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異世界転移したら俺は巫子の出自だった。  作者: K.ユフィン
第1章
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始まりは突然に

 

 学校の帰り道、突然、眩い光に思わず目を覆った時だった身体が浮かび上がる感覚を感じた。


 光が止み目を開けるとそこは・・・


「ようこそ、異世界から召喚されし勇者よ!!」

「は?」


 予想以上に高く幼い声に自分の声ながら驚く。


 んっ?なんか変だぞ。俺ってこんな声だったか?


 でも、不測の事態でも冷静に状況を確認する。いつも親父が言っていた。一度、深呼吸をして直ぐに辺りを見渡すと全員、自分より身長が高い。


 ちょっと待て、俺は175㎝あるんだぞ、その倍以上あるってどれだけデカい人間なんだよ!!


「こんな子供に勇者が務まるのか?」

「子供?」


 周りに立っている人達、フルプレートの鎧着ているから多分兵士だな剣は両刃・・・しかも経費ケチって量産してるだろうから、そんなに品質は低い。


 んっ?今、こんな子供って言わなかったか?


 確かに俺は15歳で子供だけど、こんな子供って言われる程、幼くは・・・・


 そこでようやく自分の手を見て、周りの兵士が言っている事をようやく理解した。


 小っちゃい!!なんだこの手!!


 はっ、そうか、さっきの声・・・つまり俺の身体は幼くなってるって事か!!


 これで一つ疑問は解決したか。



「あの?」



 んっ?俺の事か・・・。


 視線を声がする方に向けると今の自分と同じ年齢ぐらいのドレスを着た少女が立っていた。



「勇者様、お名前は何と言うのですか?」



 名前?あぁ、名前か。


 俺の名前は『天谷 晃』って言っても通じないか。


 そもそも、此処って俺の言葉が通じるのか?


 あれ、待てよ。どうして俺は言葉が理解出来ているんだ?


 色々、疑問に思う所はあるけど、目の前に居る子を無視する訳にも行かないか・・・



「お、俺の名前は・・・」



「は、はい!!」



 どうやら通じているみたいだな。これならー--。


 自分の名前を名乗ろうとして、喉に何かが引っ掛かる感覚が俺の行動を制限した。


 ー--実名を名乗る事は危険が伴う事があるのよ。ー--


 確か、母さんからの教えだったな。つまり、この場は実名を名乗るのは、危険という事か。



「俺の名前はユウ、ユウ・ミナカ」

「ユウ様ですね。」



 様って・・・でもこの子、どうにも嫌な感じしないんだよな。何というか純粋・・・といっても七歳ぐらいの子だし、これで性格が歪んでたり裏表が激しかったら親の顔を見てみたい。


 って居るか奥に・・・



「お父様」

「うむ、ユウ・ミナカと言ったな。儂はこの国の国王、アドルフ・ルーレ・ローレンガルドである。」



 どうやら、俺の名前も違和感無く通じたみたいだな。それにしても国?国王?


 王政ってやつか、偉そうに・・・って偉いのか。


 仕方ない此処は・・・


 俺は片膝を付いて右手で握り拳を作り左胸に当てた。



「あらあら、幼いのに礼儀作法がしっかりしているのね。」



 隣に座っている。女性、王妃だな。


 驚いているって事はこれで正解って事だな。



「質問してもよろしいでしょうか?」

「むっ、よかろう申してみよ。」


 流石に歳不相応かもしれないけれど、相手がどういう人間か分からない以上、聞けることは聞いた方が良い。


「ここは一体、何処なのでしょうか?」

「うむ、ここはお主が居た世界とは別の世界、リスティアと我等は呼んでいる。そして、此処は北の大国ローレンガルド王国である。」



 ファミリーネームがそのまま国の名前か。



「何故、お・・・私はこの世界に呼ばれたのですか?」

「ほぉ、突然呼び出したのに冷静であるな・・・」


 やば。警戒心を持たれたか?ここは正直に言った方が良いかもしれないな。


「混乱はしていますが、パニックになって泣き喚いてしまったら迷惑をかけてしまうので、平静を装っているだけです。」


 これは本心だ。嘘は言っていない。


「まぁ、良い。お主はこの国を救う勇者として呼んだのだ。この国は危機に瀕しておる。ここより南に進んだ強大な魔の国アーデンエリス王国が我等の領土を侵略しようとしているのだ。」



 魔の国ねぇ。超!!胡散臭い!!



「なるほど、では私はその王国を滅ぼせばよろしいのですか?」

「そうだ。その為にお主には力を付けてもらう。」


 そう言って王が手を叩くと一人の鎧を着た男が目の前に立って剣を抜いた。



「先ずはお主の力を試させてもらう。リフィアは下がれ」

「はい、お父様」



 おいおい、七歳時(身体だけ)の俺をいきなり戦わせるって体格とか力とか色々、差があるのにかよ!!


 そういえば俺が持っていた物って・・・あっ、ある。


 いつも持ち歩いているこれがあれば・・・。


 俺の世界にある武術剣道で使う竹刀を入れる袋から木刀を取り出す。この木刀は鞘付きのあまり見られない訓練用の武器だけど俺の流派には必需品だ。


「おいおい、こっちは刃が付いた剣だぞ?それなのにお前は木製の武器で俺と戦うっていうのか?」

「フルプレートの鎧で全身を守っている人が何を言っているんだよ。」

「そりゃそうだ。」


 ・・・こいつ、明らかに見下していやがる。負けるなんてこれっぽちも思っていないんだな。見た所隊長クラスか、腕はそこそこみたいだな。


 俺は木刀を持ち上げると感覚を確認する。


 木刀少し重いけど多分、行ける。


 軽く振ってみる斬撃はやっぱり子供だから威力は落ちるが問題は無さそうだ。


 呼吸を一つ、二つ。うん、入った。


 スイッチが切り替わるように相手の姿を捉える。これも技の一つ。これを使えればこの重い木刀も普通に振るう事が出来る。

 俺は木刀を鞘に納めて構える抜刀術の構えだ。何千、何万回と振るい積み上げて来た時間は嘘を吐く事は無い。


「剣を抜かないのか?」

「えぇ。これで良いです。」

「それじゃあ、始めよ!!」


 俺が最も得意な技で、その舐め腐った顔を青くさせてやる!!


 俺は足に力を入れて駆け出す。


 おい、俺の武器が届く間合いだぞ、それなのに動かない?舐めやがって!!


 白夜真抜流 一刀抜刀式 壱ノ型 "刹波"


 鞘から木刀を引き抜き脇腹に斬撃を加える。重い衝撃が腕を襲うが構う事無く振り抜く。



「ぐぁっ!!!」



 その瞬間、悶絶する声が微かに聞こえて来たが遅れてガシャン!!っと落下音が鳴り響いた。



「えっ!?」



 嘘だろ!?



「き、気絶してる・・・」



 はっ!?



「ほ、本物だ!!本物の勇者だ!!」



 周りが歓声で沸く中、俺は驚愕していた。


 余りに弱すぎるだろ!!



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