公式イベント ㉚攻略の誘い
俺がシルバーバスのうまさの余韻を噛みしめていると・・・
ピロン♪
≪PCで初めて幸銀魚を食べたことを確認。フレン様に称号【幸福を食した者】が与えられます≫
はい?何やらまたしても称号を手に入れたんだが、とにかく確認を・・・
【幸福を食した者】
シルバーバス。別名幸銀魚を最初に食べたPCに贈られる称号
効果: 料理を食べた後、数分間幸運アップ(微)
ふむ、効果がなかなかいいな。前に考えた料理スキルの習得を真剣に考えるべきかね?そんなことを思っていたら、ボイスチャットの着信アナウンスが聞こえ確認するとゼノン君からだった。
「もしもし。」
<フレンさん。今大丈夫でしょうか?>
「ああ、大丈夫だぞ。まだログインしたばかりだし。」
<でしたら、お会いできませんか?実は公式イベントの攻略に関して相談と言うか提案と言いますか・・・とにかく話したいことがあるんです。>
「ああ、いいよ。どこに行けばいい?」
<ヴォルフさんに出会った喫茶店に今はいます。あと僕の知り合いのPCが同席しますので。>
「ああ、わかった。今から向かうよ」
<よろしくお願いします>
さて、待たせたら悪いしさっさと行きますかね。出ていく前に女将さんに食事の代金900カロン払い、旦那さんに「おいしい料理をありがとう」と伝えてくれるように頼んで喫茶店へと向かう。
久しぶりに向かうので道を確かめながら向かい、なんとかたどり着くことができた。時間はあまり経過してないがとにかくよかったよ。早速店に入る。
『いらっしゃいませ。おや?お久しぶりですね。』
「どうも。」
『ゼノンさんから伺っていますよ。彼は奥の個室にいます。』
「ありがとうございます。注文はお奨めの飲み物をください。」
『わかりました。』
注文をして、奥の部屋へと向かい着いたらノックをする。
「ゼノン、フレンだ。今着いたぞ。」
「どうぞ入ってください。」
「失礼するよ。」
部屋に入ると、ゼノン君とその隣に女性が座っていた。深紅の髪をサイドテールして恰好は軽装鎧に篭手にブーツを装備していて、ザ・冒険者って感じだ。ローブやマントみたいなのは着けてないな。とにかく対面に座り、話を聞くとしよう。
「フレンさん、まずは来てくれてありがとうございます。」
「なに、大したことじゃあないさ。」
「それでもですよ。それから紹介しますね。こちらは僕のリアルでも知り合いの・・・」
「ヴィレッタって名前だよ。あんたのことはゼノンから何度か聞いてるよ。この子を助けたこともね。私からも礼を言うよ、ありがとうね。」
「どういたしまして。でも、そんなに気にしないでくれ。ゼノン君と知り合いになれてこちらも助かっているわけだしね。」
「そうかい?そう言ってもらえるとうれしいね~ゼノン、あんたいい人と出会えたじゃないかい。」
「でしょ?姉さん。」
「ん?二人は姉弟なのかい?」
「いや、従姉弟だよ。しかもゼノンをこのゲームに誘ったのは私だしね。」
ふむ、詳しい話を聞くのはやめておこう。さっきの質問も軽率だった気がするしな。その時ノックが聞こえ『ご注文の品を持ってきました。』とのマスターの言葉「どうぞ。」とゼノン君が言い挨拶と共にマスターが入り、俺にはカフェオレ、ゼノン君にはジュース、ヴィレッタさんにはパフェを配り部屋を一礼して出て行った。
「食べながら飲みながらでいいので話を始めましょうか?」
「攻略に関してことだったな?」
「はい、フレンさんには僕たちとパーティーを組んで遺跡タイプのダンジョンの最下層攻略に協力してほしいんです。」
「それはかまわないが、なんで俺を誘うんだ?理由を聞きたい。」
「はい、もちろんです。それは・・・」
「待ちなゼノン、そっから先は私が言うよ。そもそも攻略の話を持ってきたのは私だからね。」
パフェの食べながらヴィレッタさんは器用に話す。
「まずは最初から話すよ。私はギルド【不死鳥】のギルドマスターをやっててね。」
「ほう、今注目されているギルドのマスターだったのか。」
「私はもっぱら、場の盛り上げなんかの旗印みたいなもんさね。掲示板に書かれていたことは全部サブマスターがやってくれたのさ。」
「それでも、十分凄いさ。」
「ありがとう。話を戻すが、【不死鳥】所属の生産職が頑張ってくれたおかげで最下層攻略ももうすぐだと思ってたんだけどね・・・」
彼女が言うには、メイズ鉱石や結晶の武具を使い森林タイプの3階層のボスを倒した勢いで、4階層にも行けてそこに出てくる魔物とも互角以上に戦えたことから、最下層も目の前だと思っていたが・・・森林タイプの4階層ボスには何とか勝利したが、パーティーの1人は死に戻り残った二人の召喚獣も倒される寸前だったという。
しかも、他のダンジョンタイプでも【不死鳥】メンバーが新しい武具で挑んだが、洞窟タイプでも同じ結果、海岸タイプでは3階層ボスに苦戦、4階層に挑戦することなく帰ってきた。遺跡タイプに至っては3階層ボスまで行けたが、メンバーが無理をしたためボス戦で全員死に戻り。この無理とは2階層ボスに何とか勝てたにも関わらず、メンバーが先に進んでしまいボス以外の魔物にも苦戦。ダンジョン脱出用アイテムも持っていたのに使わずにボスに挑んでしまったらしい。
この結果に【不死鳥】のメンバーは頭を悩ますことになった。ちなみに遺跡タイプを攻略していたメンバーは正座で20分説教コースの罰を受けて、しばらくは生産職と素材採取をすることとなった。解決策としてはとにかくLv上げをスキルを含めて行い、今回挑戦した情報をもとに相性のいいメンバーで対処することとなった。無論、情報収集も続ける。
しかし、海岸、洞窟、森林はそれでいいかもしれないが、遺跡タイプはそれでも不十分だと思われた。理由は無理をしたメンバーの行動は褒められたものではないが、実力はギルド内でも高い方だったのだ。Lvも18を超えていたし、スキルもほとんどが戦闘系スキルにLv20越え。この実力でも無理だったのがギルド内でも問題視されてどうするか頭を悩ませた時に言われたのが、ギルドマスターの「私とギルド外のPCで攻略してみよう」という意見だった。
普通ならこんな意見通るわけはないが、ギルドメンバー全員がギルド外のPCに心当たりがあった。ギルドマスターと仲のいいゼノン君だ。彼はギルドメンバーではないが、ちょくちょくギルドに遊びに来ていてメンバーともパーティーを組みイベントに参加していた。そこで実力は見ているし、彼のスケルトンがゴーレムと相性のいいメイスを持っていたことも、メンバーが納得した理由の一つだ。さらに彼の知り合いでゴーレムを召喚獣にしているPCがいるとも知っていたため、誘うならそのPCとも予想された。
そんなことがあり今に至る。
「てなわけで、誘いに来たって経緯だよ。」
「なるほど。理由は把握したよ。俺で良ければ喜んで協力しよう。」
「ありがとう~助かるよ。協力の報酬は私たちギルドが集めたアイテムで気に入ったのがあればそれを渡すよ。」
「ん?攻略に関してはこちらもやりたいことだし、報酬はいらないぞ?」
「それはだめだよ。こちらからのある意味依頼なんだし筋は通さないとね。」
ふむ、確かにそういうことになるか・・・・
「わかったよ。だったら盾があればもらいたい。」
「了解だよ。ちなみにこれは興味本位の質問だけど、なんで盾が欲しいの?」
「2体目の召喚獣をアーマーにして騎士みたいに剣と盾を装備させたいんだ。剣はいいのがダンジョンで手に入れたんだが、盾は持っていなくてね。」
「へぇ~いいね。アーマーには似合うよ。」
ヴィレッタさんは納得し「ギルドにある盾を一回整理しないとね。」と言っていた。
「それでいつ攻略に行くんだ?」
「それなんだけど、今度の土日に行こうかと思っているの。それ以外の日は私とゼノンが家の用事でログインできるか怪しくてね~土曜日にパーティーの慣らしもかねて挑戦して、日曜日に最下層を目指すって形にしようと思っているよ。」
「わかった。それまでに準備をしておく。」
それからの話は攻略に向けて、情報交換を行った。ヴィレッタさんの召喚獣はハイアーマーで武器に大槌を持っていることや、ゼノン君は今回の協力依頼の報酬としてオメガの装備を作って貰っているらしい。全身鎧とのこと。なお俺からは海岸タイプのボスの攻略法として関節は斬撃で切り落とせることと、獣タイプ専用装備があったことを話した。このことは鋼史郎と疾風が掲示板に書き込むと言っていたし、俺の知り合いに教えてもいいと言ってくれた。
証拠として足もその場で見せた時の二人の驚いた顔は、失礼だが面白かった。情報交換も終わり攻略するための準備を今からでもするため俺はカロンを払い店を出た。さて、忙しくなるぞ。
称号: 【大精霊アルトの祝福】 【大精霊ノルンの祝福】 新!!【幸福を食した者】
称号以外は変わりないので、称号のみの表記です。次の更新は3日後予定。




