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裏話  運営サイド03

「それではただ今より、初イベントに対する報告会ならびにそれに関係する問題ついての会議を始めたいと思います。」


ここはゲーム会社おるらんどの会議室の一つ。今この部屋にはおるらんど社長や関係各所の幹部クラスの社員が集まっている。そして、そんな全員に対して説明を行うのはゲーム運営管理課その長である室長の白石である。


「まずは、今回のイベントの参加率に関してはPC全体の93%が一度はダンジョンに入っています。残りの7%はイベント期間中にログインしていなかったPCですので、ほぼ100%と言ってもよいでしょう。数字だけ見ればイベントは成功と言えますが、参加したPCで1階層ボスを倒したことがあるのは93%中54%になります。まぁ、戦闘ばかりしたいPCだけではないのでここまでおおむね予想通りですね。」


白石の声が響く中、参加している社員も手渡されたデータを見ながら思い思いの考えを口にする。


「そうだろうなぁ~生産素材を手に入れたくてダンジョンに入ったPCもいるだろう。」

「それだけじゃあない。もっと単純に宝箱目当てで探索だけのPCもいるはずだ。やっぱり宝箱はゲーマーにとって特別だよ。VRなら高揚感がリアルに味わえるからな。」

「ボスの周回を目的にしたPCたちもいた様だぞ?特に洞窟タイプと海岸タイプで多い。洞窟タイプは特殊な方法ではあるが武具が手に入るからな。」

「海岸タイプはカニの身が手に入るからなぁ~VRで思いっ切りカニが食えるのがいいと料理スキルをもったPCが押し寄せたようだな。」


ここまではデータで判明した事柄は社員全員の予想通りとなった。生産職は素材を、戦闘職は宝箱を、それ以外の各種スキル持ちでも楽しめるようにと考えた結果を見て皆笑顔を浮かべている。


「ここまでは予想通りでしたが、ここからは予想外の話になります。2階層まで行けたのは最終的には93%中54%ですが、3階層は43%、4階層は28%、最下層まで行けたのは攻略者以外に居ませんでした。特に遺跡タイプは攻略者以外では3階層を突破したPCは皆無です。まぁ、遺跡タイプは真っ先に攻略されたのが原因ですがね。」


その言葉をきっかけにして各所で難しい顔で、言葉を吐き出す社員一同。


「ふむ。少し難しくし過ぎたってことかね?」

「だが、難易度的には最高でも第3エリアボス並みの強さだぞ?これで無理だと言われるのは全体の難易度を考え直さねばならないぞ?」

「これに関しては、PCの情報収集能力の低さが原因ではないかな?実際、町々であるかなり有意義なイベントが一切起こってないのだし。」

「当初の予想では西以外の第2エリアの町ぐらいには行けているっと思っていたんだが、蓋を開けてみれば大きく予想外なことが起こったからなぁ~」

「それもあるが、一番の問題はダンジョンの入口に配置した成長型AIナンバー02に話しかけたのが、結局あのPC以外いなかったのもなぁ~あの称号そのPCだけだぞ?もらったの」


この社員の何気ない一言で、他の社員もそのPCを思い出していた。


「彼ですか、そう言えば彼とそのパーティーでしたね?遺跡タイプを攻略したのは。」

「ええそうです。その映像データがちょうどありますので、皆さん見てみますか?」

「「「「もちろん!!」」」」


会議がいつの間にか、一PCの攻略映像の視聴会になってしまったが、ここにそれをツッコム者はいなかった。ある意味。彼らも重度のゲーム好きが高じてゲーム会社を作った&入った口であるから仕方ないのかもしれない・・・・そして、そのPCの映像を見終わった彼らはと言うと・・・・


「いや~やっぱりゴーレム同士の戦いは迫力が違いますな!」

「全くです!あれを見るとゴーレムが不遇扱いされているのが不思議でなりません!」

「それに関しては、どうも生産職PCの間でゴーレムを2体目の召喚獣にしようとする動きがあるようだぞ?」

「ほう?それは嬉しい話ですね。確かに生産職なら南の第二の町でリターンが大きいですし、頑張ってもらいたいですねぇ~」

「それだけじゃない。提示板の方でスケルトンもいい方向に話がされているぞ。まぁ、きっかけは召喚士ギルドにいるスケルトン担当のNPCなんだが・・・」

「ああ、とうとう彼女がPCに見つかったんですね。ファンクラブもできるかもしれませんね?」


映像を見てからは、皆笑顔で話し合いを続けていた。それだけ映像には迫力という物があり、社員から見てもゴーレムのPCは召喚獣とよい関係を築けているのが分り、彼らはそれが嬉しいのだ。召喚獣にもAIが組み込まれているためそれらを大切にするPCには感謝しかない。


「ふむ・・・・」

「どうかしましたか?社長?」

「いや何。ダークゴーレム戦での戦闘の最後の方で回復薬が連続で使われていたのが気になってね。」

「というと?」

「あの戦法は一番HPの高いゴーレムで魔物を抑え込み、ダメージを受けても回復薬を投げればいいからね、それでゴーレムが広まるのはいささかまずいのではないかな?これは以前から話だけであった回復薬の再使用時間を設定した方がいいかもしれないな。」

「そうですね。確かにゲームバランスにも影響するかもしれません。わかりました。次回のアップデートまでには話を詰めておきます。」

「よろしくお願いします。」


白石と社長の会話は他の社員も聞いていたので、すぐさま関係各所に連絡が行われ、設定するための時間はどのくらいか、等級によって時間も分けた方がいいかなどの調整が各所で話し合われた。


「さて次の問題ですが、【アヴァロン】に関してです。彼らのアカウント停止期間が終わりますので、そろそろ監視体制についての報告ですね。」


その名を聞いた時、社員全員が苦虫を噛み潰したような顔になった。【アヴァロン】に対する社員の評価は最悪で、子供以下、問題児、災害などなどと言われまくっているのだ。とは言え彼らとて客ではあるので、

アカウント停止処分にしていない以上はゲームをする権利はある。もっとも・・・・


「次はどんな問題を起こすやら・・・・」

「今度の土日はイベントダンジョンが解放されるから、その時になんかするかね?」

「ありえますね。ダンジョン独占とか?」

「何かするのは間違いないだろうな。いまだに処罰に対する抗議文を送ってきているから反省なんてしてないだろうしな。」


彼らがゲームを復帰したら真面目にゲームするなどとは到底考えられない。きっとまた問題を起こすに違いないっと言うのが社員の共通見解であり、それらの証拠映像を逃さないためにも議題に上がるのは当然なのである。


「ゲーム運営管理課の皆には余計な仕事をさせる事になりますが、よろしくお願いしますね。抗議文には訴えるなどと書かれていましたから、もしものためにも証拠が必要ですからね。」

「問題ありませんよ社長。顧問弁護士にも相談した結果、今揃っている証拠映像だけでも十分だと言うことですしね。」


今現在、VR関係のネット犯罪は法律が追加され今では未成年ですら対象になっている。大人よりは軽いのだが、むしろそんな状況なのに態度が変わらない彼らの方が異常なのだ。


「ともかくこの問題は早く解決しないといけません。我々の夢の世界を楽しんでいただくためにも。」

「もちろんです社長。それでは今から説明いたします。まずは・・・・」


こうして【アヴァロン】の対策は強固な物へとなって行くのであった。

こういう話は意外とありではないかと、近頃思ってます。


次回更新は3日後予定です。

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