宿屋に着いて今後の予定とログアウト
グゼルに教えてもらった宿屋をマップを見ながら探してそれらしい所を見つけた。2階建てのかなり大きな建物だ。早速中に入ってみるとカウンターと左には階段右奥には酒場かな?人が食事やお酒を飲んでいる。今ゲームの時間帯は夜だし仕事帰りに一杯やってんのかね?
そんな風に考えているとカウンターの奥から若い女性が出てきた。
『あらお客様ですか?宿か酒場どちらをご利用で?』
「こんばんは、宿に泊まりたいのですが部屋は空いていますか?」
『ハイ空いていますよ。その前に失礼ですが、ここのことはどなたから教えてもらったのですか?この宿は町の人しか知らないので異界の住人さんは一切訪れることがなかったので気になりまして・・・』
ふむ、ということはここは町の住人だけが知っている穴場的なとこなのかね?南側に宿屋があるなんて知らなかったしな・・・
「グゼルさんです南門で門番をしている。」
『まあ、グゼルさんがそれはめずらしい・・・』
「めずらしい?」
『いえお気になさらずに・・・グゼルさんの紹介なら問題はありません。異界の住人さんなら特別利用料となりますがご存知ですか?』
何やら疑問が残るがわからないことは考えるだけ無駄だろう。特別利用料とはこのゲームの世界の一日は現実時間で5時間なのだ。なお、内訳は朝昼が3時間で夜が2時間だ、それゆえプレイヤーはログインログアウトが不定期になってしまう。リアル事情もあるしね、宿屋で何泊か指定するのは難しいだからこそプレイヤー限定の利用料設定というわけだ。
「はい、知っています。」
『ありがとうございます。なおこの宿では食事は宿泊代とは別ですが、問題ありませんか?』
このゲームでは満腹度が設定されていて、低くなるとスキル効果の低下と獲得経験値減少などの重いデメリットが存在する。まあそうしないと料理スキルの価値が下がるから当然の設定なのかな?
「はい、問題ありません。」
『わかりました、では料金300カロンです。』
「ではこれで。」
『はい、ちょうどですね。こちらがお部屋のカギです。お部屋は二階の一番奥になります。よければ酒場でお食事をされてはいかがでしょう?』
たしかに満腹度も半分減りそうだしちょうどいいかな。
「そうですね、ではそうさせてもらいますね。」
『はい、では空いている席へどうぞ。今メニューをお持ちします』
そう言われ俺は空いている席に座りメニューを待つ。なんだか周りからちらちら見られてる気がするんだが気のせいかな?しばらくすると先ほどの女性がメニューを持ってきた。俺はそのメニューの中の一番安いラビットステーキとスープを頼んだ・・・・
今俺の目の前には空になった食器が並べてある。旨かった・・・不満など一切なくマジで旨かったよ!肉の柔らかさ、あふれる肉汁、スープの野菜の甘み堪能しました。
俺は席を立ち入口のカウンターにいる先ほどの女性に話しかけた。
「料理おいしかったです。作った方にも有難うとお伝えください。」
『お口に合ってなによりです、料理人にも必ず伝えます。料理の代金ですが280カロンです。』
「はいどうぞ」
『たしかにいただきました。もうお休みになられますか?』
「そうします。ではまた」
2階にあがり奥の部屋へカギを使い入る。部屋はベッドがあるだけの簡素なものだ。さていくつか考えなきゃいけないことと予定を決めとこう。ベッドに腰を下ろし今後のことを考えた。
「先に考えるべきはこれだろうな・・・」
【大精霊アルトの祝福】
大精霊アルトに気に入られ幸せを祈られた者に贈られる称号
効果:NPC親密度補正(微) 召喚獣成長補正(微)
自分のステータスを開いた時に見つけた称号の詳細をみながら俺は考える。
(大精霊アルトって名前は初期設定の時に聞こえた声の主だろう。なんで気に入られたのかはわからないけど・・・効果の方はNPCに親密度ってパラメーターが存在することが分かったが上がると何かあるのか?
もう一つの方も召喚獣の経験値にボーナスがあるってことかね?まあ、どちらも微だから効果はそれほど高くないだろうが・・・)
あれこれ考えたが結局書いてあること以上のことはわからないので、俺は考えるのをやめた。ちなみにこのことを掲示板などに書き込む気はない。読専で書いたことがないのも理由だが、手に入れた条件もわからない情報を書き込んでも混乱させるだけだろうし、あの声の主がいらんトラブルに巻き込まれたらかわいそうだしな。
それから俺は今後の行動を考え始めた。
(しばらくは南の山道でジークのLv上げをして、ついでに手に入れたアイテムをどこかで売却しなきゃな。まだお金は4340カロンあるが採掘のLv上げするためにもピッケルが、釣りには釣り道具一式が必要だし金稼ぎもしていかないとな。)
今後の予定を大雑把にではあるが考え俺はゲーム初日を終了するためログアウトした。
ーーーフレンがログアウトしてからの宿屋でのNPCたちの会話ーーー
『こんばんは、酒場は席空いてるかい?』
『あら、グゼルさんいらっしゃい。ええ、空いていますよ。』
『そうかいそうかい、じゃあ、さっそく・・・』
『その前に、グゼルさん異界の住人の方にここを教えましたね?』
『ん?ああ教えたぞ?赤毛の角刈りにした奴に。今までの異界の住人とは違い礼儀正しいやつだったからな。ここを教えても問題は起こさないだろうしな。』
『たしかに穏やかな口調で礼儀もしっかりした方ですが、他のお客さんがびっくりしてましたよ。異界の住人さんはあまり評判がよくありませんから。』
『ああ、それはすまなかった。でもあいつなら一度でも話せば問題ないってわかるだろう?』
『たしかにそうですが・・・』
『そうだろう?それに万が一問題になったら俺がどうにかするから。』
『あなたがそういうなら今回のことはもう言いません。何かあったら頼みますよ南門警備隊隊長さん?』
『ああ、もちろんだ!』
そのような会話の後グゼルは酒場へと足を向けた。
ステータスに変化はないので表記はなしです。




