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幼馴染みは育ちが悪い?

最近暑いですね。体調気をつけましょうね。

「疲れた〜」


今日の授業が終了し、一斉に生徒たちが席を立ち友人と話をしながら帰っていく中、俺は腕を組んだ状態で机に伏せる。

自分の方向に向かってくる足音がするが、それを無視して寝に入ろうとする。


「起きなさい」


その言葉と同時に頭を叩かれる。


「痛っ!何するんだよ奈々弥(ななみ)

「隼が寝ようとするのが悪いんでしょ」


だとしてもこの仕打ちはない。

だがここで反論すればまた叩かれるのは明白である。

それはないだろうと思うかもしれないが、そういう女なのである。

紹介し忘れていたが、奈々弥は俺の幼馴染みである。

小さい頃から一緒で、よく遊んだものだ。

それがいつからか、こんな暴力的になってしまった。


「どうしてこうなっちゃったのかな(ボソッ」

「なんか言った?」

「何でもないです。ごめんなさい。」


奈々弥、恐るべし。

たった一言でこの圧力である。

俺にだけならまだしも、この女は他の男子にもこのような態度をとるのである。

そのため、男子からは『女王様』の愛称で一部から根強いファンができている。

本当になぜ、こんなふうに育ってしまったのだろうか。


「そんなことより、奈々弥は帰らないのか?」

「その言葉、そっくりそのまま返すわ。私は隼が見えたから来ただけよ」

「そうか。俺は姉さんが来るのを待ってるだけだよ」

「また姉さんなのね」

「当たり前だ。一緒に帰らないとうるさいからな、姉さんは」

「私が言いたいのはそういうことじゃないんだけど…」

「ん?どういうこと?」

「なんでもないわ。それじゃ私は帰るから」

「そうか。それじゃまた明日」


奈々弥は何を言いたかったのだろうか。

昔はなんでもストレートに言ってしまう子で、それが玉に瑕だっのだが、これもまたいつの間にか変わっていた。

よくよく考えてみれば、ストレートになんでも言ってしまう所はこういう子になる予兆だったのかもしれない。

昔は可愛い夢を持った普通の女の子だったのが、今ではドMの男達から崇められる女王様である。

本人はその気がないのだろうが、これが無意識なのもそれはそれで恐ろしいものである。


「ごめんね、遅くなって」


!?


「あ、ああ。大丈夫だよ、姉さん」


突然話しかけられて驚いてしまった。


「大丈夫?何か考え事でもしてた?」


相変わらず姉はこういう事にすぐ気づく。


「ちょっと昔の事を思い出してね」

「へー。どんな事を思い出したの?」

「えーと、夏休みの事だよ。そろそろ夏休み始まるからさ」

「そうね、夏休み始まるものね。そうだ、今年はどうする?」


そこまでは考えていなかった。

姉は他の女の人の話をするとなぜか怒るため、どうにかはぶらかそうとした結果これである。


「う、海とかどうかな?たまにはね?」

「そうね、たまには海にでも行きましょうか…」


何とかなった。

少し姉が考え込む姿が見えたが、今はどうにかなった事を喜ぼう。

毎年海に行っていたらこうはならなかった。

海に救われたな。


「それじゃあ、早く帰って夏休みの予定を決めましょ!」

「お、おー?」


何を思ったのか、途端に姉が張り切り出した。

色々問題がありそうだが、とりあえず海に行く事になった。

次回は早速海回です。

海なんてここ数年行ってないですね〜。

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