公式イベント ㉛準備期間と慣らし
ゼノン君とヴィレッタさんから遺跡タイプダンジョンの攻略を誘われて、土日に攻略するための準備をするべく、俺は色々と進めていた。
特に回復アイテムの確保。遺跡タイプは1階層だけだが行っているしその経験からかなりの激戦が予想される。ジークでもかなりのダメージを受けるだろう。そのためにも回復アイテムをかなりの数確保する必要があると考えた。
これにはヴォルフやドル爺さんと森林タイプに行き、各種薬草を手に入れヴォルフに作って貰うことにした。ヴォルフの手が空いていない時やログインしていない時は、紹介してもらった調合スキル持ちの生産職の人と行ったりして製作を依頼した。それがこれだ。
中級回復ポーション投擲用 品質:4 レア度:☆☆☆
治癒草で作られた薬。職人の拘りにより効果アップ。
効果:HP85回復
MP回復ポーション投擲用 品質:3 レア度:☆☆☆
魔力草で作られたMP回復薬。効果は一番低い。
効果:MP30回復
中級MP回復ポーション投擲用 品質:4 レア度☆☆☆☆
魔癒草で作られたMP回復薬。職人の拘りにより効果アップ。
効果:MP45回復
これらを中級回復は12個、MP回復は7個、中級MP回復は4個作って貰った。ん?なんでMP回復薬を買ったのかって?それは、この間の攻略相談で俺もMP回復薬を持っててほしいと言われたからだ。理由としては、今度の遺跡タイプの攻略の時にはアーツの出し惜しみはなしで挑むと言っていたからだ。
このアーツなのだが、実は意外と癖が強く魔法や弓のアーツなら手軽にできるのだが、接近戦のアーツになると指示を出すときにアーツを完璧に把握しておかないと大惨事になるとのこと。
例えば、剣術のアーツに”スラッシュ”というのがあるのだが、これは説明に”威力小アップの斬撃”としか書かれておらず実際に指示を出すと、どんな体勢でも剣を頭上に上げ、左斜めに斬撃を放つのだ。そう、どんな体勢でもだ。姿勢がくずれている時でも、武器を持った手がどこにあったとしても、相手が頭上を防御していて脇腹あたりが開いていたとしても、”スラッシュ”のアーツは必ず剣を頭上に上げてからの左斜めに放つ斬撃で固定なのだ。
この指示を出した時に”スラッシュ”を放つ姿勢に適していなくても無理やりやってしまうため、アーツ直後が大きな隙になってしまうのだ。下手をすれば自身を傷付かねない。自分の攻撃が自分に当たったとしてもHPは減らないが大きな隙になってしまうのは言うまでもなく、ゆえに、アーツの完璧な把握は必須なのだ。βテストの時には接近戦でのアーツの扱いに四苦八苦していたらしく、うまく指示を出すのにかなりの慣れが必要だったとか。
話が長くなったが、アーツを使うためにはMPも消費するので俺にも用意してほしいとのことだ。戦闘中に使うことはないだろうが、戦闘が終わった後に俺から補給できるとありがたいしな。
そんなことを続けてとうとう攻略日である土日になった。早速ログインして待ち合わせの噴水広場へと向かう。行きながら道具の最終確認を行い、回復薬は効果の低い物が4個に中級回復薬が22個、MP回復薬は効果の低い物が16個に中級MP回復薬が8個だ。MP回復薬は俺は使わないから二人に使ってもらうから基本は半分に分けて渡そう。とは言っても、どうなるかはわからないから臨機応変に対応しなきゃな。
確認を終え、噴水広場に着いたので二人を探していると・・・
「フレンさん。」
「お待たせフレン。」
ちょうど二人が俺に気付き、向かってくる。
「二人とも、今日はよろしくな。」
「こちらこそ。」
「よろしくね。さて、ゼノンにフレン、二人とも準備は万全かな?」
ヴィレッタさんの言葉に俺達は、頷く。
「よし!では、行こうか。向かいながら情報のすり合わせをしよう。」
その言葉をきっかけにダンジョンへと向かう。さらに行きながら準備期間のことや魔物と戦うときに基本の役割を決めておく。それは東門を抜けてからも続く。
「へぇ~ゴーレムってそんなに防御力すごいのかい?」
「ああ、俺の場合はジークのスキルと俺のスキル効果でかなりの物になっているからな。少なくともスキル効果が発揮された時に大ダメージになったことはないな。」
「じゃあ、基本はフレンのジークが真正面からの引き付け役で、ゼノンのオメガはそのサポートをお願い。オメガは大盾術のアーツがあるから、それを使えば十分なはずだよ。」
「はい、練習の成果をお見せします。」
ちなみにゼノン君は今回の攻略に向けて、ログインできた時にアーツの把握や練習を行っていたと言う。これまではアーツの把握が十分でなかったため、使わなかったがこれから先に行くためにもこのままではいけないと思っていたらしく、防御力の硬い岩亀でアーツを使って戦い練習していた。
「期待しているよ。私のアーマーのローズは主に攻撃を担当するからね。ローズは筋力と俊敏を上げまくったからかなりの攻撃力があるから!でも、大振りの攻撃は命中率悪いから隙がないとやらないから覚えておいほしい。」
ヴィレッタさんはギルド【不死鳥】のマスターだからギルド運営などもしながら情報収集に努めていた。それによるとメイズ鉱石や結晶の武具の製法が広まったおかげで、3階層のボスを倒せたPCがちらほら現れたらしい。洞窟、森林、海岸タイプは4階層の情報が出始めているとのこと。しかし、遺跡タイプの3階層ボスは挑戦者は増えているが、いまだに倒せないらしい。掲示板では”無理だよあんなの~”や”難易度高過ぎ~”などの書き込みが目立ち、徐々に挑戦者が減っているらしい。
「ま、おかげでボスの情報は結構手に入ったしチケットも安く仕入れることができたのはありがたいことだよ。」
「それはなにより。」
「ただ、それでも遺跡タイプは宝箱の発見率が高いから、探索だけのPCは一番多いよ。もしかしたら罠に引っかかって苦戦しているPCもいるかもしれないが・・・」
「当然、助けましょう。」
「そうだな、見捨てるのはいい気分じゃない。」
「そう言うと思ったよ。私も異論はないよ。」
意見の一致に俺たちは互いに笑みを浮かべた。
「あ、そうそう。フレンの海岸タイプのボス情報のおかげでうちのギルドの海岸ダンジョンの攻略は進んでるよ。いち早く情報を手に入れたおかげで準備も一番早かったのが大きいね。サブマスもお礼が言いたいって言ってたよ?」
「協力関係なんだから、持っていた情報を教えただけだよ。気にすることはないぞ?」
「欲がないね~ゼノンもそうだけど、あんたたちもうちょっと欲張ってもいいよ?」
ヴィレッタさんの言葉に俺もゼノンも苦笑するしかなかった。
「まぁいいか。さて、最終確認だ。今回はパーティーの慣らしが主な目的だから基本的には魔物と戦うことが目的。ボス戦は3階層までにしようかと思っているよ。4階層に行って出てくる魔物を確認はしたいけど、無理はしないのが第一。一応ダンジョン脱出用のアイテムも人数分用意しているからいつでも脱出できるので覚えてほしい。」
遺跡に並んでいる時のヴィレッタさんの言葉である。
「今回は私の用意したチケットを使って行くよ。明日はフレンの持っているチケットで行くからお願いね。」
俺は頷き、いよいよ俺達の番である。気合い入れて行こうか!
名前 ジーク 種族 ハイゴーレム
LV20 HP 360/360 MP 82/82
筋力 32 体力 32 俊敏 15
器用 14 魔力 5 魔防 6
SP: 0
スキル : 拳打Lv31(+2) : 異常状態耐性Lv28(+6) : 強固Lv31(+2) : 重心強化Lv21(+5)
プレイヤー名 フレン 職業 召喚士
固有スキル: 《召喚術》 《鑑定》 《召喚数+1》
スキル: 指揮者Lv32(+3) : 召喚獣器用上昇Lv30(+2) : 召喚獣俊敏上昇Lv29(+2) : 防御指令Lv25(+2) :採取Lv21(+6) : 採掘Lv22 : 釣り人Lv1 : 解体人Lv23(+4)
称号: 【大精霊アルトの祝福】 【大精霊ノルンの祝福】 【幸福を食した者】
次回の更新は3日後予定です。




