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弱い兵隊たちの行進  作者: つっちーfrom千葉
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第一話(コミカル)




 おっ、あそこを見ろよ。こっちへ向かって何かが来るぞ。あれは何だ。砂塵を巻き上げ、草木をかき分け、障害を乗り越え、手足を大きく動かしての行進だ。えっちら、おっちら、よく見ろよ。あれはきっと兵隊さんだ。でも、外見は貧相で、ずいぶん弱そうな兵隊さんだ。きっと悩みがあるんだろう。ひょっとすると、お金のことかもしれない。他になりたい職もあったんだろう。武器も弱い、盾も弱い、その上、隊長も弱い。手先は無器用だが頭だけは硬い。頭を横に振って、いくら考えてみても、物覚えは相当に悪い。歴史も規則も覚えてない、覚えようとしない。それでも、今日も列を乱さずに行進するよ。えっちら、おっちら。


それにしても彼ら、空元気を見せてはいるが、いったい、どこへ向かっているんだろう。


「正直、僕らとしても、どこへ行けばいいのか、何をすれば人の役に立てるのか」


 これは困った、ずいぶん弱腰な兵隊さんたちだ。人助けをするはずなのに、どこへ向かうかもわからないなんて。これから歩んでいく道だって、結末まで、きちんと続いてくれるとは限らないぞ。


「あら、いつから、そんなに信頼される存在に?」


 突然、そんなことを言って、途切れてしまうかもしれない。輝かしい未来には続いていないかもしれない。考えたくもない、考えちゃだめだ。それでも、今日も進むよ、えっちら、おっちら。隊長の厳しい声が飛ぶ。気をつけろよ、地面には大きな穴があいてるかもしれんぞ、道路が突然陥没しているかもしれんぞ。でも、それは道路管理会社の責任ですね。屁理屈を抜かすな、破滅へと誘う亀裂に落ちてからじゃ遅いんだ。とにかく、足元を見て、両手をしっかり振って行進だ。


「しかし困った、どこも行き止まりだ。力いっぱい壁を叩いてみても、砂埃が舞うだけだ。もしや、この人生には最初から正解の道など存在しなかったのだろうか」


 隊長、いつの間にか、自分を置き去りにして、早足で進んでいった旧友の道の上に、大きな落とし穴が開いているのを見つけました。腹を抱えて笑っていたら、自分の道の上にも同じような穴があることを知りました。入り口は違ったはずなのに、なぜか、出口はほとんど一緒です。みんな、初めて歩く都会の中で、パチンコ玉のように弾かれて、一番底辺の層からゴロゴロと出てきます。誰の道も、茄子やキュウリのように、大きな違いはないようです。ここにはバインダーに綴じられた大量の履歴書が捨ててあります。頭を振り絞って、書いたんでしょ? 花香る春には、たくさんの求職者がいたはずなのに、その後を見ていくと、誰の人生にもそれほどの意味はなかったようです。そうか、ずいぶん寂しい時代だな。進め、進め、ここは砂漠の荒野だ、落ちているものを拾うなよ。大事なものを捨てるなよ。エゴ、エゴ、どこもエゴ、誰もエゴ。君が望むのは何? 希望?


『そんなものは最初からありませんでした』


 お偉いさんよ、世の中金だと言い張るなら、少しは手にする知恵を分けてくれ。右に羽振りのいい金持ちは? いない。左に貝塚は? これもない。ここはどこだ、魔物の巣窟だ、地獄の底だ。弱い兵隊たちの行進だ。えっちら、おっちら、ずいぶん足元が怪しいな。君は酔っ払っているのかい? ちゃんと食事をとっているのかい? いえいえ、足がふらつくのは、現実に疲れているんです。ゴキブリの巣のようなアパートに住んで、表面上は、「違う、俺達はそこまで貧しくない!」と言います、言わされます。とにかく、プライドだけは持てと言われます。区役所ではパンパンパンとリズムよく住民票にナンバリングしていきます。16番は盗難車、17番と18番は貧乏人、19番は犯罪人、20番から24番までは貧乏人です。26番も昨日痴漢をやってしまったようです。まるで虫歯だらけですね。


 肉体的にはかなり厳しいですけど、この仕事をやっていれば、いずれは楽になれるんですか? いえいえ、絶対になれませんけど、期限は守ってください。今が底に見えるんですか? 失敗したら、もっと下まで落ちますよ。倒れるまで続けて下さい。この薄汚れた世界の中で、我々に味方はおりますか? 似たような兵隊はいっぱいおりますけど、果たして仲良くやっていけますかどうか。みんな気忙しいし、何しろ、わがままですからね。昇進すれば少しは楽になれますか? 待遇はさほど変わりませんが、仕事はもっときつくなるようです。偉くなるわけではなく、責任だけが重くなるのです。


 少しでも、今の生活が辛いと感じたら、とりあえず、甘い缶ジュースを飲んでください。脂っこいハンバーガーを食べてください。それを贅沢だと思ってください。


『このパンをハンバーガーに変えてみせよ。されば、この地獄を楽園に変えてやろう』


 吊り革にしっかりとつかまってください~、この電車は人身事故のため~、しばらく立ち往生します~。急いでいるから、トラブルは勘弁してくれですって? そんな嫌そうな顔をしないでください~。数分でも遅れれば、車掌の私が一番責められるんです。ハイヒールで他人の足を踏まないでください。エチケットを床に捨てないでください。あなた、さっきからポイポイしてるけど、そのごみ箱は私のですよ。耐え切れぬ不幸は見知らぬ他人ひとに押し付けてください。ただ、私のごみ箱はすでにいっぱいです。何しろ、家族までいらないものを入れていきます。一つのものを、みんなで利用するのはいいけど、誰が掃除してくれるんですか? 誰が引き取ってくれるんですか? ついさっき、希望と夢を間違えて捨ててしまったんですけど、取り返しがつきますか?


『おや、ごみ箱の一番下で何かがきらめいています。どうやら、希望が出てきました』


 いえいえ、よく見てください。それは白アリです。


 諸君、我々は市民から注目されている。もっと、しっかり手を振って足を上げて雄々しく行進するように。右に黄金宮殿は見えてきたか? まったく見えません。ここはすでに砂漠のど真ん中。砂とサボテンと死の世界です。ああ、助かった、左に清水をたたえたオアシスが見えてきました。水桶を背負ったラクダがゆったりと歩いています。馬鹿もん、それは蜃気楼だ。そんなことでは、テグジュペリに笑われるぞ。


『理想は霧の中にあるのかもしれない』


 馬鹿め、そう思って、不用意に飛び込んでいく奴は、どいつもこいつも白骨死体だ。世界中の歴史を眺めてみても、最後まで無駄に動かなかった人間が勝利している。そうやって他人を笑ったところで、自分も苦しいには変わらないんですね。そうだ、それが何千年も続いた人の歴史だ。運命に従ったために泣く羽目になった、呪いの声だ。動いても貧乏、寝ていても貧乏。勝者も長くは生きられない。大衆は毎日あえいでいる。隊長、いつの間にか便利な時代になったものです。なんと、今は携帯電話で助けを呼べるそうです。トゥルル、トゥルル。


『もしもし、助けを出すなんてとんでもありません。我々が迷い込んでいる、こっちの樹海は余計に広いですよ。あなたがたの困難に目を向けている場合じゃないんです』


 隊長、どうやら仲間の部隊も苦しんでいるようです。ううむ、他に助けを呼べる人間はいないのか? この部隊に顔の広い兵隊はいないのか? この間、都会で会って、すっかり好きになった女からメールが届きました。これに期待してみましょう。おいおい、まずはその女の視力と人格を疑えよ。最近は物騒だからそんなもの安易に開くんじゃない。


『あなたはどうせ一生その砂漠から出られないんでしょ。安物買いだったわ、バイバイ』


 隊長、悲痛なメールであります。その結果は致し方ない。経歴という名札のついた引き出しを次々に開けてみろ。これは藁にもすがる思いだ。中は取り引き先からの請求書と督促状の山であります。生ゴミの方がまだマシです。こんなものは見ていられません。馬鹿もん、つべこべ言わず、一番下まで開けてみるんだ。隊長、一番下の引き出しから、光り輝くコインが出てきました。万国共通の金色のコインです。表面には希望という文字が彫ってあります。でかした、ちょうど、西の方角に自販機があるぞ。これは縁起がいい、ここで使ってみよう。カランカラン。隊長、空っぽの缶が落ちてきました。内側には現実と落書きしてあります。なにくそ、どうあっても一歩ずつしか進ませない気か。これでは冒険の意味がない。どこまで進んでも無駄に危険なだけだ。


 この砂漠に近道は存在しないのか。部隊の総力を結集して、何とかここを脱出するんだ。だがしかし、我々は常に正義だ。なるべくなら、不正な手段は使うなよ。隊長、右に金色のスフィンクス、左側には氷漬けの女神であります。楽園への扉を開く呪文でも唱えましょう。何らかの助けになるかもしれません。待て、それもどうせ奴らの罠だ。我々の現実はどこまでも汚れきった作業着だけだ。隊長、朗報です。今度は砂の下から、黒いモロッコ革の手帳が出てきました。ホームズが喜びそうです。しめたぞ、何て書いてあるか読んでみろ。


『そこから百歩歩いた先を掘ってみろ。現実が埋めてある。二百歩先も掘ってみろ。そこにも現実が埋めてある』


 なんと、我らは現実という監獄に押し込められた囚人か。ラジオの音に耳をすませろ、敵軍の進行情報は出てないか? 隊長、敵も方向を見失い、この果てしない砂漠の中で、もがいているそうです。逆に、少しでいいから水をくれないかと尋ねられました。なにくそ、ライバルにすらなれないのか。ふがいない奴らだ。相手にする気にもならん。この際は放っておこうじゃないか。右手に巨大な山脈が見えてきました。ほう、立派な山だな、何という名前の山だ? あれは借金の山であります。そうか、文句なしに我が国で一番高いな。あれが唯一他国に誇れるものだな。時計の針だけがグルグルと回っております。方位磁針もあっちへこっちへと回っております。ううむ、我らが助かる術はあるのか? 


 しめた線路があるぞ、ここは電車が通るんだ。ゴットン、ゴットン。隊長、これは有名なサンテカロニカ号です。数年前に橋から転落する大事故を起こして、166人が犠牲になったそうです。そうか、しめたぞ、そういういわくつきの列車なら、切符代なんて取るまい。安く乗れるはずだ。


『お客様、ノーネクタイでのご乗車はご遠慮願います』


 なんてこった。我々の身分では、こんな縁起の悪い列車にも乗れないのか。メアリーセレスト号になら乗れるかな。隊長、ここから海上に出るには、先ほどの列車に乗っていなくては。そうか堂々巡りだな。どっちに動いても事故に遭わせる気か。よし、仕方ない、ここでしばし待機して、次の列車に乗っていこう。ガタンゴトン、隊長、眠くなって肩によりかかってきた女は、すべて自分に惚れていると考えてよいのでしょうか? たわけが、それは金だけを搾り取られる、うかつな男の持つ理論だ。その女の目をよく見てみろ、まったく笑ってないぞ。


 どうやら、都会に戻ってきたようだな。いえ、隊長、ここはTOKYO砂漠です。人が多く見えるのは見せかけです。人影の多くは、たしかな心を持たない操り人形です。奴らはみんな、我々のなけなしの持ち金を狙っていて、砂漠の海に浮かぶサボテンたちよりも悪質なんです。我々も助かりたいと思ったら、他人を騙す以外にありません。英語教本の販売でもやりましょう。馬鹿もん、貧乏人が亡者から金を取ってどうする。どんな人間にも屈託のない笑顔を分けてくれる、女神のような女性を捜すんだ。隊長、目の前に女人たちの巣窟があります。偵察をだしますか? 何なら、私めが行きますが。馬鹿め、あれは噂に聞くキャバクラだ、我らの元にたまに訪れる幸運によって、その財布が一時的に潤った瞬間すきを狙ってくるメデューサだ。


『キャバクラで支払いができなくても刑務所行き』


 しめた、大手外食チェーン店が見えてきた。あそこへ入ってみよう。ガララ、邪魔をするぞ。いらっしゃいませ、お客様にぴったりのメニューがあります。今、お持ちしますね。なんと、これこそ女神だ、この店こそは楽園だ。お待たせしました。砂漠で死にかけていた牛を使った牛丼でございます。馬鹿もん、たまには豪勢なものを食いたいわ! 隊長、この店はどうやら一杯250円で丼物が食べられるそうです。なんだと、食った後にどんな悲惨な症状に襲われても文句は言えんな。お客様、ただ今、サービス期間中です。五杯以上食べて頂きますと、無料でもう一杯進呈します。なんてことだ、こいつら原価いくらで商売してるんだ。


 隊長、前方に今度は予備校が見えてきました。そうか、賢そうな子がいっぱい通っているな。子供は未来の宝だからな。おじさんたち、ここで問題です。14%の食塩水と19%の海水を混ぜたらどのくらいの濃度になるでしょう? 馬鹿もん、そんな塩辛いものを飲んだら病気になってしまうわ。


『我々には正解などいらん、真実が欲しいのだ』


 隊長、この店では爪に紋様を彫ってくれるそうです。お試し期間中です~、今ならお安くできますよ。そうか、では砂漠脱出祈願とでも彫ってもらおうかな。はーい、では、砂漠脱出祈願by砂漠の牛より、と彫っておきますね。なんと、こいつらは我々に呪いまでかける気か。隊長、左方に銀行が見えてきました。そうか、立派な建物だな。しかしながら、財布には預ける金がないな。隊長、大変です、中では銀行強盗が立て篭もっているようです。うーむ、できれば助けてやりたいが、我々には武器も勇気もやる気もないな。隊長、銀行員たちは金をしこたま奪われたにも関わらず、その顔は笑っております。


『どのお金も、どうせ銀行に戻ってくるような社会構造になっておりますので、心配はいりません』


なんと、こいつらは強盗に輪をかけて悪党だな。


 道を歩く民衆が、悪意を持って我々の行進を見つめているな。そのうちに石でも投げつけて来そうな雰囲気だ。何か、気に障ることでも言っただろうか。隊長、ここは危険です、デパートに逃げ込みましょう。ほほう、ここは涼しいな。それに見たところ、何でも売っているようだな。華やかな商品棚がどこまでも続いて、見ていて気持ちがいいな。お客様は何をお求めですか?  そうだな、それでは永遠に消えることのない愛をもらおうかな。失礼ですが、お客様は俗物です。どうやら、そんな強い愛を受け止める度量はないようです。なんと、ずいぶん哲学的なデパートだな。よし、わかった、では普通のレモンを一つもらおう。甘いレモンと苦いレモンが残っておりますが、どちらをご賞味されますか? ちくしょう、酸っぱいレモンは売り切れか、さすがに人気があるな。誰も同じことを考えているな。隊長、私はフグを一匹買ってきました。そうか、でかしたぞ、高かっただろう、どんなフグだ? 我々でも毒を取れるのか? いえいえ、このフグは全身の器官がすべて毒を持っているそうです。現代の都会人の心理を反映しているからと店員が譲ってくれたのです。馬鹿もん、そんな嫌みな哲学はいらんわ。


 隊長、私は新聞を買ってきました。一面は鉄道事故です。あのサンテカロニカ号がまた大破したそうです。そうか、二度あることは三度あるな。今度はそれほど驚かずに済んだぞ。続報です。その事故を起こした列車に敵の部隊が全員乗り込んでいたそうです。そうか、不憫な話だが、我々も危なかったな、紙一重だったからな。隊長、ここは気軽に頭髪を増毛できるコーナーだそうです。髪がないだけで不幸なのに、この上金まで取られるシステムか。こんなご時世だし仕方ないな、試しに十本だけ植えてもらおうか。いらっしゃいませ~、お客様は剛毛なので、砂漠の牛の毛を植えておきました~。ううむ、どこまでも砂漠の呪いがついてまわるな。隊長、ここは最も身分の差が出ると思われるペットショップです。ううむ、我々の資産でペットを飼うだけの余裕があるかな? お客様にぴったりのペットをご用意しました。このドーベルマンです。犬は駄目だ。我々のほうが頭も身体も弱いし、逆にしつけられてしまいそうな気がする。


『それでは、負け犬というわけですね』


 お客様、大変お待たせしました。こちらの九官鳥が何か申したいことがあるそうです。なんだ、これは派手な色合いで可愛い鳥だな。何でも言ってみてくれ。『おまえたちの学ぶスピードと歩むスピードは遅すぎる』やたらと口の悪い九官鳥だな。こんなご時世だから仕方あるまい。現代っ子には、もっとひどいことを言われたこともあるしな。お客様、これから避難訓練を開始します。急いで、外へ出てください。よしわかった、我々の力をもってしても、身に迫る天災だけは防げないからな。先に避難させてもらうぞ。隊長、今のはまやかしの訓練だったようです。我々以外は誰も避難していません。なんだと、うるさい我々を外へ追い出すための罠だったのか、これは嫌われたものよ。仕方ない、行進を再開するぞ。


 えっちら、おっちら。都会の砂漠の行進さ、目的はこれから探すんだ。隊長、そうこうしているうちに砂漠に夜が来ました。そうか、周囲に十分注意を払えよ。言うまでもないが、不幸はいつでも我々をつけ狙っているからな。ドドドドド! すごい爆音だ。隊長、バイソンの群れです。違うぞ、あれは暴走族だ。道徳も知らない無法者に関わっては駄目だ。大人しく道を開けよう。真っ暗だ、進む方向も見えない人生路だ。我々はまた道に迷ってしまったぞ。こうなったら、かつて見た映画の知識だ、とにかく北極星を探すんだ。隊長、我が隊の兵士の二人が突然倒れました。なに、ついに敵兵が現れたのか? 違います、一人は空腹で、もう一人は過酷な現実に迷い迷って、うつ病になったようです。何て情けない兵士だ、敵と出会う前に倒れ込むとは。仕方ない、少し休憩だ、手当てをしてやれ。


 隊長、我々のようなハンバーグ育ちの坊ちゃん兵士は、ちょっとやそっとのことで、すぐに人生をあきらめてしまうのです。隊長、今、無線を傍受したところでは、どうやら敵の部隊員も同じ悩みを抱えているようで、隣町の交差点で行くも引くもならず、立ち往生しているようです。地面に顔を伏せて、泣き出してしまった兵士もいるそうです。うむ、そうか、このままでは戦闘にならないな。どうやら、我々を苦しめているのは敵の兵士ではなく、この過酷な現実のようだな。一度、上官に相談してみるか。


 もしもし、上官殿聞いておられますか? 我々はTOKYO砂漠に迷い込みました。ここでは誰もが他人の言葉を疑い、他人の気持ちを平気で踏みにじり、他人をいかにして出し抜くかを考え、金を独占することだけを目的にして生きています。敵は敵兵士ではなく、我々を飲み込もうとする現実そのものだったのです。現実は我々を間違った方向へと導き、我々を嘲笑い、我々を操って支配者の壮大な野望の片輪にしようとしています。これから現実の恐ろしさ、過酷さをここから伝えます。兵士たちは戦う前から負けています。何とぞ、次の指示を下さい。どうすればこの現実から抜け出せるのでしょうか?

 ここまで読んでくださってありがとうございます。もし、興味がございましたら、シリアス編もどうぞ。

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