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トラブル解決(ゲーム内では)

「やれやれ、一PCにこんなこと頼むなよ。」

「すいませんね。こちらとしても念のため万全にしたかったので。」


有名PCであるバルドさんと白石さんは何か気安く話している。知り合いなのかな?あ、でもバルドさんはβテスターなんだし、βテストの時に知り合ってたのかも。


「さて。ギルド【アヴァロン】の皆さんお久しぶりです。ゲームマスターの白石です。」

「出たな!諸悪の根源!今度はいったい何の用だ!!」

「もちろん。あなた方の現在行っている違法行為・・・・の後始末です。」


違法行為。白石さんははっきりと言い切った。アーロン以外の連中はこの意味が理解できているらしく顔が面白いくらいに蒼白になっている。


「違法行為だと!?何を馬鹿なことを!」

「理解できていないのはあなただけのようですがね?」

「なに?」


アーロンはギルドメンバーを見渡すがどうやら理解できない様子。


「お前たち何を青白くなっているんだ?」

「だ、だってアーロンさん!」

「このままじゃあ俺達・・・・」

「理解できないようですからはっきりと申しあげましょう。あなた方が現在行っているのは、仮想現実人権保護法。通称VR法に違反しているのですよ?」


仮想現実人権保護法。通称VR法。この法律ができたのはVRMMOが広まり、社会的にも無視できなくなったころに創られた。きっかけはVRの中での行為がリアルをも巻き込んだ騒動になった事だ。PCに対する誹謗中傷、それによるストレスが原因の体調不良。ゲーム内での執着行為がリアルでのストーカー行為にまで発展。ほかにはゲーム内での対立がリアルまで巻き込んだこともあった。


それらの増加がニュースにまで取り上げられて、このままではまずいっと政治家たちとゲーム会社が話し合い創られたのが、VR法の始まりだ。まぁ、大げさに語ったがそこまで重い物ではない。あくまでもあまり大事にすると法律に違反しますよ~と教えるようなものだ。リアルにまで発展すると別の法律に違反するしな?


とは言え、法律は法律。違反すれば罰金で最悪前科持ちになっていしまい他のVRMMO会社にも情報が拡散し、中には購入が出来なくなるケースもある。ゲーム会社としても問題がある奴にゲームさせたくないしな?客が遠のく可能性があるわけだし。


「狩場の独占だけであればまだ軽いんですがね?あなた方の場合はそれまでに行った数々の行為が問題ですし、さらに先ほど行った一PCの嘘情報の散布。さらには状況的にステータスを開示しなければならない状況に追い込んだ晒し行為はVR法的にはもちろん、運営としても見過ごすことはできません。」

「俺は嘘は言っていない!」

「まだそんなことを言いますか?でしたら証拠を提示してくださいよ。嘘は言っていないだけでは信用に値しません。」

「お前たちが俺を陥れるために謀った事だろうが!抗議文に書いた通り訴えてやるからな!」

「はあ~らちが明きません。詳しい話は別の場所で。」


白石さんがそう言うと、アーロンを含んだ【アヴァロン】メンバー全員が消えた。


「彼らは運営が管理する特殊ダンジョンへと強制転移させました。ちなみにこのダンジョン個人的にお仕置き部屋と呼んでたりします。」

「「「ぶぅ!」」」


白石さんの突拍子もない独白に何人かのPCが噴出した。笑い堪えてるのもいるな。


「さて、この場にいるPCの皆さん此度はこのようなトラブルが起こり申し訳ありませんでした。彼らは発表していた通りにアカウント削除に罰しますので、さらに話し合いで反省の色がない様なら二度と彼らがこのゲーム内に現れることはないでしょう。」

「よっしゃぁ~!」

「はぁ~やっといなくなるのか~」

「もっと早くやってもよかったんじゃない?」


白石さんの言葉にPCたちは喜びの声を上げる者、ほっとする者、疑問の声を上げる者と実に様々だ。さっきの様子ではアーロン以外のギルドメンバーはことの重要さを理解しているっぽいから、もしかしたらゲームに復帰するかもだがアーロンは確実に反省などするわけがないだろうからゲーム購入不可になるだろう。


さらに言えば、このことが他のゲーム会社にも広まれば購入不可のゲームが増える事だろう。あんな問題児にVRMMOをやらせればろくなことにならん!断言するね!


「今回の件に巻き込まれた皆様には、運営からお詫びとして戦闘スキル持ちの方には【宝箱発見確率アップ】の効果を採取系のスキル持ちの方には【素材数アップ】の効果を付加しました。この効果はリアル時間で明日まで続くので、どうぞこのダンジョンをお楽しみください。」

「「「「おおおぉ~!!」」」」


白石さんがダンジョンへの階段を指すと、PCたちは早速並んで続々とダンジョンに入ったり野良パーティー募集を呼び掛けてたりと忙しくしていた。ん~今日はダンジョン産のアイテムや素材が大量だろうなぁ~


「ああ、すいません。そちらのPCさんはちょっとお話しよろしいですか?」

「なんでしょうか?白石さん?」


俺もバルドさんのパーティーを解消して並ぼうかと思っていると、白石さんに呼ばれた。


「もちろん謝罪でございます。このたびは我々運営がこの騒動の後始末のためにいろいろ準備をしていましたが、結果として対応が遅くなりあなたが巻き込まれたばかりか、一人のPCにとは言えステータス開示となりましたこと深くお詫びします。」


そう言うと白石さんは深く頭を下げた。ん~やっぱりこの人は真面目だなぁ~


「はい、謝罪はお受けします。ところでなぜ対応が遅くなったのでしょか?言えるのならば聞きたいのですが?」

「はい、今からご説明しますね。パーティーメンバーの方もどうぞお聞きください。」

「俺もいいか?」

「どうぞ。」


そう言うとバルドさんも含めた4人で白石さんの話を聞くこととなった。


「まず対応が遅くなった理由は、今回の騒動の記録を撮っていたためです。」

「証拠としてですか?」

「それもありますが、一番の理由はアーロンと言うPCがアカウント停止処罰をしていたころに抗議文をしつこく送ってきまして、その一文に訴えてやると書かれていたため本当に訴えられた時のための保険です。」

「「「「えぇ~・・・・」」」」


白石さんの言葉に俺達は開いた口が塞がらなかった。訴えるってどう頑張ってもうまくいくビジョンが浮かばないんだが・・・


「顧問弁護士からは今まで集めた記録などでも十分と言われていますが、証拠は多ければ多いほどこちらが有利ですから、今回の一件も記録していたのですよ。こちらに居るバルドさまにも運営からの依頼としてちょっと長引かせてもらいました。その結果追加で騒動が起きたのは完全に予想外でしたので本当に申し訳ありません。」

「あれには俺も驚いたな・・・つーか、一PCに運営が依頼なんてするんじゃねぇーよ。」


そう言うとバルドさんは白石さんを睨みつけた。白石さんはどこ吹く風だ。


「まあ、俺のことはいいですよ。バルドさんが黙っていてくれればいいですし。」

「おう、絶対口にはしねえよ。でだ、それとは別にして俺とフレンド登録してくれねえか?」

「俺とですか?」

「おう、お前さんと行動をすると面白いことが起こりそうだしなぁ~」


まぁ、称号を4つも持っているPCを見つけたらそう言う評価になるか?


「いいですよ。こちらとしてもβテスターとつながりが持てるのは嬉しいです。」

「そうか、ありがとうよ!」


早速俺達はフレンド登録を行い、俺のフレンドリストにバルドさんが加わった。


「さて、それでは私はこれで失礼いたします。部下からアーロンがごねていると連絡がありましたし。」

「あ~何と言うかがんばってください?」

「ありがとうございます。それでは皆様これからも我が社の夢の世界をお楽しみください。」


白石さんはそう言ってから頭を下げたのち消えた。いや、マジで頑張ってくださいね。もうあんな奴と関わるのはごめんですわ。




   ~~~~とある特殊ダンジョンの一幕~~~~~



ここは運営が管理する特殊ダンジョン。ここを利用する運営はお仕置き部屋、秘密基地、穴倉などなどと個人で呼び方を変えているが、主な目的は違反PCの一時的な隔離である。そして今ここには超ド級の違反PCが居たりする・・・


「だから!私がいつ違反をしたというのだ!!そんなことはしていない!!!」

「ですが、あなたはここにいるわけですし。ここは違反をしていないPCは来れない仕様ですので。」

「そんなことは運営ならどうとでもできるだろう!!私を陥れようとしても無駄だぞ!覚悟しろすぐに訴えてやるからな!!」

「「「はぁ~」」」

「なんだその反応は!!!」


先ほどからこのやり取りに繰り返しだ。ちなみに他の【アヴァロン】メンバーはここにはいない。すでに彼らは運営側に謝罪して罰は受けるからVR法に届け出を出すのはやめてくださいと土下座までしたのだ。(ちなみにアーロンは「何をしてるんだお前たちは!」などと言っていた)


VR法はゲーム会社からPC情報とリアルの登録情報を裁判所に提出し、どんな違反をしたかの証拠が確認されたのちにそれらを吟味して罪が決まる。軽ければ罰金程度で済むのだが、悪質であり本人に反省の色がない場合前科が付く場合がある。VR法の前科者はゲーム会社から要注意人物としてブラックリストに記載され、最悪VRMMOが出来なくなる。


他のメンバーはそれを理解しているがために土下座までしたのだ。彼らはゲーマーとしてVRMMOが出来なくなる事態を避けたかったのだ。理解できないのが一名いるが・・・・


「ともかく!私には一切の落ち度はない!これ以上拘束を続けるのならば本気で訴えるぞ!!」

「どうぞお好きになさってください。」

「む!」

「「「室長!」」」


そこに現れた白石。アーロンは彼を睨みつける。


「出たな!諸悪の根源!」

「いい加減、自分の非を認めたらどうですか?」

「私のどこに非があるというのか!?」

「仕方ありませんね。ゲームマスター白石の権限であなたのアカウントを削除。並びに裁判所にあなたのVR法適用の書類を提出します。」

「バカめ!そんなものが・・・」


アーロンがまるで一時停止のように動きを止め、次の瞬間アーロンは光の粒子となり消えていった。白石の宣言によりアーロンのアカウントを削除するために強制ログアウト、並びにキャラの削除が行われたのだ。


「やれやれ、いったいどういう風に育てばああいう人間になるのでしょう?」

「よかったのですか室長?いきなり削除して。」

「構いません。すでに決定事項なわけですし、反省など一欠けらもしていないでしょうしね。ところで他のメンバーはどうでしたか?」

「土下座して罰は受けますから届け出は許してくださいと言っていました。」

「なるほど。では他のメンバーに関しては届け出は保留ということで。ただし彼らがまたサラオンを始めたら記録をしてください。ちょっとでも問題行為があればすぐにでも動けるように。」

「了解しました。」

「では、私は社長に報告に行ってきます。報告の後に裁判所に行きますので、提出書類は・・・」

「リアルの方で準備しておきます。」

「お願いします。ゲーム内では問題解決しましたが、リアルの方では長引くかもしれません。しばらく私はこの問題に掛かりっきりになるでしょう。報告などは書類にまとめておいてください。」

「わかりました。室長。」


そう言ってから白石はリアルへと戻って行く。リアルでこの問題の続きを解決するために。

次回更新は3日後予定。

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