(更)技術革命編 6
私も詳しくは知らないけど、プログラム作成の約二割程度がプログラムを書くことらしい。
じゃあ残りはって?
……プログラムって書いた場合必ず文法が間違ってるよ!単語が違うよ!ってエラーが出るんですって!
しかも……どんなふうに間違ってるかは書いてくれない……まあどの行が間違ってるのかは示してくれるらしいけど。
しかも直しても、それが起因して別の問題が噴出するとか。
それを直してまた新しいエラーを直す……その地獄の作業がデバック作業というのだとか。
それがプログラム作成段階で分かる……本当にワンポイントでチートだな。
「アリス君、先ほどから聞きなれない単語があるのだが」
衣笠さんが静かに尋ねてくる。
……正直説明したくない、単語ぐらいなら分かるけど……あたしにわかなんよ、中途半端な説明をしたくないのよね。
「すみません、私も専門外なので説明できません」
「そうか」
逃げるときはこう言うに限る!
『なので、コンパイラの作成と基本的なOS、最低限必要な機能が作成が完了しましたので、この報告会を開催するに至りました』
「少しいいかな?」
「……あの」
「何かな?」
「識人も皆さまも貴重な時間を割いてこの報告会に参加してくれました。しかし、いちいち質問されては時間が無くなります。なので質問は最後に……でよろしいですか」
「……分かった、続けてくれ」
「ではまず、このコンピューターで何が出来るのかのお披露目になります。アリス様、スイッチを入れてください」
「……はい」
とりあえず、あたしは目の前にあるコンピューターを観察した。
何も知らずにいきなり動かせとか無理なもんで。
……まあ、見た目はあたしの知ってるパソコンだね、モニターにデスクトップの箱……まあでかいけど、スイッチが一つしかねえ。
……ていうか、何かが足りない……あ。
「あの……」
「なんでしょう」
「……ま、マウスがないんですけど」
マウスがないのにどう扱えと!?
「ああ、卓様曰く『パソコンが普及し始めた時は、マウスが無かったらしいからその時の気分を味わって』とのことです。まあ本当はマウスを作る時間が無かっただけですが」
「……Oh」
現代人やぞ!マウスが無かった時代なんぞ知るか!マウスなしであたしが扱えるわけないじゃろがい!
……でもやるしかない!……ていうかあたししかできる人間が居ない!
「……南無さん!」
……カチッ!……ウィーン!
機械がけたたましい起動音を鳴らしながら動き出す。
そして同時にモニターが光り、識人側から歓声が上がる。
「アリスちゃんうしろ!」
「……ん?ファ!?」
後ろを見ると、いつの間に準備してあったのか白いプロジェクターにあたしが見ているモニターと同じものが映っている。
「……なんで……これか!」
「作るだけなら他の人間に設計図渡すだけだったので楽だったと」
……ならマウス作っても良かったじゃん!
「……ん?」
起動したモニターには……『Sea550』という文字が映っていた。
「……シー?海?550?どゆこと?」
「ああセアの事だね、アルファベットにすると海か。550は皇歴だね」
「なるほど」
今、皇歴550年なんだ……知らなかった。
モニターには何故か小さい入力画面が映った。
……もしかして、Password?
初めて動かす機械のパスなんぞ分かるわけねえじゃん!
「アリスちゃん?」
「……パスワード知らないです」
「えええ!?」
「知るわけないでしょ!何で初めて触るパソコンのパスワード知ってると思ったんですか!?つーか何で初めて触るパソコンにロックがかかってんすか!」
「……ああ、そっか」
「アリス様、卓様よりパスワードについてのヒントです。『初めてのプログラミング』だそうです」
「……」
そうですか……で分かるわけねえだろ!
考えろ……初めてのプログラミング?初めてのプログラミングって何やったっけ?
……あー、確か……何か文字を表示させるプログラムだったっけ?
でもさあ、それて打ち込む人間によって左右されない?
あ、でも確か教科書には表示させる文字は指定させてたはず……あれか!
あたしはキーボードを使ってある文字を打ち込んだ。
『hello world』
え?なんでこの文字かって?ぐぐれ。
エンターキーを押すと……画面は黒い画面に白い枠が現れただけだった。
「……これだけ?」
……試しに何か打ってみるか。
『a』
すると画面上に『a』の白い文字が表示された。
「ああ、一応使えてはいるのか」
「アリスちゃん!」
「ひゃあああ!何すか!……ん?」
怖さいないようにタイピングするのに夢中で、周りの状況が見えてなかった。
両陣営は今まで見た事ないテンションになっていた。
識人たちは文字を打ち込めるパソコン誕生による歓喜。
先民側は紙ではなく、モニターそしてスクリーンに文字が映し出されていることに驚きを含めた歓喜だ。
「平仮名は!漢字変換は!」
「え?ああ」
普通のパソコンなら左上の半角全角変換よな?
左上のキーを押して、とりあえず……『日本』と打ち込んだ。
するとちゃんと『にっぽん』と表示されてから『日本』と変換された。
「「「おおお!」」」
またもや歓声だ。
「たった二週間でここまでやったか!凄いな卓君は!」
「だがここまではタイプライターでも出来るだろ。文字を消せなければ意味がない」
この西宮総理の質問に周りの識人たちはニヤニヤしていた。
まるで『パソコンを舐めるなよ?』と言いたいげだ。
……やるのあたしなんだが。
ていうか、タイプライターに漢字打つ機能あんの?
「説明すんのはめんどいので、やってみます」
そういうとBackSpaceを押した。
日本の文字が消える。
「な!こんな簡単に!?」
「アリスちゃんコピペできる?コピペ!」
「……マウスなしでどうやって範囲していやるんすか?」
「多分……シフト押しながら矢印だったはず!」
覚えてるじゃん。
もう一度『日本』と打ち込み、言われたとおりにやってみる。
すると、『日本』の文字が白く指定された。
……確か……コピーはコントロール押しながらCでペーストは同じくVだっけ?
とりあえずCtrlを押しながらCを押して、続けてVを押した。
すると、『日本』の文字が二個に増えた。
「「「おおお!」」」
……あれやってみるか。
連続でVを五回ほど押してみた。
結果、『日本』という文字は計7個になる。
「これは……凄い!革命が起きるぞ!」
「なるほど、これを見せるために我々も呼んだのですね」
議員を含め、一緒に来ていたコーセイ電機の社員も感嘆の声を上げていた。
「ここで識人の皆様には技術者含め卓様より情報提供の感謝としてプレゼントがあります。アリス様Ctrlを押しながらTを押してください」
「……はぁ」
言われた通りに押す。
すると、打ち込んだ文字が消えていき、代わりに文字と……見たことがあるゲーム画面が浮かんできた。
……『テトリス』だ。
「……テトリス」
「マジで!?おおお!懐かしい!」
識人の各々がこの世界に初めてできたテレビゲームの存在に感動したけど、すぐに戻された。
「ではアリスさん、戻してください」
「え!もう?」
「はい、存在だけどお知らせするだけです。まだやることがありますので」
他の識人のブーイングこそあったけど、あたしは大人しく画面を戻した。




