一人暮らししてるんだよ。まあこの街はほとんど来たことないから土地勘がなくて、朝学校に向かう途中迷っちゃったけどね(笑)。」

そう答えると宇喜多は「流石にそうだよな」と言いながら、


「それじゃあ俺が放課後、街案内するよ!」と笑った。


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