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(更)入学式編 1

 さて、皆さん。


 今まで出ている異世界転生もののテンプレだと最近はどういうのが多いのかな。


 悪役令嬢とか?それとも少し前の無双系?


 まあいずれにしても主人公はチートや前世の記憶を駆使して無双、もしくは敵を殲滅していったり。


 または魔法学校に通い、可愛い女の子を周りに置いてこれまたチートで無双し、時々現れる敵を倒し、またヒロインを増やして冒険をしていく……そんな物語が多いかな。


 じゃああたし……運よく……いや、運悪く?転生したあたしアリスの物語はどうなのか。



「……のお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!」


 あたしの……あたしの転生物語は……どこからどう見ても魔法学校の校舎とは言えない……日本古来のお城の前で絶望の悲鳴を上げながら跪く所から始まる。


「なにしてんだお前」


 師匠が呆れた声で話しかける。


「だって……だって魔法学校だよ!?もっとこう……ドイツの古城みたいの期待してたのに!」

「ドイツ?何言ってるのか分からんが、お前は今日に至るまで何を見てたんだ?今までの奴らはこの状況を見て十分興奮していたぞ?上を見てみろ十分ファンタジーとやらがあるだろ?」


 うるさい黙れ死ね。


 確かに、師匠の言うとおり、上空にはこれからステアに入学するはずの新入生が保護者と共に箒で舞い降りる様子が見て取れる。


 ……これだけ見れば確かにファンタジーではある。


 でもだよ!魔法を学ぶならホグワーツ城でしょうが!


「そういう問題じゃ……ちょっ!師匠!」


 あたしの事なんぞどうでも良いというように師匠はそそくさと入り口に向かって行く。


 ……自己中か!?


「……もう!」


 あたしも慌ててついて行った。


 ……フッ。


 その時だった。


「……っ!……え?」


 ステア魔法学校の入り口に入った瞬間、空気の膜のようなものに接触した。  


 恐らくは結界かもしれないけど、それに触れたあたしは咄嗟に目を瞑ってしまう。


「お前はこれでもがっかりするのか?」


「え?……ええええええ!?」  


 師匠の声で目を開けたあたしは驚愕した。  


 なんと……お城の姿が変わったのだ。  


 結界に入る前は日本のお城だったのに、今はとある有名建築物に似た建築物に変わっている。


 あの……千葉県の有名レジャー施設にある夢の国の城見たいな姿に変わっていた。  


 ホグワーツ城かもしれないし、別の城かもしれないけど……すごい!。


「そんなに嬉しいか?」

「そりゃあもう!でもなんでこんなことに?」

「さあ?理由としては敷地が足りなくても空間を魔法で作れば解決するのが一つ、校舎の形は当時作った識人の趣味、結界の中と外で姿が違うのはサプライズらしいが、俺は関わってないから知らん」  


 識人しきじん……あたしみたいにこの世界に転生してきた人をそういうらしい。  


 そうか、あたしに見たいに魔法学校=ホグワーツ城的な考えを持つ人が他にもいたということだな!素晴らしいことだ!  


 あたしはさっきまでとは違い、ウキウキ気分で校舎の入り口に向かい始めた。  


 ただここで一つ気になることが起きた。  


 次々に学校にやって来る新入生や保護者がほぼ全員、あたしと師匠を見てくるのだ。  


 あたし変な行動しました?  


 まあ……校門前で雄叫びこそ上げましたけど……それ以外だと何もしてないが?


「師匠……さっきからすげーみられてんだけど」

「ん?ああ、そりゃあ俺がこんなところに人を連れてくるなんてほぼないからな。珍しがってるんじゃないか?」

「……はぁ」  


 何?あんた普段から一人で行動してんの?ぼっちなの?それとも神報者ってそういうもんなの?  


 そのままあたしは校舎の入り口に向かって行く。  


 新入生は次々に校舎前の受付で何かを記入し、胸に新入生が良く着ける花の飾りを付けてもらっていた。  


 だけどどの受付も『花組』とか『風組』と書かれている。  


 恐らく組の名前なんだけど……あたし自分が入る組み知らないんだが?  


 どの受付に行ってよいのか迷っているとき、見知った顔が受付に座っているのを発見する。


「アリスちゃん!」

「友里さーん!」  


 友里さんだ。  


 あたしが師匠以外に会った識人の人で唯一あたしの秘密を知っている人だ。  


 年齢は……知らんけど、美女といえば誰?と聞かれれればあたしは間違いなく友里さんと答えるレベルで美女なのだ。  


 不二子ちゃんもびっくりなプロポーションですよ。


「ちゃんと起きれたねえ、偉い偉い」

「えへ、えへへへへ!」  


 あたしが友里さんの胸に顔をうずめると、頭を優しく撫でてくれる。  


 因みに起きれた……と言うのは、前日あたしが入学式の準備をしていたんだけど、集合時間を一時間ほど寝過ごした件だ。  


 しょうがないじゃない!疲れてたんだから!


「友里さん受付なんですね」

「うん、普段は裏方だけどね。識人が入学するときだけ識人専用の受付でいるんだよ」

「へえ、因みになんですけどあたしクラス一切知りませんけど……もう決まってるんですか?」

「ああ、ステアはね四組まであって入学時に決まった組は卒業するまで同じなんだけど。花組、鳥組、風組、そして月組があるの。今ここに来ている入学生の全員はもう組み分け終わってるはずだよ?合格通知と一緒に組が通知されるはず……アリスちゃんは花組かな」


 ……花鳥風月か……四文字熟語だ。  


 風林火山とかでも良かったのでは?まあ、いいけど。


「因みにだけど、今入ってきている入学生が月組に行くことは無いよ」

「え?なんで?」

「月組は別名名家組って呼ばれてるんだけど、名家の子しか入れないんだよね」

「どういうことですか?」

「うーん……私も詳しくは知らないんだけど。昔は月組すらなかったらしいんだけどね、有名な政治家や実業家の人が、部下にするなら、後を任せるならステア出身を選ぶって言って以降、名家は必ずステアに入るのが慣習になったらしいよ?むしろステア出身じゃない名家の子は名家じゃないとさえ言われるほどにね。もちろん一般生徒と同じように試験はあるけどね」

「Oh」  


 やはりステアに通うってステータスなんだなあ。  


 ……あれ?となると……あの二人は名家だよね?……なら同じ組にはならないのか。


 まあいいか……別に組が違っても遊ぶことは出来るでしょ。


「それじゃあ行こっか」

「はい」  


 こうしてあたしは入学式が行われる講堂に向かって行った。


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