改めてダンジョンへ
「じゃ、俺はどこかの野良パーティーに参加するぜ」
白石さんが消えた直後にバルドさんがそう言ってきた。
「わかりました。今度は一緒にダンジョン行きましょう」
「オウ、楽しみにしてるぜ?他にも用があれば遠慮なく声かけてくれよ?じゃあな!」
別れのあいさつを交わして、バルドさんがパーティから抜けたとシステム音声が響きダンジョン周りにいるパーティー募集をしているPCたちに声を掛けていた。すると、次の瞬間にはバルドさんを誘う為にPCが殺到した。やはり有名PCとは一度は一緒にパーティーを組みたいのだろうな。
「大変そうだな~」
「何すぐに落ち着くさ。PC個々に目的もあるだろうし、それに合致しないと組めないからな」
「そうじゃのう~素材採取のため。ボス周回のため、宝箱探索のためいろいろおるじゃろうしのう」
確かにドル爺さんの言う通りだな。
「とにかくわしらも並ばんか?先の件で時間を食ってしまったし、早いとこ素材を確保していろいろ作りたいんじゃよ」
「落ち着けドル爺さん。パーティーを組んでから並ぶぞ」
「そうだな」
俺達3人でパーティーを組みダンジョンへ行く列へと並び、俺達の番になったら階段を降りる前に森林タイプへと宣言して階段を降り、着いた先は宣言した通り森林タイプだ。
「よ~し、木材を伐採しまくるぞ!」
「だから落ち着けと言っているだろうが、ドル爺さん」
「とにかくまずは召喚だな」
森林奥に突撃しかねないドル爺さんを宥めて、俺達は召喚を行った。するとヴォルフとドル爺さんのマギドールは以前と防具が違っていた。
ヴォルフのマギドールの虎鉄は以前はコートだったのが、金属製の胸当てに上着にズボンにブーツとフードつきのローブを着ている。どことなく狩人な服装だ。
ドル爺さんの八雲は以前は胸当てだったがレザーアーマーを装備して腕には装飾が綺麗な篭手を、下半身に腰当とブーツを装備している。
「新しい装備は中々似合っているな?」
「結構作るのに苦労した自信作だからな」
「うむ。普通のファンタジーゲームなら生産職はあまり戦えないんじゃが、このサラオンは召喚獣がおるからのう。装備を凝った物にするのに一切の躊躇がなくて助かるわい」
「他のゲームだと生産職が性能のいい武具を装備するのは、無理な場合もあるからな~」
「へぇ~」
「しかし、フレンのアーマーが装備している武器はいいの~青龍刀みたいじゃ」
「俺は耐久値回復したりで見ているが、こうしてみるとレザーシールドもいいなぁ」
「イベントで手に入れたアイテムじゃったか?」
「そうだぞ」
「いいの~アイデアが湧いてくるわい」
「持っている革で盾を作ってみるか・・・・」
「それはいいけど、素材集めに行かなくていいのか?」
俺の言葉に慌てて返事をする二人。生産談義は町でやってくれ。ともかく俺達は森を進み始めた。
それから俺達は片っ端から素材を集めまくった。今日は素材数アップの付与効果があるから、なかなかの数が集まり調子に乗ってしまったのだ。今も俺達は素材集めに精を出している。
「よし!ここの伐採ポイントは終了じゃ!」
「もうちょっと待ってくれ。薬草がまだ採れるんだ」
「ドル爺さん一人で先に行くなよ?」
「わかっとるわい!さすがにそれは無理だしの」
いや~イベントの時に採取した時よりもいっぱい取れるから、つい張り切ってしまうな。
「よし、もう採れないな。待たせたなドル爺さん」
「気にするでない、薬草系も品薄での採れる時に採っておかねばな」
「そうなのか?」
「イベントでボス周回をしていたPCたちが回復薬を買い占めたからな。しかも、第三陣が来るならさらに需要は増える。調合スキル持ちは素材採取と調合に大忙しさ」
「と言うことはヴォルフもか?」
「手伝いは頼まれているな。以前も言ったが俺は生産スキルを数多く持っているからな。それ一本に絞った生産職には敵わん」
「ドル爺さんみたいな?」
「そうじゃの。わしは武具店を持ちたいから武器や防具が作れるスキルを持っとるし、絞ったと言えば否定はできんな」
まぁなんにしても、素材不足はどの生産系でも問題になってるってことか。
「でだ、フレンに相談なんだが、この森林タイプは2階層まで行こうと思うんだが大丈夫か?」
「ん~ガレスは戦力になるかな?」
「大丈夫じゃろ?2体目なんじゃし、フレンはわしらと違い戦闘スキルは持っとるじゃろう?であれば問題なかろう」
「それにここの魔物と戦えば進化もするんじゃないか?ここの魔物素材もいくつか欲しいから戦闘もしたいしな」
「二人がそう言うなら俺に異論はないぞ」
「決まりじゃな」
そうと決まれば素材集めをしながら魔物も探すかね~
素材を集めながら魔物も探している俺達。しかし、素材は順調に集まっているが魔物が出てこない。代わりにこんなものを見つけた。
「でっかい木だな~」
今俺の間の前には、樹齢何十年、いや何百年かと言うべき太い木がある。いや、もはや樹だな。
「これは伐採ポイントは無いのか?」
「残念なことにない。採れればさぞかしいい木材になるんだろうがな・・・・」
「全くじゃな」
二人はそう言うのだが、俺はこの樹が妙に気になった。これはもしかすると・・・・
「ガレス、この樹を攻撃してくれ。なるべく高い位置をな」
「フレン?」
俺はガレスに指示を出して、この樹を攻撃させてみた。すると、ガレスの攻撃は弾かれることはなく樹に傷を与えた。
「なに?傷が出来ただと」
「ま、まさか・・・」
「ガレス、そのまま続けるんだ」
その後ガレスは何度も樹を攻撃して、何度目かののち樹は倒れ中から金色の宝箱が出現した。
「やっぱり宝箱の隠し場所だったか!」
「と、と言うことは、イベントで見つけたこの樹の中にも・・・・」
「な、なんということじゃ・・・・」
二人はどうやらイベント中にこの樹の中の宝箱を見逃していたようだ。よほどショックなのかorzになってしまった。
「二人とも、ショックなのはわかるがこの宝箱の中身を確認しないか?」
「そ、そうだな。そうしよう」
「う、うむ」
まだダメージが尾を引いているようだが、立ち上がり宝箱が見える位置にくる二人。それを確認して宝箱を開く。派手な演出の後に残ったのは・・・・
「弓?」
その弓は緑色で持ち手の上下に赤い宝石が輝くきれいな弓だった。とにかく鑑定!
妖精弓 品質:5 耐久値120/120 レア度:★
妖精の加護が与えられし弓。森の中では性能アップ。
効果: 攻撃力+20 魔力強化(中) 森林エリアでは性能アップ
装備適用値: 筋力 12以上 器用 20以上 魔力 16以上
わぉ強力。しかも森だと性能が上がるのか。これはすごいな~二人が欲しがるんじゃないか?俺は二人の方を振り向いたが・・・
「「ん~・・・」」
あれ?微妙な反応?なんでだ?
「二人ともこれが欲しくないのか?」
「俺達が戦闘系のPCなら欲しかったんだがな・・・」
「わしらは生産職だしの。自分の召喚獣には自分が作ったのを与えればいいからのう。ゆえにこんな高性能の弓を貰っても逆に困ってしまうわ」
「そんなもんか?」
「そんなもんだ。しかも俺の顧客に弓が欲しい客はいないしな」
「わしの方もじゃ。フレンよおぬしドールを召喚する予定はあるかの?」
「ん?いつかは召喚する予定だぞ?」
「ならこれはフレンが貰ってくれ」
「いいのか?」
「これはフレンが見つけたもんじゃしの。遠慮は無用じゃ」
二人がそう言うのでこの弓は俺が貰うことになった。これで終わりかと思ったのだが、倒れた樹が消えておらずそのまま残っていたのだ。鑑定してみると・・・
魔力樹 品質:4 レア度:★
魔力を栄養にして急成長し続けた樹木。木材としては一級品。
何と木材に化けていた。この事実に二人は再びorzになった。合掌チーン
次回の更新は3日後予定




